大賀ハスの特徴
大賀蓮は性質が弱く、花上がりも悪いため、栽培は難しい部類に入る。
各地の池や公園で栽培されているが、交雑によりその特徴を失ったものも少なくないようだ
花はピンクで条線がぼやけており、
葉の表面を触ると多品種のようなザラザラ感はなく、すべすべとした感触がある。
(「睡蓮と蓮の世界」赤沼敏春・宮川浩一著 マリン企画 2005年より)
厳密には大賀蓮というのは、初代大賀蓮のレンコンから文節したもののみをいいます。
私の蓮は、町田市大賀藕絲館から直接いただいた種ですので、出自に間違いはありませんが
本当の大賀蓮とはいえないのです。
しかし、和歌山県大賀ハス保存会の蓮と比べてみますと
私の蓮は極めて大賀蓮の性質に似ていることがわかります。
藕絲館(ぐうしかん)の蓮は最初の一粒の流れをくむ大賀蓮であることは間違いありませんが、
DNA鑑定の結果、遺伝子は変化しているそうです。
しかし、花の形態的特徴は大賀蓮に酷似しており、徳川家でいえば徳川御三家のひとつのようなものといえるでしょう
蓮は自家受粉しても親の遺伝子とは異なるものだそうです。
蓮根で文節したものでないと真性の大賀蓮にはならないのです。
そのことを考えると、真性の大賀蓮蓮根を繁殖させたとしても、
種が(緑の種は自然発芽する)池に落ちて発芽する可能性もありますから
ひとつの蓮池のなかに、親世代とF1世代が混在する可能性も無きにしも非ずです。
大賀蓮の花は大型で明るいピンクの一重咲き、条線(花びらの筋)が不明瞭なためのっぺりした印象が特徴です
大阪府の天然記念物に指定されている原始蓮などは条線がはっきりしています。
花 濃いピンク色のグラデーション。 |
![]() 葉 表面に肉眼では確認できないほどの細かい毛が 触るとビロードのような滑らかな感触がある。 |
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アジアを中心に分布する東洋種は、花が紅や白とその中間の色合いです。
対して、主に北米を中心に分布するアメリカ種は花が黄色いのでキバナハスと言い分けされています。