天才的?





「あ、此処に居たんだ?」
「んぁ・・・何だよ?」


奴の名はジャッカル桑原。
私がこのテニス部で、最も信頼できる相手だ。


「いやぁ・・・ちょーっと相談にのってもらおうかな?・・ってさ」


苦笑いしつつ、私は汗を拭いているジャッカルに近づく。
ジャッカルは気軽にイイゼと言ってくれた。
だから、コイツには相談しやすいんだ。


「何、お前ってばジャッカルのことが好きなわけー?」


出ちゃったよ。
ジャッカルのところにたどり着く前に現れた。
奴の名前は丸井ブン太。
私がこのテニス部で、最も信頼できない相手だ。


「丸井君には関係ない」
「何々、図星だった?当たったってことは俺、天才的?」


正直、このノリについていけない。
とは直接本人に向かっては言えない。
むしろ言ったら殺されるから言わない。


「図星じゃないし、天才でもない」
「っんだよー。お前ノリ悪ぃなぁ・・・」


つまらなくて悪かったわね、と内心で思ってた。
そしたら、丸井君が桑原君の方へと寄っていった。


「これから試合だとよ」
「秤エ今終わったとこだぜ?!」
「はいはい、俺だって終わったとこだっつーの」
「否、俺の方が動き回った!!」
「天才様は何度でも試合すんだよ、そのパートナーもな」


そう言って丸井君は桑原君をコートの中へ連れて行こうとする。
って、待って!私は如何すれば・・・?!


「ぁ・・・後で相談聞くから」


ヘラリと笑んだ顔が私のほうに向いた。
その顔に不覚にも見とれてしまう私。



「やっぱ、惚れてんじゃん」

ボソリと丸井君が言った言葉は誰にも聞こえなかった。