ねぇさん、帰れ」










15.階段からの落下はご注意あれ










「はぁ・・・っ」
「声でかすぎっ!!」



慌ててねぇさんの口を塞いだ。
けど・・・下手すれば誰かに、あのデカイ声聞こえてるよなぁ。
凄いデカかったもんな。



「煩いって・・・」
「ご・・・ごめんちゃい」



シュンとあからさまに落ち込むねぇさん。
何、そんなに怒られんの嫌いなわけ?!
っていうか、俺そこまでキツク怒ったっけ・・・?
とりあえず、罪悪感。



「でも、さっきの少年は?」



このキョトン顔めっ!!
駄目だ、さっきの罪悪感よりも憎しみ感が出てきやがった。
っていうか、ねぇさんは本当に自分の立場ってのを理解してねぇのか?!



「ん、切原はどうにかしとく」



『どうにか』で通じる相手でもねぇけどな!!
切原に対抗するにはかなりの体力が必要だ。
俺にそんなものあるのか?!!



「ふーん・・・頑張って」
「何、その冷めた言い方」



ジっとねぇさんを見た。
そこで、ねぇさんは何かを思いついたみたいだった。



「キャー!!が・ん・ばっ・てっvv」
「・・・キモイ」
「黙ってくれる?」



逆ギレされたよ、俺。
今日のねぇさんは打たれ強いのか。
それとも、何か策でも考えてるとか?
どっちにしろ、いつもと違う気もする。



「ハイハイ、とりあえず頑張るよ」



適当に答えを言って、階段を1,2段降りた。



「ところで何で?」
「ぅをっ・・・!?」



いきなり話しかけるもんだから、階段から落ちかけた。
あー。俺ダセェ。
まぁ、落ちてない分ダサくねぇけどな。



「・・・いき、てる?」
「見ての通りだよ」



手すりを持って必死に落ちないようにする俺。
んでもって、体勢を整える。
そして、最後はねぇさんの方を見た。



「で、何て言った?」



話しかけられて、吃驚して、ねぇさんの話を聞いてなかった。
っていうか、変な話なら無視するけどよ。



「だから、生きてる?って」
「それじゃねぇって!!」



ああ、もうこの人何?!
俺が聞きたいのはその前だっつーの!!
っていうか、その問いにはちゃんと返答しただろうがよ!!



「あー・・・何で、帰んなきゃなのかな?って」
「は?」
「だ、か、ら!!」
「いやいやいや、質問は解った」



手を横にブンブン振って、二度と同じ問いをさせないようにした。
んでもって、返答を考える。
・・・まず、切原から離したいとか言ったら色々変な意味にとられるから駄目だ。
じゃぁ、ウザイから来るな、とか?
・・・それで泣かれたら帰ってくんねぇからなぁ。
ってことは、やっぱココは曖昧な答えが無難だな。



「ねぇさんが帰らないと後々面倒なんだよ」
「何が?」



ほんっと、この人は!!
何でも聞きたがるんだもんなぁ・・・。
目、キランキランしてるよ、まったく。



「・・・今すぐ帰るんなら、家で教える」
「マジ?!」
「マジ」
「うん、じゃぁ帰る!!」



操りやすい人だなぁ。
本当、家に帰るまで知らない人について行きそうなタイプだな。
否、それをされちゃぁ困るんだけどよ。



「切原に見つからねぇようにして、帰れる?」



ルンルン気分で帰ろうとしているねぇさんを呼び止めた。
だって、いくらねぇさんが幽霊でも切原には見えてるわけだし、切原に見つかっちゃぁ帰る意味ねぇし。



「・・・見つかっちゃ駄目なの?!!」
「あったりめぇだよ!!」



俺が何のためにアレだけ思考回路回したんだよ!!
っていうか、切原にわざわざ鍵を取りに行かせた意味解ってねぇのか?!!



「ん・・・頑張る」



軽く頷いたねぇさんは階段を降りようとした。



「あ・・・!」



何かを思い出したねぇさんは、俺の服の袖を引っ張った。
こういうとこは、普通の男が惚れてもおかしくねぇと思う。
こういうとこだけな!!



「何?」



機嫌悪そうに俺はねぇさんを見下ろした。
うん、少しだけ俺の方が階段の上の方に上ってるからな。



「・・・弁当!」



そう言って、差し出された弁当。
・・・否、中身は美味しいとかどうかは分かんねぇけど・・・。



「いらねぇよ」
「狽ミどっ!!」
「どっこの男が花柄の弁当箱なんて持ってるんだよ!!」















★後書★
セカンドアクシデント終了です。
この後、さんは無事に切原に見つからずに家に着きます。
んでもって、君は切原に滅茶苦茶怒られます。
っていうか、柳生がどうなったか謎だ(ゥオイ)