「人に見えるか、分かんないぜ?」










07.朝食はトーストとバター










「・・・んっ!!」



爽やかな朝にふさわしい伸びをした。
あれから数時間がたった。
今、この家に居るのは俺と幽霊のねぇさんだけ。
親は今二人とも旅行中。
っていうか、二人とも仕事で海外出張ってやつ?
ついでに、遊んでくるとか・・・昨日メールが届いた。



「あー・・・朝ごはん」



目覚ましの時計をチラリと見て時間を確認した。
そして、俺は朝ごはんを作るために部屋を出た。



「あ、オハヨーゴザーマスー」



何故だか嫌な気がしてたのは解ってた。
けど、台所につくとねぇさんが立ってた。
っていうか、朝ごはん作ってる・・・。
幽霊が朝ごはん作ってんのかよ。



「・・・オハヨ」



近くによってフライパンの中身を見ると中には目玉焼き。
シケテんなぁ、オイ。
まぁ、折角作ってくれてるんだから何も文句は言わねぇけどな。



「ねぇ?」
「ん?」



ササと味の素を目玉焼きにかけるねぇさん。
俺はパンを2枚トーストの中へと突っ込んだ。
そして、2,3分のタイマーをセットする。



「私、学校行く!!」





ギュィン





吃驚してタイマーを多く巻いてしまった。
俺はいそいそと2,3分のところまで戻した。
そして、次のリアクション。



「狽ヘぁ?!!」



よし、俺最高。
リアクションぐらいちゃんとしたのをするべきだよ、うん。



「だって、約束は破れないしさ・・・」
「否、あれは破っても俺はイイと思うっ!!」



っていうか、破ってくださいって感じだな。
もし、仮に切原にねぇさんが見えなかったらどうすんだよ。
声だけ聞こえるとかマジでヤベェし。



「ってか、破ったら泥棒になっちゃうしね!!」



突然、ねぇさんがそう言った。
俺は少し考えた後に何を言いたかったのか理解できた。



「・・・・嘘付いたら泥棒になるって言うんだよ、普通」
「黙れ、家の主」
「狽ヘぁ?!『家の主』?!!」



オカシイです。
この人おかしいよ!!
俺にだって名前ぐらいあるんだよ、って言う名前ぐらいさ!!
って・・・俺が生れる前に死んだ姉貴、元言、幽霊に内心でツッコんでも意味ねぇか。



「っと、俺の事はって呼んどいて」



チンとなったトースターからパンを二枚とも取り出した。
ねぇさんの焼いていた目玉焼きは、もう既にお皿の上にのっていた。



「・・・何で?」
「名前だから」



普通『何で?』って聞くかなぁ?
名前って分かるだろう・・・普通の人なら。



「あー・・・じゃぁ、に一個言ってイイ?」
「え、あ・・・うん」



いきなりっていうか、すぐに呼ばれたので吃驚した。
・・・自分よ、思春期だけど、コレは俺の姉貴で幽霊だからなっ!!



「とりあえず、私は学校へ行く」



この人まだ言ってる・・・!!
それで俺がどれだけ苦労するとか解ってるのかなぁ。
本当、どうにかして欲しいよ。



「あのね・・・ねぇさん」
「うん、私の事はって呼んで?」
「否、そんなこと如何でもイイんですけど」



軽くスルーっぽくしてみたら、案の定、ねぇさんはショックそうな顔してた。
だけど、俺は呼びつけでなんて呼ばないよ。
切原にも呼び方聞かれてるからいきなり変っちゃ怪しまれるからな。



「もし、手がすり抜けたらどうすんの?」



そう、俺は以前ねぇさんの手を掴めなかったことがあった。
そのような事が再び起こったとすれば、混乱になるに違いない。



「・・・普通は抜けないけど?」
「否、あんた幽霊だから」



キッパリと言うと、俺は手を横に振った。
否、真実だからしょうがないけど・・・。
また、ねぇさんが酷くショックそうな顔をしたよ。
あー。もう俺知んねぇけど。



「いきたーっい」



ブーと頬を膨らますねぇさん。
ぶっちゃけ、可愛くも何ともないですから止めて欲しいよ。



「駄目駄目、とりあえず、今日は部屋にいてよ・・・ね?」



首をかしげて営業スマイルってやつをしてみた。
・・・ねぇさんが、ちょっとだけヨタつきました。
あ、何・・・これが効くのか。



「うん、居る・・・ってか、部屋に戻る・・よ」



俺から一枚トーストを奪ってねぇさんは台所から出て行った。
そして、俺はトーストと先程ねぇさんが焼いていた目玉焼き・・・。



「・・・ねぇじゃん」



あ、目玉焼きは自分の分しか作ってなかったんだな、あの人。
くっそー!!
今日は、トーストにバターだけが朝ごはんになっちまったじゃねぇか。















★後書★
ファーストアクシデント終了です。
とりあえず、ファーストはオリキャラばっかりでしたね。
次からはテニキャラをバンバン出しますよーっ!!