人と植物の繋がりは不可分な関係にあることは、有史以来受け継いてきた人の営みで言を待たず明らかである。明治以降めまぐるしい時代の変遷で人々の生活も、西洋文化の流入、生活様式の西欧化、合理化、簡略化と多様化し、科学の発達、情報化社会によるグロ−バル化など、また、人口の増加とその反面、家族構成の少数化へ、着物から洋服へ、米食の減少と食の多様化、茅葺の家から瓦葺スレ−ト葺き和洋折衷型の家に変わり、それに伴い植物文化の伝承も大きく変化してきている。しかし、人々の心に残る古来の良風は受け継がれ、その他はそれより良いものに変わるものと、そこで過去ものとして忘れさられつつあるものとに分かれている。

なお、伝承はその地域、家庭環境により異なるが、地域の多くの方々のご協力による現地調査の聞き取りをまとめたものである。