ま え が き 深山池公園は、川西市の北西端に位置し、その北西は猪名川町に接し、市内で最も広い面積約7.52haを有する公園で、私どもは先に猪名川町に生育する植物を七年かけ調査し、その植生を猪名川町の植物誌として報告したが、隣接する深山池公園は住宅団地の中にあり、自然林と二次林が多く残され、その周辺と共に住民の憩いの場で、かねてより、公園の園路と周辺の歩道、遊歩道の舗装ブロックの隙間や縁石の隙間などに、自生植物と新しい外来植物が見られるようになり、調査せねばと思っていたところ、この度、新型コロナの発生により、外出の自粛が要請されたこの機会に、訪れる人も比較的少なくなった、この公園と周辺の植物調査を思い立ち、以前の散策時に珍しいものは調べてあったが2020年2月より本格的に調査を開始した。調査は生育している植物種と、その自生・帰化・植栽・逸出の区分・生育環境の区分などを明らかにし、自然林、二次林の状況、地域の交流活動に伴い川西市最北西端へ侵入してきた帰化植物、特に隙間植物の生育している、 園路や周辺の歩道、遊歩道、日生中央駅前広場の約3.54haも加えて、植生状況などを植物環境研究資料として調査したので活用して頂ければと思っています。また、川西市の植物生育の記録として将来、次世代でも活用して頂ければ幸いです。植物の同定は、私どもが先に行い最終は、頌栄短期大学名誉教授黒崎史平先生にお願いして決定して頂きました。 先生には本調査の発表に多大なご指導とご協力を頂き、厚くお礼申し上げます。 また、矢内正弘先生著の、兵庫県産植物図譜上下巻は、同定の手引きとして非常に参考となりました。ここに記し感謝申し上げます。 作成した植物「さく葉」標本は、兵庫県立人と自然の博物館に納めさせて頂きました。 なお、植物採集、標本作成に、猪名川町伏見台の西村 衛・一江ご夫妻に一方ならぬご協力を頂き、お礼申し上げます。 本調査は、2023年に漸く完成の運びとなりここに報告致します。
牛島富子 |