かみさま。

おねがいします。どうか俺からあの笑顔だけは取り上げないで下さい。


 

オミくんとすずねえ、彼と彼女が始めて出会ったのは彼がまだ幼稚園にすら通っていない少年の頃

祖父母の家に遊びにいった時のことでした。

祖父母の家の隣に住む一つ年上の少女桜橋涼香はちょっびりおませなお姉さん。

もちろん二人の間にはなにも起こりません、でも彼の方では少し気になる女の子

彼は休みのたびに遊びに来ます。

そして彼が何度目の春休みが明日終わる前日ある事件が起こってしまいます。

物語は、彼が夕暮れの教室で彼女ことすずねえに起こされるシーンから始まります。

オミくんこと新沢靖臣は訳があって両親はいません、心優しい祖父母と

いっしょに暮していましたが、既に祖父母は他界して気ままな一人暮らししています。

まあ、すずねえが朝起こしに来たり朝晩ご飯を作ってくれたり…

色々と面倒をみてくれている以外は普通の高校二年生になっていました。

クラスメイトの巨乳無銭飲食巫女こと「尼子崎初子」病弱なブルジョワ栗娘「楠若菜」

水泳部のまな板乳レジスタンス女「佐久間晴姫」や教育実習生のポンコツな「ひよ先生」こと「小泉ひより」他、

時にはふれあいじゃれあいながらも楽しくもめちゃくちゃな高校生活を送っていました

.

秋、学園祭、体育祭でクラスメイトの意外な一面に触れながらも

彼はとうとう体育祭の後祭りフアィヤーストームで、

すずねえに対するかけがえの無い姉弟関係から深い愛が育っていたこと

にやがて気がつき彼はすずねえこと桜橋涼香に愛を打ち明けます。

 

忽ちふたりは恋に落ちるかと思いましたが、彼女はその場から逃げだしてしまいます。

彼女はあの事件…本来なら「水晶の呪い」を自分が受ける筈だったからです。

もちろん彼女の返事はイエス。

でもふたりの幸せな時間は永くは続きませんでした、水晶のたたりが彼の楽しかった日々の記憶を奪ったからです

.

彼が全ての記憶を失ってしまう前に、彼の部屋の壁に貼ってあるすずねえの写真を

見つめながら彼が呟く言葉が「かみさま、お願いしますどうか俺からあの笑顔だけは取り上げないで下さい」

このお話は、PCゲームメーカMarronの第一弾作品「秋桜の空に」

結局、すずねえのことすら忘れてしまった彼は彼の願い「両親に逢いたい」の言葉

を聞いて彼女は彼を両親のもと、記憶喪失の治療の為アメリカの病院へ行ってしまいます。

オミくんを失ったすずねえは生きる術を無くしてしまいました。

   

やがて彼女は、あの水晶の祭ってある神社へと導かれます。

結局彼女の心の涙が彼女の家に先祖伝来から伝わる願いが叶うであろう…彼女のお守りの水晶に染み込みます。

その純粋な涙の力なんでしょうか…別れてから1001日後彼の記憶が甦ります。

二人は約3年後、大学のキャンパスで再会し

ハッピーエンドを向えるのですが、

もしあなたが全ての記憶を失う日が来たら…最後になにを願うのでしょうか……。

出会いから10年以上も経ってやっとかけがえのない二人になっていたふたり。

花火のように終わる恋もあれば

10年以上もの年月をかけて育つすばらしい愛もあるようです。

 

かみさま

どうか。お願いします。俺からあの笑顔だけは取り上げないで下さい。

 

戻ります