今日からゴールデンウィーク。
部活も3日間連続で入ってます。

しかも、合宿形式ですけど?

監督は俺等が暑さで死んでもイイって思ってんのかな?
せめて最終日は休みが欲しかったっつーの!!



「たっのしみだねー、陽平先輩っ!!」



ニパと笑って俺に話しかけてきたのは洸だった。

こいつは・・・っ。
本当にお気楽でイイ。
多分、合宿をお泊り会とかと勘違いしてるんじゃないのか。



「おー、そうだな」

「何、そのやる気の無い言い方」



ブーと頬を膨らます洸。
そういう顔は女の前でやってくれ。
絶対うけイイから。



「陽平先輩もお菓子食べる??」

「食べない」

「ほんっとノリ悪いね」

「五月蝿い」



俺は次はいつ休みがあるかで悩んでんだ。
話しかけられても適当な相槌しか打てないっての!!



「じゃぁ先輩」

「ん?」

「これあげる」



そう言って渡されたのはインパクトを吸収する道具だった。
確か、コレ・・・。



「役に立つと思うよ?」



ニコニコと笑う洸。
俺は有難う、とお礼の言葉を言ってから鞄の中にそれを入れた。



「あ、ちなみに僕とおそろいね!」

「え、マジで?!!」

「あったりまえじゃん!」



そんな洸を横目に溜め息一つ。


監督がわざわざ合宿まで開いて普通の練習をするとは思えない。
先のことを考えると溜め息しか出なかった。



「あはは、陽平は最初から疲れきった顔してんねー」



ケラケラと笑いながら、翔己は俺に話しかけに来た。

っていうか、疲れきった顔させてんのは誰だよ。
それに、洸も微妙に相槌打ってんじゃねぇよ。



「しょっぱなからソレじゃ、生き残れないんじゃない?」

「・・・はぁ?」

「んじゃ、下りるよー!」



その監督の一言で、俺等テニス部員の16名はバスを降りることになった。

部員が16名って少ない気がするけどそうでもないから。
ほら、6人ギリギリしかいない高校もあるぐらいだし!
俺らとこはまだ多いほう・・・だと、イイんだけど。


にしても、どうもおかしい。
下りた場所は、どう見てもコートがない。
と、いうか、それ以前に・・・。



「よーっし、じゃぁ今日から合宿だー!」

「って、監督それはなしですよ!!」



思わずツッコんでしまった。
だけど仕方が無いじゃないか。
いきなり監督が合宿宣言をしたのだから。



「巵は何か不服?」

「否そういうんじゃなくって・・・何故、山の中に放り出されたのでしょうか?」



皆を代表して俺が問うてみた。

っていうか、2,3年は普通な顔してるんですけど。
1年と俺だけが不思議がってそわそわしてるんですけど。
何なのかな、これはっ!!



「あ、知らないんだっけ?」



ゴメンゴメンと謝る監督。
謝る前に状況説明してください。

ニコニコと笑う監督はどう見ても怪しい。
何か、隠している。



「毎年の恒例、だそうだよ?」

「何がっスか?」

「勿論、合宿が」

「合宿って・・・宿ないやん?」



周りを見てもソレらしき建物の気配もない。
俺等は頭にクエスチョンマークを並べた。
だけど、監督は笑っていた。



「勿論、今から行くよ・・・・歩いて」

歩いてぇえええええええ?!!!!



1年生’sと俺の声がハモった。
見事に、綺麗にハモりました。

否、そういうことはどうでもイイんだよ!!

それよりも、今監督はマジで言ったのか・・・?



「じょ、冗談やろ?」



俺と同じ考えをしていたであろう郁がそう発した。
その問いにすぐに答える人は居なかった。
だけど、監督や2,3年生の顔を見れば解る。
これは、嘘じゃない。



「冗談だと思うなら、別にそう思ってくれてもイイよ」

「ただし、現実は甘くないよー?」



ヒョイと会話に入ってきたのは翔己だった。
翔己は杜沖高校のテニスを2年間してきている。
だから、知っているのだ。
合宿があることも、これから起こるであろう事も。



「もう、キミ達は中学生じゃないんだ
 高校生は高校生らしいテニスをしなければならないんだよ」




そう言った監督の顔はどこか寂しそうだった。
だけど、80%はこれから起こるであろうことを楽しむような顔だった。

うわ、監督ちょっとサド入ってる?



「僕はキミ達を全国へ、優勝へ導かせる」



キリ、と監督の目つきが変わった。
その顔に俺たちの背筋も伸びた。



「だから、それ相当の覚悟を・・・よろしく」



ヘラリ、と監督が笑った。
最後に笑ったあたりが監督らしいっつーか、何つーか。



「ま、しゃーないわな」

「それぐらいの覚悟してたし」

「つか目標達成にゃぁ、それしかないし」



1年全員に気合が入ったようだった。
それを見た監督も嬉しそうだった。
何か・・・。



「俺も、やるしかねぇだろ」




















「ついでに、1年前とはメニュー変えたからね」

マジっすか?!!

「(珍しいメンツがハモったよ)」