「俺に聞くなっ!!」
30.自己紹介はご丁寧に
さっきから話題っつーか、何つーか。
赤也と一緒に居た女が俺に興味を持ってるらしい。
「うっわぁ・・・本当に、ジャッカルなんだぁ」
それにしても、初対面で呼びつけってどうよ。
俺、まだアンタの名前知らねぇんだけど!!
名前を呼ぶことも出来ずにただただブン太と女の会話を聞く。
「正真正銘の本物だぜぃ?」
「ほへー・・・何かすっごいや」
目をキラキラさせて俺を見てくる。
ううっ、少しばかり眩しいぞ。
「ねぇ・・・自己紹介してイ?」
首をかしげて見て・・・るのは、ブン太。
ああ!!何でだよ!
俺に自己紹介するんじゃねぇのかよ!!
なのに、何でブン太に許可とる必要があるんだ?!
すっげー、謎なんだけど・・・。
「あぁ、全然イイぜ?」
それに答えるブン太もブン太だよな。
まぁ、もう気にはしねぇけどな。
気にしてたら話もなにも進まねぇもんなぁ・・・。
「えっと、初めまして、です、以後お見知りおきを・・・こんなのでどう?」
「否、それは硬すぎじゃねぇ?」
ちょっと待てよ・・・。
何でこいつ等こんな変な会話を始めるんだよ、わけわかんねぇ!!
しかも、自己紹介って俺にするんじゃねぇの?!
俺、全部話の内容聞こえるんだけど!!
「・・・ジャッカル?」
「狽ヲ、あ・・・何、ですか?」
いきなり声をかけられた。
そこで敬語になる俺。
ビビりすぎだよ・・・。
「敬語なんかいらないよ・・・っていうか、ヨロシク」
そう言われて手が差し出された。
何、俺に握手を求めてるのか?
っつーか、さっきの自己紹介と違って凄い簡単だな、オイ。
「あぁ・・・」
そういうと、俺は丸井を掴んでいた手を離して握手した。
・・・何で、握手してんだ?
自分でやってて凄い謎なんだけど。
そして、手を離すと同じに、目の前の女はブン太の方に振り返った。
「ヤッター!!ジャッカルと握手しちゃったよ!!」
「おー。そりゃよかったな」
・・・すっげー喜んでるけど、何で?
否、マジで意味分かんねぇんだけど。
「あぁ、感激だぁ。手洗いたくないや・・・」
「否、即洗いした方がイイと思うぜぃ」
それもそれでムカつくんだけどな!!
くっそー。言いたい放題言いやがって。
一体何なんだよ。
「あっ・・・私のことはって呼んでね、ジャッカルッ」
パっと目が合ったと思うと、ニカと笑ってそう言われた。
そう言われても、そうそう簡単に呼べるもんじゃねぇんだけどなぁ・・・。
一応、相手は異性だぞ。
ちょっと、色々雰囲気はおかしいけど異性だもんな。
・・・まぁ、呼ぶけど。
「っつーか、さん酷くねぇっスかぁ?」
ムスっとした顔で赤也が凄い不機嫌な声を出した。
あー・・・そういえば、赤也も柳もまだ居たんだよな。
「っと、そうだった・・・おめぇだよ、赤也っ!!」
って、そうだったよ。
ブン太はさっきまでかなり怒ってたんだったよ・・・。
それを止めてたのが俺だったっつーのに!!
「俺はさんに用事があるんスよ!!」
「知るかよ!!」
あぁ・・・この喧嘩を止めるのは俺の仕事か?
どう考えても俺の仕事だよなぁ・・・。
「オイ、お前等止めろよ」
「ジャッカルに関係ねぇし」
「っつーか、俺は丸井先輩にも関係ありませんから」
こいつら・・・。
ほんっと可愛げっつーのがねぇのか?!!
そりゃぁブン太に可愛げ求めんのも無理だろうけどよ。
赤也はこれでも後輩なんだからよ!!
そこんとこ考えてもの言えよ!!
「・・・赤也」
「っ・・・解ってますよ」
プイと機嫌を損ねたまま赤也はコートから出ていった。
それを追うかのようにブン太がコートから出て行こうとしていたが、柳によって拒まれた。
「赤也が本気を出さなかった理由ぐらい自分で解るだろ」
「・・・っ」
柳がブン太に冷ややかな声でそう言った。
ブン太は柳と目をあわすことが出来ずに目がどこかを向いている。
流石、柳だな。
今日は幸村も真田も氷帝へ練習試合へ行ったのに、柳のおかげでまとまっている。
「蓮二・・・」
「何だ?」
「赤也君の方・・・行ってくれる?」
ニヘラとが笑った。
その笑いで、柳は何かを感じ取ったらしい。
苦笑してから、一度だけの頭をポンと叩いて、コートを出て行った。
一瞬・・・ひやりとした空気が流れたかと思った。
「あーもうっ。何でブン太はそんなに熱くなるかなぁ!!」
ギリとした目ではブン太を睨みつけた。
その目には俺ですら怯むかと思うほど怖かった。
「っ!!・・・会ったばっかのお前に何が解るんだよ!」
「見てたら誰にでも解ったっつーの」
わしゃりとが自分の髪の毛を掻いた。
その仕草にブン太はマジ切れ寸前だ。
「オイ、ブン太・・・」
「わーってる・・・けど、」
ブン太の目はもう本気だった。
これ以上、がブン太の気に触る事を言えば、殴りかかるだろうと感じた。
女だからって、ここまで言われれば多分・・・容赦ねぇ。
「とりあえず・・・ブン太、ヘタだね」
プチンって音が聞こえた。
恐る恐る隣を見ると、案の定。ブン太が・・・もう人じゃなかった。
「てっめー!!もっかい言ってみろっ!!」
☆後書☆
ちょっとマジ喧嘩っぽいの。
でも、次には普通に戻ってる・・・と、イイな。