20.極上に眠いバスの中










結局、昨日は自分の部屋に戻るに戻れなくて、リビングで寝た。
朝、母さんに起こされて「何でこんなところで寝てるの!」って怒られた。
俺はトーストにバターだけつけて朝飯をすませた。
そして、ねぇさんの様子を見る間もなく、家を飛び出した。
だって、今日は氷帝との試合。





ブロロロロッ





「ふぁああっ」



バスが出たと同時に俺は大きな欠伸をした。
まぁ、昨日リビングで寝たからロクに疲れもとれてないしなぁ。



「寝不足か、?」
「あ、おはよう御座います、仁王先輩」
「おはよーしゃん」



ドッカと俺の隣の席に座る仁王先輩。
別に俺は仁王先輩と特別に仲がイイってわけじゃない。
レギュラーん中で一番仲イイの切原だし。



「で?」
「あ・・・昨日、リビングで寝たんすよねぇ」
「試合前やのに?」
「えぇ・・・」



アハハと苦笑いすると、仁王先輩は不思議そうな目で俺を見てきた。
ぅうっ、その仁王先輩の目が怖いんだよなぁ、色んな意味で。



「へぇ・・・お前が、ねぇ」
「俺だってリビングで寝るときぐらいありますよぉ」
「まぁ・・・試合に支障ないんやったらえぇけど」
「うっわ、脅しですか?」
「ピヨッ」



そうやって、仁王先輩に上手く話をかわされる。
毎回そうなんだよなぁ、俺。



「仁王君もいい加減にすれば良いでしょう?」



仁王先輩の席の通路を挟んだ向こう側から声がした。
この敬語は柳生先輩に違いない。
っていうか、違ってたらマジでビックリするから。



「からかい概があるからしょうがないじゃろ?」
「ちょっ・・・どういう意味っすか!!」
「まんまの意味じゃけどぉ?」



ケラケラと笑われた。
何、俺ってからかわれる方だったの?!
ちょっ・・・俺、これでもからかう方だと思ってたんだけど!!



「・・・柳生先輩?」



仁王先輩を無視して、俺は柳生先輩に話しかけた。
まぁ、理由はアレだ。



「何ですか」
「柳生先輩の隣へ座ってイイですか?」



だって、仁王先輩の隣だったら、俺イツ弱み握られてもおかしくない!!
っていうか、弱みよりからかわれるの嫌だ。
何か・・・うん、嫌だ。



「・・・いいです。が」



それを言われた瞬間、俺の目がキラリと輝いたに違いない。
だがしかーっし。
『が』が付いてたんですけど!!
英語で言うBUTが付いてたんですけど・・・!



「俺が許さんよー」





ガバッ





「うっわっ?!・・・ちょっ、仁王せんぱいっ!!」



俺が立とうとした瞬間に、仁王先輩が腰に巻きついてきた。
うわー。ちょっと、キモイよ、先輩!!



「五月蝿いぞっ」



前の席のほうから大きな声が聞こえた。
その声に、ビクリと反応した。



「ぅをっ・・・真田に見つかったじゃろっ!!」
「狽、へ・・・っぷ!」





ぼふっ





無理やり椅子に座らさせられた。
思い切り勢い良く座ったから、椅子からも空気の音がした。
微妙に恥ずかしいんだよなぁ。



「・・・勢い良かったのう」



ククと喉の奥で笑う仁王先輩。
ほんっと、からかわれ役だな俺!!
からかわれる為にココにいるんじゃないのに・・・。
あー。もう、マジで柳生先輩のところに行きたいよ。



「元はと言えば仁王先輩の所為でしょ・・・」



はぁと溜め息をつくと俺は仁王先輩を見た。
そうしたら、仁王先輩はどこかの悪餓鬼のような笑顔をして「すまんのう」と言った。
否、誤るんなら最初からちょっかい出さないで下さいよ。
・・・とは、口に出して言えないんだよなぁ。



「・・・ふぁっ」



本日何度目かの欠伸をした。
そんな俺を仁王先輩は不思議そうな目で見てくる。



「そんなに眠いんか?」
「んー・・・よく、わかんねぇっす」



最後の方の言葉は欠伸を噛み殺しながら言った。
だからだろうか?
仁王先輩がかすかに笑ってた。



「まぁ、えぇよ・・・少し寝れば?」



その言葉に俺は少し耳を疑った。
否、否・・・普通なんだけどよ。
なんか、仁王先輩の口からそんな言葉が出てくるって思ってもなかったから・・・。



「そんな変人を捕らえたような目で見んでもよかろうが」
「や・・・そこまで思ってないです、いくら俺でも」















☆後書☆
この話の仁王はちょびっと餓鬼っぽい・・と思う。
んでもって、真田はわりと普通になると思う・・・。
っていうか、そうなることを願おうじゃないか!!(ぇえ)