「この人、中学2年生?」
29.お母さんみたいなエスパー人
「・・・は?」
私の問いに赤也君は答えてくれない。
何だよー、私ってばまずい事聞いたわけ?
「生憎、俺は中3だよ」
ふっと会話に入ってきたのがさっきの人。
ぉお。やっぱり背が高い。
「あ・・・中3って事は赤也君の先輩?」
「あぁ、そうだ」
あ、ちょっとだけ笑った。
やっぱり人だもんね、笑うよね。
「えっと・・・」
「柳蓮二」
す、すげぇ!!
私がちょっと名前を呼ぶのを迷ってたらすぐさま名前を教えてくれたよ。
何、コレってエスパー?!
何にしろ凄いよ!!
「えっと、蓮二君?・・それとも蓮二?」
え、ちょっと・・・。
柳蓮二が吃驚してます。
何か、「どっちにしろ名前で呼ぶのか?」って顔になってるような気がする。
「・・・どちらでもかまわん」
「じゃぁ、蓮二で」
「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ」
赤也君が蓮二と私の会話の中に入ってきた。
あーもう、折角蓮二の目がいつ開くかと心待ちしてたのに。
「何で、俺は呼び捨てじゃなくて柳さんは呼びつけなんスか!!」
私の肩をガシと掴んで問いてきた。
否、そんなこと言われてもねぇ。
赤也君はやっぱ「君」ってイメージあるからなぁ。
「うーん、気分?」
「じゃぁ、俺も!」
「無理難題」
「狽チ!!」
あぁ、赤也君がショック受けてベンチ付近でのの字書いてる!!
だ、だけど私には救えない。
だって、救うには赤也君の事を赤也って呼ばなきゃなんないんだもんなぁ。
それは、ちょっと・・・なぁ。
「赤也・・・そう気を落とすな」
「だって、さんってば酷いんですもん」
グスグスと泣く真似まで始めちゃったよ。
あー。そういうところが餓鬼っぽくて可愛いんだもんよ。
絶対呼びつけは無理。
「すまんな・・・」
「否、蓮二が悪いわけじゃないし」
アハハ、と苦笑して答えた。
まぁ、蓮二よりは私のほうが何倍も悪いんだしね。
しかし、蓮二は赤也のお母さんみたいだな。
「で、・・・と言ったか?」
いきなり名前を呼ばれて吃驚した。
けどまぁ、さっきから赤也君が何回も呼んでるから知られてても当然か。
「あ、はい。と申します、以後よろよろおねが」
「おいっ、赤也っ」
・・・ブン太が出ました。
しかも、滅茶苦茶怒ってます。
赤也を睨んでるよ・・・。
「な、何スか?!」
「お前・・・今日は本気じゃなかったろ!!」
今にもブン太は赤也君の胸倉をつかみそうだった。
それを止めたのがさっきのブン太のペアの人だった。
うん、あの・・・スキンヘッドの人。
「ブン太っ!!」
「ちょっ・・・放せよ、ジャッカル!!」
じったばった暴れるブン太・・・。
本当、あのブン太を抑えてる人かわいそ・・・う?
まって、今ブン太ってあの人の名前呼んだ?!
っていうか・・・!!
「ねぇ、ブン太!!」
「ん?・・・っ、な、何だよ」
顔ギリギリに近づけたからブン太は焦ってた。
ああ、ブン太でも焦るんだ・・・って、そうじゃなくて!!
「名前!!」
「・・・は?」
「えっと・・・この人の名前呼んだっしょ?」
ビシィとブン太の後ろにいるスキンヘッドの人を指差した。
ちょっと、吃驚してたよね。
気にはしないけど。
「え・・・あ!そう、コイツ!!」
「「ジャッカル!!」」
ブン太と声がハモった。
おまけに言うと、スキンヘッドのジャッカル君は吃驚しまくってます。
「ぅっわ・・・外国人?」
テテとジャッカル君のほうへ走って行った。
まぁ、そんなに距離は無かったんだけどさぁ。
一応走ってみた。
「ジャッカルはハーフ・・・だったよな?」
「え、あ、あぁ」
「す、すごい、凄い!!ハーフだってさ、ブン太!!」
はしゃぐ私はジャッカル君に抑えられてるブン太に抱きついた。
あれ?
私って、ブン太に今日初めて会ったんじゃなかったっけ?
まぁ、イイか。
ブン太なんか私の顎を持ち上げたんだもんね。
「何・・・そんなに珍しいの、お前?」
「俺に聞くなっ!!」
★後書★
柳の事は始めから蓮二って呼ぶって決めてたので・・・。
しかし、少し違和感あるぞ(笑)