――何?どうなってんのコレ…
頭の中がパニック
――どうして押し倒されてんのーっ!?
欲を剥きだして
元はといえば何が発端でこうなったことも知らず
ただ学校の帰り、何時ものように寄り道をしながら帰ってきただけで
いつものように家まで送ってくれる一護
でも今日だけはちょっと違う雰囲気を漂わせて
ただ一言
――悪ィ、
言った瞬間、家に入ってきた一護はそのままを押し倒して
今に至る
「一、護…?」
「いないんだよな?」
「え…?」
「親父さんたち」
「夜まで帰ってこな―――っ!?」
言い終わる前に一護のふわりとしたオレンジの髪が額に当たる
唇に感じる生暖かなモノ
噛み付くようなキスでを翻弄していく一護
少しでも開けてしまえば巧みに隙間から入ってくる舌
苦しくて思わず開けてしまったは見事に舌を絡め取られ舌が麻痺してしまうほど堪能される。
両頬をがっちり両手で押さえられ、もはや逃げる隙も与えない一護
しかし、優しさあってが苦しそうな顔をする度、一護はほんの少し間を空けてくれるのだった
「いち、ご……」
「どうしようもねぇんだ、どうしようもなくお前が欲しい」
一護の顔が眼前にあり、
その吐息を直に感じてしまう
一護の言葉がの心を揺れ動かし、胸辺りが鷲掴みされるように痛い
そんなを一護は抱き上げ、起き上がると俗に言うお姫様抱っこをしてすぐ後ろにある階段を上っていく
「だ、一護!!」
「なんだよ『だ』って?」
「いや、そんなことどうでもいいから!待って降ろして!!」
言葉とは裏腹に首にしがみ付くが可愛らしくて
一護はに見えないようにそっと笑みを零した
二階に上がり、の部屋を開けてをベッドへ降ろしたと同時に覆いかぶさる一護、
は咄嗟に一護の両肩を押さえる
「…怖いん、だよな?」
「え…?」
「分かってる、のほうが辛いってことも」
「一護…」
一護はそっとの手を退け
そのままの背中に腕をまわして抱すくめる
壊れ物を大事に包み込むように優しい力が伝わってくるのが分かる
暖かさが徐々に浸透していった。
「いい、よ…?」
「?」
「一護の好きなようにして、いいよ?」
「お前…バカだろ、ホント」
「だって、欲しいって言ったの一護じゃんか」
「そうだけどよ…やっぱダメだ」
「なにそれ…」
「欲しすぎてダメなんだ、」
耳元で囁きあう二人
くすぐったくて、でも心地よくて
少し距離をあけて顔を見合せばそれを合図に二回目のキスを交わした二人
そっと重なった唇は啄ばむように何度も何度も角度をかけて甘い果実を頂く
「好、き…」
「…」
言葉をかわす必要もなくただキスだけを交わした
カーテンの隙間からオレンジ色に光った夕日が覗き込むように差し込んで
まるで誰かに見られているような、そんな感じがした。
どちらからでもなく、ただ自然にキスが止んだ
お互い顔を見合わせて最初に声をだしたのは一護だった。
「その、勢いまかせでヤっちまうのはよくねぇと思ったから」
「…ホント、一護って優しいんだから……」
「や、優しいとかそういう問題か?」
「うん、優しいよ…でも優しすぎないでね」
「?」
一護はその意味深そうな言葉に疑問符を浮かべる
は一護を儚げに見るとこう言った。
「だって、そしたら一護を好きになる子が多くなっちゃいそうだからさ」
「……前言撤回だな」
「…え?」
その言葉がいまいち理解できなく
ただ、再び漂う雰囲気にこの先を悟ったは慌てて声を出そうとしたが
――待った!!
とばかり一護はの口を塞ぎ、
そこから先は二人だけの秘密、だそうです
ありがとうございました
一護って格好良いですよね、今更ですけど
再確認ですよ、再確認(笑)
……それでは再び逃走