抱き締めたあとそっと唇を重ねて啄ばむように求めた。
「跡部、」
やめてとばかりに胸を両手で押した
「名前で呼べ」
「それは恥ずかしいって」
「、」
追い詰めるようにもう一度唇を重ねようとすればその愛しい口から
「景吾!」
呼ばれた自分の名前
少し赤らめた表情が愛しいから
そっと触れるだけの口付けをしてやると
反抗的に顔を背けやがった。
「ここ、学校だよ?」
「今は誰もいねェだろ?」
「関係ないよ」
「俺の部屋ならいいのか?それとも部室か?アン?」
「はぁ!?」
思わず笑ってしまった。
意地悪して言ってみれば顔を赤くして声を上げる。
は俺に――何言ってるの?
とでも言いたそうな顔をして
「ば、バカなこと言うな!」
「怒鳴るなよ、分かってるさ」
は俺から離れ歩き出すと大空を見上げて
「跡部のバーカ」
呟くように言ったその小さな背中がとてもじゃないが愛しいと思った。
「認めてやるよ、俺様がバカだってな」
小さな背中に恋をしたとんでもないバカだってな、
だからもう一度見せてくれ
その愛しい笑顔をな
「え?跡部?」
「帰りにお前の言ってた店にでも寄って帰ってやるか」
さっきまでのふくれっ面は何処に行ったんだ?
は目を見開いて嬉しさをむき出しに
「ほ、ホント!?」
の見せた笑顔が
無性に好きだと
感じた瞬間
(だけどやっぱり名前で呼べ、苗字なんて呼ぶな、)
跡部らしいです(オイオイオイオイ)
個人的長ったらしいのは好きじゃないので短めに短めにと心がけています。
(でも時々長ったらしくなる)
ここまで読んでいただきありがとうございます!!