ヤバイ・・・。 ヤバイヤバイヤバイっ!! 「・・・ぁ・・・ぅ」 俺の馬鹿ぁああああああああっ!!! 何度目だ?!! 何度、この修羅場に遭遇したよ、俺!! 否、でも今回も不可抗力だ。 だって、俺はただ純粋に部活に来ただけだもんな!! だけど、そんな最中に部室に入る勇気のない俺。 っていうか入るやついたら吃驚なんだけどよ。 そのまま部室に背を向けて帰ろうとした。 「・・ぁっ・・・・・んふっ・・」 「・・・っと、しろよ」 声を聞いた瞬間に足を止めた。 何だかよく聞く声だと思った。 そう思うと、本人かどうかを確かめたいという気分になった。 ソロリ、と部室の前まで戻って、ゆっくりと音を出さないようにドアを少しだけ開けた。 「お前・・・本気でやる気あんの?」 「・・・あふ・・・ぅ」 「んー、あんま感じねぇ」 「・・・ごめ、・・・さ・・・。、ジンッ、せん・・・ぱぃ・・・・」 ・・・やっぱり、お前か。 もう、何かイロイロ通り越してなんかあれだな。 相手は誰だか解らない。 だけど、この主導権を握っているのは俺のテニスの相方、ジンだ。 乾燥ナシだってことは知ってる。 だけど、何も部室でやらなくても・・・。 はぁ、と溜め息を付いた。 そして、ドアを閉めようとしたときだった。 「・・・も、イイ」 「・・・っ?!!」 ジンは相手の顔を押しのけた。 そして、自分はその相手の後ろ側に回りこんだ。 「ヤって欲しかった、んだろ?」 ニィと上がった口角が見えた。 ジンは相手の下半身にあるソレに手を伸ばした。 「・・・んっ・・」 「うっわ、ぐっちょぐちょなんだけど?」 「・・・あぅ・・・んぁっ、やっ・・・・ゃ」 俺から見ても解るぐらい震える相手は、フルフルと首を横に振った。 それを見てか見ずにか、ジンは手を止めた。 その行動の意味が解らないといった風に相手はジンの顔を振りかえって見た。 「な・・・ん、」 「嫌、なんだろ?」 「・・・んっ、ちが・・・う」 ボロボロ、と泣き出した相手はまた首を横に振っていた。 相当、キテるらしい。 「じゃ・・・何?」 「・・・っ」 「言わないと俺、わかんねーんだけどー?」 ジンらしくも無く、ニコニコと笑んでいる。 ・・・ゴメン。 俺、もう見たくねぇ。 人の見る俺も俺だし・・・。 最後まで見るのも何だしな・・・。 そう思って、そのまま速攻足音を立てずにダッシュした。 向かう先は決まってるだろ。 「・・・も、死ねる」 否、死なないけどさ。 トイレに着いたとたん、蛇口を荒々しく捻って水を出した。 物凄い勢いで出ている水を手ですくって、何度か顔にぶつける。 あー・・・多分、今の俺の顔。すっげー赤い。 一度顔を上げて鏡を見た。 あ、やっぱ顔赤い。 「何、やってんだよ・・・」 はぁ、と溜め息をついた。 勿論、今の言葉は自分に対しての言葉もあるが、ジンに対しての言葉でもある。 一応部室は公共の場なんだからな。 もっと考えて行動しろっての!! キュッキュと音を立てて、蛇口を捻って水を止めた。 まだ赤いであろう頬をパンパンと叩いてもう一度自分の顔を見るために鏡を見た。 と、そこに写ったのは俺ともう一人・・・? 「ひぎゃぁあああっ!!!」 「・・・オイ」 「え・・・あ・・・・・ジン?」 後ろに振り返るとそこには人、否ジンが居た。 焦った。 かなーり焦った。 あまり人の来ない部室から一番近いトイレ。 そこに人が来るなんて思ってなかったし・・・。 っていうか、鏡見た瞬間は何か白く見えたし。 幽霊かと思いました。 「んな叫ぶかよ・・・」 「うっせー」 正体の解った俺はビビリまくった心臓の心拍数を抑えようと深呼吸をした。 って、ちょっと待て。 何か忘れてないか、俺・・・。 「顔赤いけど?」 「・・・顔?」 「馬鹿が熱でも出したか?」 すっと伸びてきたジンの手は俺の頬に触れた。 その瞬間、ボーっとしていた脳が動き出して、先程の部室での行為が頭をよぎった。 「っ・・・!!」 バッとジンの手を払いのけた。 別にジンを恋愛対象として好いているわけじゃないし、先程の部室での行為が嫌に思ったわけじゃない。 それに同姓愛も最近はあんまり嫌ってない。 だけど、俺はジンの手を払いのけてしまった。 「・・・ご、ごめ・・っん」 頭が混乱している。 何かイロイロ・・・考えるのも面倒で、俺はジンの横を通り抜けてトイレから逃走した。 そのときのジンの顔は、多分驚いてた感じだったと思う。 あんまよく、覚えてない。 ・・・って、ちょっと待て。 何かやっぱり忘れて・・・。 たしか、俺の頬を触ったジンの手、ちょっとだけヌルってしたような・・・。 「・・・ぁあああああああああっ!!!!!!」 「あれー、陽平まだ部活行かないの?」 「あと10分ぐらいは顔洗う」 |