素人のTV.4K工事
2019/10月 素人の工事
▼4K・8Kとは
(1)電波の違い
従来の地デジ電波は470~710Mhz、BS電波は1032~1489Mhz、及びCS電波は1595~2071Mhzでいずれも右旋の電波です。今回の4K・8K電波は2224~3224Mhzで左旋でこれまでの電波とは周波数帯が異なります。右旋(左旋)の電波とは、右に(左に)偏り円を描きながら(ら旋状に)やって来る電波を右旋偏波(左旋偏波)というのです。平たくいえば左周りの電波、右回りの電波ということです。今まで使用されなかった右旋円偏波(左旋円偏波を使用しつつ)も使用するということです。
(2)4K・8K製品は
周波数が470~3224Mhzの周波数帯を保証しているとことになります。従って4K・8K対応製品で視聴すると従来のUHF・BS・CS(周波数は470~2071Mhz、2Kという)の視聴も可能ということです。
(3)画素数の違い
2K(約 207万画素 水平:1,920 垂直:1,080)、1倍
4K(約 829万画素 水平:3,840 垂直:2,160)、4倍
8K(約3318万画素 水平:7,680 垂直:4,320)、16倍
画素数が多いほどきめ細やかな表示をしているということです。
▼2Kから4K・8Kの切り替えで、まず考えることは
(1)テレビコンセント(以下TVコンセントとする)から出ている配線ケーブルは1本か2本か
1本線で地デジ・BS/CS(以下BSとします)の両方視聴しているならば、両者の電波を「ミキサー」で混ぜています。2本線ならアンテナからTVコンセントまで、地デジとBSを別々の電波をケーブルで送っています。いずれでもよいのですが、1本線の場合はTVコンセントからTVまでに分波器とケーブル2本が必要となり、それがTVの数だけ必要となります。2本線の場合はアンテナからTVコンセントまでの距離が長いと、その2倍のケーブルが必要になります。こちらはBS用とUHF用のTVコンセントがありますから、分波器が入りません。更にいうと、1本線の場合はBSとUHFを混ぜるから分配器は1つ、2本戦はBS1つ・UHF1つで2つになります。1本線の場合は全体の配線が楽です。
(2)配線ケーブルの種類
TVコンセントのカバー部分を剥がしケーブルを引き出せば(少し長いめにしてあると思います)、ケーブルに名称が入っていて4K8K対応かが分かることがあります。ただし、ケーブルに名称が入っていないものがあるから厄介です。10年ほど前にコードを変更しているなら、S_5CFB、S_4CFBのケーブル可能性があります。両者は4K8Kに対応しています。数字の5,4はコードの太さです。大きいほど電波損失が小さくてすみます。最近の工事なら、良心的に太い方のS_5CFBのケーブルだと思いますが。ちなみに、その構造は外側からビニール(?)被膜、網組線、アルミ箔、白い絶縁体、芯線となっています。UHFの方は同様な構造ですがアルミ箔がありません。4K8K対応のS_5CFB(S_4CFB)はUHF用としても使用できます。
さて、ケーブルがS_5CFBでないなら4K8Kを見るテレビを別に設定してみるのも一つの方法です。もちろん、パラボラアンテナは追加ですべて外の機材も別設置ということになります。UHF放送については当分の間4K8K放送はないようです。
(3)ケーブルは壁の中ですか
土壁の中で塩ビの管の中をケーブルが走っている場合は、慎重に次の作業をすれば配線はきれいな仕上がりとなります。それは、新旧のケーブルを繋ぎ、古いケーブルを引っ張れば新しいケーブルが塩ビ管の中を入っていきます。ただし、つなぎ目が角っこに引っかかり、下手をすれば新しいケーブルが途中で取れてしまい、悲惨な結果になったりします。やり直しで結局は土壁・柱の上を這わすことになります。ケーブルをよじりながら引っ張り、ひつっかかりをクレアする方法もありますが。くれぐれも新旧ケーブルのつなぎめを慎重におこって下さい。
(4)4K8K対応パラボラアンテナの交換
新規工事と同様、つまり始めからのTV設置となります。パラボラアンテナ、ミキサー(混合器)、ブースター(増幅器)、分配器、TVコンセント、分波器・分配器、コード(対応していない場合)の交換ということになります。★とりあえずパラボラアンテナだけを4K8K対応にすることはよくないようです(やらない方がよい)。
(5)4K・8Kテレビと4K・8K録画機
4K・8Kチューナー内蔵テレビと4K・8Kチューナー対応テレビとは違います。4K・8Kチューナー対応テレビは、これだけでは4K・8K放送が視聴できません。別途4K・8Kチューナーを購入する必要があります。ただし、ケーブルテレビ回線では4K・8Kチューナーはいらないと思います。4K・8Kチューナー対応テレビでは、4K・8K録画機(チューナ内蔵)から電波をもらう方法もあると思います。いずれにしろ購入どきは、テレビにチューナーが内蔵されているかに気をつけて下さい。録画はあまり必要としないのであればUSB接続でハードディスク利用を考えてはどうでしょう。
(6)4K・8K視聴は49インチ以上
49インチ以下だと4Kの効果はないのでは、と思いますが(私個人としての見解です)。また視力の悪い方はどうでしょう、その違いが分かりますかね。それこそ電気店で”お試し”に見ての判断でいかがでしょうか。
