ほら[日番谷Version]
ずっと一緒にいられるなんて
そんな夢見たいなことは思ってはいけないけど
そう思ってしまうのが性なんだろうなって
私はそう思う
特に、自分にそんな存在ができた時には
このまま時が止まってしまえばいいだなんて思っちゃうんだ
「冬獅郎…?」
真っ暗の部屋の中で愛しい人の名を呼ぶ
答えるはずのない相手はとうに寝入っているというのに
それなのに愛しくて堪らなく名前を呼んでしまった
「…眠れねぇのか?」
起きていたのかと少し驚いて
でも起きていることに少し嬉しさを覚えた
そっと右手に感じる温かさ
握り返すとますます二人の絆が固くなるような気がした
「起こしちゃった?」
「いや、起きてた」
「山積みになってる書類の消化法とか考えてたとか?」
明らかに声が笑ってしまった
私は冬獅郎の方を向いて、恐らくそこには凛々しい顔があるのだろうと
空いた左手を伸ばして触れてみる。
少し驚いたみたいで冬獅郎は私の左手をあっ気なく捕まえてしまった。
「バカ、明日のことなんて考えてられるかよ」
「はは、そうだね。明日するからいっか」
「そんなことよりも、お前は何考えてたんだ?」
「え…?」
「俺に言えないなら構わない」
――聞きたいけどな
そう後に付け足して俺はを向き合うように寝返ると
そっとを抱き締めた。
は俺の行動に驚いたのか少し強張って肩を揺らしたが
それも全部飲み込むように俺はを抱く腕に力を込めた
「ほら」
「ん?」
「こうしてっと不安なんてなくなるだろ?」
「…冬獅郎ってホント、何でも分かっちゃうんだね」
「のことならな」
そう言って額に唇を押し当て、
そのまま降下していく唇はのそれを捕らえる
優しいキスはシンプルに終わり
日番谷はそのまま、を抱き寄せたままこう言った
「‘時が止まってしまえばいいのにな’」
「…冬獅郎?」
「そしたら俺も、もずっとこのままでいられるだろ?」
「…私も、ずっとそう思ってた」
「俺らしくもないバカげたこと、
言ってんのは百も承知だ
でも、それでもそう思ってしまうのは」
――を好きで、愛してやまないから
耳元で囁かれ、
顔が熱くなっていくのが自分でも分かり
今が夜だということには安堵しつつ
は小さな、本当に小さな声で
――バカ
そう言った
「でも、冬獅郎大好きかも」
「かもは余計じゃないのか?」
「そうかも」
「ったく、人の話聞いてねぇな」
「ごめんって、でもホントに好き」
「分かったから早く寝ろ、明日お前が当番だろ?」
「っげ、そうだった…忘れて、た…」
もう一度額に唇が降りて
そっと瞼に押し当てられる
その柔らかな感触には一気に眠気がきた
「もう寝たか?」
「…んー…・・」
「…ま、どうせ一緒に行くってのがオチなんだろうな。」
鼻で笑って日番谷はそのまま自分も瞼を閉じて
眩しい明日までと隣同士深い眠りへとついた
日番谷くんと寝てみ隊!!!!(笑)
『不安』というものを消し去ってやってください!!!
LOVEパワーで!!!!!!!(爽)
当番っていうのは…鍵開けみたいな感じです(=学校でいう日直みたいな)
それではありがとうございました!!!