詐欺師(ペテン師)
「におーくーん?」
ニッコリと笑って、私は仁王の元へと行った。
すると仁王もニッコリと笑んで
「何じゃ?」
と聞き返してきた。
・・・流石、流そうとしてるなコイツ。
「えーっと・・・用事あるんだけど?」
モジモジと言いずらそうとする私に対しても、仁王はニッコニコ笑っている。
「今此処でキッパリハッキリ言いんしゃい?」
・・・コイツッ!!
私が言いずらいことだと解っているようで、仁王は笑んでいる。
そんなに、私が困るのが楽しいのか、コイツは!!
「・・・場所移動したいなー・・なんて」
「俺は次に試合入っちょうよ?」
あくまでその場から離れないでおこうとする仁王。
そんな仁王に観念した私は仁王の手前にかがんだ。
「んじゃ・・・如何でもイイから内緒にしといてね?」
「却下」
「んだとっ、この詐欺師めっ!!」
グッと拳を作った私を見ても、仁王は涼しい顔をしている。
「俺なぁーんも言っちょらんしー」
ケラと笑った顔が私に向けられた。
この顔は如何見ても・・・喧嘩を売られている。
「仁王君・・・次試合ですよ?」
先程までジャッカルと試合をやっていた柳生が帰ってきたと言う事は
今から仁王の試合が始まる。
「んじゃ・・・俺、行ってくるけん」
「ぇ・・・ちょっ・・・におうっ!!」
私の声は虚しくも届かずに・・・。
「ブン太に言ったらブッ潰すっ!」
昨日・・・マネージャーである私でさえも、詐欺にかかってしまっていた事を。