来年はオリンピック放送もあります、さてあなたはどうしますか。
(7)4K・8K化で電波ノイズの規制が厳しく
お役所は電波ノイズの発生により、トウタルの交換を薦めています。上記(4)の機器に[SH]マーク入りの機器を使用するよう、薦めています。[SH]マーク入りとは、早い話が[JIS]規格というのがありますね。とりあえずは、お役所にお墨付きをもらったものの「印し」と考えればよいかと思いますが。よく似た[HS]マークというのもあります。私にはその違いがよく分かりません。こちらはネットで調べて下さい。
【ネットにて】:SH(スーパーハイビジョン受信マーク)一般社団法人電子情報技術産業協会で審査・登録され、 一定以上の性能を有し、適した衛星アンテナ、受信システム機器に付与されるシンボルマークで、その性能を証明するものです。
>>以上、4K・8K化がいま必要か、家族会議を開き十分考えて結論をだして下さい。ついでながら、我が家は『4K・8K化』をおこないました。消費税10%導入前。来年は東京オリンピック。もうチケットも売り切れ。テレビだけでもという理由につけ込んで黙々と工事をしました。おじい・おばあ がおられるところは是非4K・8Kで見せてあげて下さい。
▼さて、ここからは工事の話です。
(1)一番大切なのはケーブル(F型コネクタ)作り
下手をすると火が噴き火事になります。ここでは一応「4K・8K化の工事については電気工事士の免許があったほうが良い」らしいと申し述べておきます。
①ケーブルは切断面より10mmほどビニール被膜を剥ぎ取ります ②先から6mmほど網組線・アルミ泊・白い絶縁体を切って芯線を出す ③芯線の先を斜めに切る ④かしめ用リングを通し網組線を折り返す ⑤コネクターを網組線とアルミ箔の間に強く押し込む ⑥リングをコネクタまで寄せてリングをかしめる ★芯線と網目線・アルミ箔が接触しないように心がける。芯線に傷を付けないように、また芯線に薄い皮膜(?)があるときはきれいに取り除く。
(2)BSとUHFとの電波を混ぜる
ミキサーを使用するが、BS・UHFブースターでも代用できるようです。ブースターは電波の増幅が主目的だが(増幅が必要なのはUHFの方だと思われる)、混合も可能です。ブースターには本体(増幅部)と電源部の2つの本体に分かれています。この2つの位置を回線のどの位置に置くかが難しい(ブースター添付の説明書 参照)。上図の最新B宅ではBSとUHFを混合する位置に本体(増幅部)を置き、電源部を分配器の(電流通過する)端子(キッチンのTVの前)に置いています。もちろん電源部には近くに電源コンセントが必要となります。(上図 B宅(新))
(2')BSとUHFとの電波を混ぜない
UHFアンテナとケーブルは変更はありませんから、BSの方だけ4K・8K対応BSへの変更とになります。複数のTVを利用しているときは、4K・8K対応の分配器が必要になります。(上図 B宅(旧)参照)
(3)いくつもの部屋でTV見る
上記(2)でBSとUHFを混合したものを分配器で必要なだけ分けます。上記の図でほぼ中央に位置しいくつもの足が出ているのが分配器です。分配器には1端子通過型と全端子通過型があります。全端子通過型の方が高価です。平たくいえば、アンテナには電気を供給する必要があり、一つの繋がったTVからするのか、全部のTVからするのかの違いです。上記の(2)の『分配器の(電流通過する)端子』つまり、TVからアンテナへ電流を供給する端子でそれは、キッチンのTVが対応しています(1端子通過型分流器の例)。全端子通過型は繋がった全TVから電流を供給することになります。実際はTV側で「AUTO」で対応するようです(全TVが電流を流せばアンテナ側で過剰になる)。
3’)TV1台だけで4K8Kを見る
4K8KのTVを見たければ、アンテナにコードを取り付けTVに接続すれば見られます。ただし、地デジはだめでBSのみです。
(4)TVと配線ケーブルとの接続
配線ケーブル1本の場合は、BSとUHFの電波が混ざっているので、TVとの接続では再びBSとUHFに分ける必要があります。この時に必要となるのが分波器(分配器でない)です。ここでBS用とUHF用の2本のケーブルが必要になります((1)の方法で大量生産すること)。
4K8K化の前に、ずっと分波器の代わりに2分配器を使用していましたが何ともありませんでした。ただし、TV受信強度・品質に関係するかは確認できていませんが。
(5)4K8K対応アンテナの設置
ケーブルも含めてUHFアンテナは触る必要なく、従来通りのものが使用できる。4K8K対応パラボラアンテナの設置については、旧パラボラアンテナの位置・角度をスマホで写真を撮り記憶しておくことです。実際の設置では2人でスマホで情報交換をおこなうがベスト。コード接続後、1人がTVの電波受信画面を動画で撮影し、片方がそれを見てアンテナ側の角度調整すれば比較的簡単にすみます。
以上、機材はネットで入手しましたが、試行錯誤により高くつきました。業者へ依頼するよりはお安く・楽しく出来ました。相場では1つのTVコンセントにつき2万円で、7つあると合計14万円はかかるとか。もちろんこれにTV本体49インチで12.5万円の追加です。