「あとでね!」










61.部室にもテニスコートにもいない!










テッテ、と歩いて私はテニスコートに向かう。
徐々にボールを打つ音が聞こえるから、もう部活は始まってるのかな?とか思いつつ。



「蓮二、私に何の用事なんだろ・・・」



蓮二から直々に呼ばれるのなんか初めてで、私は不思議に思った。
もしかして、愛の告白・・・?!!
い、いや・・・。
でもそれなら、もっと場所とかね!
もっとこう、体育館裏の木の下でーとかあるんじゃない?



「あ・・・!」
「ひぃいうっ!!」



ポンと肩を叩かれた瞬間、私はビックリして声をあげた。
そして、ゆっくりと後ろを向いた。
しかし、私の声にビックリしたのか、私に声をかけた本人は少々固まっていた。



「じゃ・・・ジャッカル、じゃん」



ドクンドクン鳴る心臓は落ち着く気配が無い。
ぉおう、まだドキドキしてるよ。



「そ、そこまで吃驚すんなよ・・・」
「いやいや、キミの所為じゃん」



私は何も悪くないはずよ!!
ていうか、実際何も悪く無いしね!!



「・・・で、何してんだよ?」



テニスコート付近でウロウロしていた私に疑問を持ったのかな。
ジャッカルはそんな簡単な質問をしてきた。
その問いに、私はすこし考えるそぶりを見せた。



「んー・・・蓮二から、ラブコールを頂きまして」
「・・・嘘だろ」
「うそじゃ無いしっ!!」



うん。
半分ぐらいは嘘じゃないよ!!
だってさ、一応蓮二に呼ばれたことには間違いないじゃない。
だから、半分ぐらいは合ってるよ。



「つーか、それはどうでもイイんだけど」
「え、イイの?」
「イイよ」



イイなら、あんまりツッコむなよ、ジャッカル!!
嘘だろ。とか言われて私だって少しヘコんでんだぞ?
・・・あ、ゴメン。
この言い方はちょっと古い?
否、むしろ新しい?!!



「今日も来るのかよ?」
「えー、部活見学ぐらいイイじゃん」



とも一緒に帰りたいしね!!
それに、テニスしてるのも見てたいし・・・。



「お前、それで俺が苦労してんの解る?」
「ん、ブン太との喧嘩を止めてくれてアリガトー」



知っているのなら、喧嘩すんなって顔してるよ。
だけど、しょうがないよ。
ブン太から喧嘩を売って来るんだもん。
売られた喧嘩は買わなきゃ意味がないでしょう!!



「ていうか、蓮二はー?」
「ん。俺は見てねぇよ」



何だ使えない。
・・・とは思わないよ。
だってほら、私って凄くイイ子じゃん?
そんなイイ子がそんなこと思うはずないじゃん。



「部室へは行ったのかよ?」
「行ったよ?」
「じゃぁ・・・教室か?」



うーん、と考えているジャッカルがそう言った。
っていうか、教室?!!
普通テニスコートにいるんじゃないの?!!



「コートじゃ・・・ないの?」



私の質問にジャッカルは私の目を見てきた。
何故だか、吃驚したようなそんな感じで。



「・・・つか、俺今コートから来たんだけど?」
「・・・・・・・・なるほど」



ポン、と手を叩いた。
コートから来たジャッカルだもんね。
コートに蓮二が居たら知ってるっつーの。



「あ」
「・・・『あ』?」



突然、ジャッカルが大声を出した。
っていうか、ホントいきなりだな。



、柳に用事あんだろ?」
「うん」
「ついで」
「・・・は?」



そう言って渡されたのは1枚の紙切れ。
中身はメニューだった。
多分、ジャッカルが監督から貰ってきたんだろう。



「うげー」
「うだうだ言うなよ、俺だってこれから用事あるんだから」
「何の?」
「ボールだし」



その言葉に私は笑ってしまった。
だって、なんか似合いすぎてる。
笑えばジャッカルは意味が解らないって顔してたけど、気にしない!!



「・・・あれ、きみは?」



ふわり、と優しい声が風に乗って聞こえた。
私はすぐさまその声のした方を向いた。
そこに居たのはとても綺麗な人だった。
うわぁ・・・女の私が勝てるかどうかが微妙だわ!



「あれ、幸村今日・・・」
「病院、明日だったんだよ」



苦笑した顔ですら綺麗です。
幸村さんと呼ばれた男の人は私の方にまた顔を向けた。



「初めまして、テニス部部長の幸村精市です」
「あ、わ・・・私は」
、でしょ?」
「・・え?」
「ジャッカルと蓮二、からも聞いてるよ」



クスクスと笑う幸村さん。
あぁ、マジで素敵だぁ。



「今日は見学・・・かな?」















★後書★
ユッキーとがやっと出会えました!!
あと、真田に会ってないのかなー・・・。
会える、かしら?オイ