「知っていたに決まっているだろ」










59.50mのローカの距離をゆっくり歩く










「はぁああああっ?!!」



の叫びが響く。

とは本当に姉弟だったらしい。
の事は一応少々は調べた。
そこで姓と住所がと一緒だから血は繋がっているだろうとは思っていた。
だが、イトコ等の可能性があったから核心は無かった。
少々の賭けだった、とでも言っておくか。



「や、柳さん・・・知ってたんスか?」
「まぁ、イロイロとあってな」



ほう、その疑いの目は何なのだろうな、赤也に
イロイロと言う単語をそこまで疑うか・・・。



「しかし・・・」
「「『しかし』?」」
「あいつをマネージャーには出来ないか?」
「「・・・はぁっ?!!」」



赤也との声がハモった。
そこまで驚くべき事でもないだろう。



「え、ちょっ・・・柳先輩ってば、本気ですか?!!」
「あぁ、本気だ」
「興味だけとかじゃないんですか?!!」



も自分の姉貴の事なのに、ここまで嫌がるとは・・・。
だが、俺だって興味本位だけでこう言ったわけではない。
のこの前のテニスの見方に感心したんだ。

誰にも聞こえないであろう言葉だった。
だけど、俺には聞こえていた。
あの1試合で、D2の弱点を1箇所見つけていた。
そして、赤也や俺の弱点まで・・・。



「つか、何でそうなるんスか?」
「マネージャーか?」
「勿論っス」
「自分で考えてみろ」



そう赤也に言った。
あぁ、案の定ブーたれた。



「ていうか、柳先輩がマネージャーに入れろとか言うの珍しいですよね」



フとがそう言った。
確かに俺はそんな事には首をつっこまない。
だけど、今回は例外だった。



「何、柳先輩はさんに気あるんス」
「ない」
「あ・・・そっスか」



我ながら、回答の早さが凄かったな。
まぁ、気が有るといえばあるのかもしれない。
だけど今はそんなことよりも、あののテニスの見方に興味がある。
データに貢献できる何かを得る事ができるかもしれないからな。



「そういえば・・・今から何の授業なんだ?」
「え、あー・・・俺等は理科で実験ですよ」



なるほど。
理科の実験室と言えば、1階だったな。
そして、次の丸井の授業も実験だったような気がする。
確か、実験室は2箇所、しかも隣どうしだから・・・。
、お前は確実にまた丸井に何か言われるぞ。



「っと、ヤバイ、チャイムなるっ!!」
「うげっ、切原のアホっ」



慌ててと赤也は走り出した。
向かう先は勿論、理科実験室。












ガ、ガコンッ





「・・・うぁっ!」



ローカを走っている途中で、俺は階段から落ちた。
2段ぐらいなら飛ばしても大丈夫。
だけど、俺が落ちたのは6段目ぐらいからだった。



「否、お前本気で馬鹿だろ」



後ろから俺を馬鹿にする声。
いいさ、いいさ。
俺は生きているからイイんだよ!!



「つか・・・チャイム、鳴るんじゃね?」
「あー、もうイイんじゃねー?」
「やる気ねぇな、切原は」



あと50mもすれば教室に着くであろう。
だけど、チャイムが鳴るのはもう5秒もしないであろう。
俺等は目を合わせて溜め息一つ。



「・・・サボリてぇ」
「無理だろ、真田副部長に見つかってみろ」
「「ぶっ、殺される!」」



こんな会話をしているからチャイムが鳴ってしまうんだ。





キーンコーンカーンコーン・・・





次の理科の授業の教師は五月蝿い。
兎に角、何かと五月蝿い。
遅刻なんてもっての他だった。
だけど、俺たちはローカでこのチャイムを聞いている時点で遅刻者だ。



「ま、とりあえず行くか」
「だーよなー」



ダルイ足を無理矢理動かして俺等は教室に向かう。
足の進み具合の遅さに、本気で授業を受けたくないんだなと自覚した。



「・・・あ、そう言えばさ」
「ん?」
「柳さんって、他の誰かに言ったと思う?」
「何を?」
さんがお前と姉弟ってコト」



あぁ、そうだよな・・・。
知ってて言わない奴なんか少ないもんなぁ・・・。
だけど、部活のメンバーの何人かは俺とねぇさんが恋人だって思ってるわけだし?
柳先輩、言ったとは思えねぇし・・・。



「言ってないんじゃねぇ?」
「・・・かな」



切原は一体何が言いたかったんだ。
そう思いながら俺はローカを歩く。
50mなんてすぐにつく距離。
なのに、やけに長かったよ、今日は。



「・・・で、遅刻の原因は?」
「まぁ・・・」
「イロイロですよ」















★後書★
区切りが凄く良い終わり方!!笑
次ぐらいからはこのアクシデントの本題に入っていきたい。
さて、いけるかなー?