「夏だっ、海だっ、砂浜だーっ」
清音が元気よく砂浜を走り回る。照りつける太陽の下、僕等はぼんやりと眺めていた。・・・・・・僕等以外誰も居ない海を。
「委員長」
「何ですか?相楽」
「僕等は何故こんなところに?」
「それは・・・・・・、福引で当たったから」
「こんな時期に?」
「うん・・・・・・」
ここ最近、気温は確かに上昇しつつあるのだが、今は梅雨。つまり、気温は高くてもいつ雨が降るか分らない状況・・・・・・。
そして、頭上には怪しげな雨雲が今にも太陽を覆い隠さんと、徐々に迫りつつある。
「まったく、いつもはクジ運ないくせに、こんなときばっかり。厄病神にでも憑かれてるんじゃないの?」
「うっ・・・・・・」
御影の言葉に委員長が胸を抑える。グサッときたらしい。
「どうせなら、もっと夏本番の時に来たかったです・・・・・・」
「ううっ・・・・・・」
御影だけでなく、耀も攻撃に参加する。ホント、何でこんなのばっかり・・・・・・。
そもそも、今回の原因は委員長が「皆で福引大会しましょう!」なんて言い出したのが始まりなのだ。
ルールは簡単。福引で一番いい等を引いた人の勝ち。
結果は、委員長以外は全員ポケットティッシュ。で、委員長は・・・・・・。
「特賞の、『微妙に季節はずれの海水浴旅行』を当てちゃうんですからね・・・・・・」
「さ、相楽まで・・・・・・」
委員長が涙目で僕を見る。でも、今回ばかりは助けてあげられませんよ・・・・・・。委員長。
「う、ううぅ・・・・・・。私だって、好きで当てたんじゃないのに・・・・・・」
「ま、まぁ、とりあえず海は諦めて一旦旅館に戻りましょうよ。雨降るかもしれませんし」
「そうね、じゃ、戻りましょうか。何の為の海水浴だか分からないけど」
「う、うわぁぁぁぁぁぁんっ!」
「あっ、い、委員長さん?」
委員長が泣いて走って行ってしまった。旅館しか行くところないから、大丈夫だろうけど・・・・・・。
「御影、ちょっと言い過ぎじゃ・・・・・・」
「あら、私達は『テスト前の休日』を利用してここにきているのよ?あれくらいしないと」
「ま、まぁ、確かに・・・・・・」
テスト前、というのは確かにきついし・・・・・・。あれくらい言った方が今後こんなこと起こさせないためにはいいのかもしれない・・・・・・。
「さ、戻りましょう」
僕等は委員長が走り去っていった方向に向かって歩き出した。
僕はまだ知らなかった、この先起こる悲劇を・・・・・・。
晴れていた空は徐々に曇りだし、雨を降らし始めた・・・・・・。しとしとと、梅雨特有の雨を・・・・・・。
次回、背筋も凍る事件がおこるっ!・・・・・・かもしれない。