「・・・私の正体?」
05.証拠品と悪化事態
驚きを隠せなかった私は、相手の持ってきた紙を乱暴に床から取った。
そして、そこに書かれている文字を読んだ。
「・・・っな、何」
ガタガタと手が震え始めた。
私は必死になって手の振るえを止めようとしたけど、止まらない。
そこに書かれていたのは、私の事だった。
何故此処にそんな物があるのか・・・。
そんな事、少し考えればすぐに解った。
「アンタ、マジに俺のねぇさんなんだよ」
スパと言われた一言に、私は固まってしまった。
だってそうでしょう。
目の前に居る人の姉貴は死んでるんだよ。
ってことは、私が死んでいるってことじゃない。
「う、うそ・・・ありえないっ!!」
信じれるわけがない。
っていうか、誰が信じるか、ばぁーか。
私は今こうやって生きてるのよ?!
それを死んでました!なんてありえないジョークじゃない。
「だろうと、思ったんで・・・」
ワシャと髪を掻く相手。
そいつは、先程、紙と一緒に持ってきた写真を表替えした。
それを私はまじまじを見た。
「・・・っ!」
「証拠以外のなんでもねぇでしょ、コレ」
そこに写っていたのは、私だった。
嬉しそうな顔でニコニコしてて、隣にはお母さんが居て。
確か、お父さんが写真を撮ってくれた記憶がある。
「写真には198×年って書いてんだけどさ、今200×ね・・・」
ピンポーン
喋ってる途中で玄関のチャイムがなった。
私に『まだ、どこへも行くなよ?』と言葉を残して、男の子は立ち上がって玄関に向かって行った。
「・・・・っ」
写真を取って、握り締めると涙が出てきた。
悔しいのか何なのかはよく解らなかったけど、もう自分が此処に居ない事に不安を感じた。
これから・・・。
どうやって生きていけばいいんだろう。
否、もう死んでるから関係ないのかな・・・。
「ったくー・・・母さんか?」
タタタとリズムよく階段を降りて玄関まで走る。
ピンポーン
「ハイハイハーイ、待てっつーの」
何度もならされるチャイムに苛立ちを感じつつ玄関に向かう。
そして、何度目かのチャイムがなったと同じにドアを開けた。
「また、買いも・・・・っ?!!」
「いよっ!」
ニカと笑んだ顔。
この髪型。
っていうか、顔見た瞬間誰だか解るんだよ!!
バタンッ
「って、っ!!」
思いっきりドアを閉めてしまった。
否、反射条件だよ、今のは。
とりあえず、今此処に同級生を入れるのは色々ヤバイ。
二階の俺の部屋にはねぇさん(幽霊)が居る。
ぁあ!!本当、タイミング悪すぎだっつーの!!
「頼む、切原!今日は勘弁!!」
ドア越しに謝罪するも、切原が帰る気配は無かった。
むしろ、ドアをバンバン叩いたりチャイムを連打したりで・・・。
状況悪化してやがるっ!!
「今日はゲームするっつったろっ!!」
「駄目なんだよ、俺・・・風邪引いたから」
「嘘つけ!!」
即答かよ!!
俺、ちょっと風邪ぎみっぽく咳きしつつ言ったのに、即答されたよ。
切原は人を心配する心とかねぇのかよ。
少しばかりヘコんでいると、タタタと音がした。
しかも、家の外ではなく家の中から。
「・・・・ねぇ、煩いんだけど?」
ねぇさんが二階から降りてきました。
くっそ、何でこう次から次へと俺の邪魔ばっかするんだよ!!
「あれ・・・、今女の声」
「してねぇええええっ!!!」
俺は必死で否定した。
そう、もう死に物狂いでな。
「え、何・・・女なら居るじゃん、此処に」
キョトンとした顔でねぇさんは、そう言った。
その声が外に聞こえたらしく、切原がドアを叩いていた手を止めた。
その静けさの中で、俺は恐る恐る切原にドア越しに問いかけようとした。
「き・・・りは」
「、彼女できたわけ?」
すっげー楽しそうに言うな、切原。
絶対、ドアの向こうじゃ笑ってるに決まってる。
そりゃぁもう、満面の笑みってやつだ。
「あー。私は此処の長女よ、長女」
「狽ヒぇさんっ?!!」
何、きっぱり否定してるんですか。
否、否定はしてくれてもイイんですけどね。
ねぇさんは、喋る事を止めて下さいよ。
「は?!・・・何、に姉貴いたんだ?」
ねぇさんの馬鹿!!
俺は今まで一人っ子で通ってきてたのに、何ちゃっかり姉弟居ることにしてくれてんだよ。
「今まで少し遠出してたから、あんまり姉弟っぽくないけどね」
ハハ、そんな言い訳が切原に通じると思ってるのですか、ねぇさん。
俺は全然思いませんよ・・・。
俺はねぇさんを一生恨みます。
★後書★
とりあえず、切原君ババーン。
君は切原君と同級生です。
二人とも格ゲーが好きです。
っていうか、ゲームが好きなのよ、ゲーム。