「・・・山吹、ねぇ」
第五弾 - 山吹 -
本日、は山吹中へ敵情視察です。
「・・・氷帝ほどでもねぇけど、テニスコート見つかんない」
ぶー、と頬を膨らました。
だけども誰かが出てくるわけでもなく、はトボトボと校内を歩く。
そこで、が見つけたのは白い学ランに白い髪の毛。
「・・・やっぱ、目立つ人に聞くべきだよね」
さんの思考回路がオカシイです。
普通は目立つ人は避けると思われます。
そんな事も考えずにはその髪の毛の白い子のところまで走っていった。
「すっみ・・・ませ、ん?」
「あぁ?」
声をかけたときに、は固まった。
何故なら、その人は煙草を吸っていたからだ。
にとって、煙草なんて未知の世界だから・・・。
そんなものを中学生で吸ってるだなんて。
「・・・教員のお方ですか?」
「・・・」
の質問を無視して、目の前の人はどこかへ行こうとした。
そこで行動に出るのがだ。
はとっさに相手の服の裾を掴んだ。
そう、後先考えずに掴んだのだった。
「・・・ぁあ?何なんだよ」
「あのさ、教員の方かって聞いてんだから・・・」
「俺に指図すんじゃねーっ!!」
ゴッ
がやばいと感じたのは遅かった。
は本能的に目を瞑った。
だけど、痛みはなかった・・・。
「・・・ん?」
恐る恐る目を開けると先程とは違う人が自分の前に立ってるではありませんか。
は目をパチパチパチ・・・と何度か瞬きさせました。
「阿久津さぁ、他校生てか氷帝に手出すのはヤバイっしょ?」
「・・・っ」
阿久津と呼ばれたのは、さきほどの白い髪の毛の男の人。
が教員の人と間違えた人だ。
そして、今の前に立っているのはオレンジ色の髪の毛の・・・。
「あ・・・千石、」
「・・・何、俺のコト知ってんの?」
くるりとの方へと向き変えると、千石はをまじまじと眺めている。
「え・・・と、何、でしょうか?」
「否・・・どっこかで見たことあるような」
ないような、と付けたしつつ千石はまだまだを見る。
は千石に見られつつも顔色一つ変えやしない。
そして、ふとが顔を上げたときに一言。
「あ、さっきの人どっか行っちゃった」
「え、うっそ?!!!」
すぐさま後ろを見た千石だった。
だけども阿久津はもう形すら見えずにいた。
「あー・・・さい、あく」
ぐしゃり、と頭をかく千石。
はその行動をただ見ているだけだった。
「えと・・・何か悪い事、した?」
「俺さァー、阿久津連れてこいって・・・みな」
「せんごくっ!!」
「うげっ」
大声が聞こえた。
はその声の持ち主を探すために周りをきょろきょろと見回した。
だけど、千石は誰だか解っているらしくて目線を下に落としている。
そうしているうちに声を出した人が千石の後ろまで来た。
「・・・ったく、まだ阿久津は見つかんないのか?」
「違うってば、南!!さっき見つけたのにコイツが・・・」
そう言って、千石はを指差した。
はキョトン顔で南を見る。
「久しぶり、南」
ニコォと笑った。
だけども、南は首をかしげた。
理由は簡単。こんな奴を見たことがないのだ。
「何、南の知り合いだった?」
「え・・・否、俺は」
「知らないとは言わせないよ、健太郎くん?」
がそう言うと南の顔色が変った。
だけど、はにっこり笑うだけだった。
そんな2人の顔色を交互に見る千石。
「ていうか、部活しなくてイイの?」
「なんで、男装なんかしてんだよ・・・」
「似合うでしょ、格好良いっしょ?!」
あはは、と笑うを目の前に南は溜め息を付いた。
先程の場所でとどまっているわけにもいかないので、千石をコートに戻らせてと南は部室まで来た。
「おった、忍足がさぁ・・・」
「忍足・・・?」
「山吹行くんだったら男装して行けって五月蝿いんだよぉ」
「・・・はぁ?」
「山吹には千石っていうエロテロリスト、いや女たらしが居るから女の格好で行くな・・・だってさ」
あはは、と笑うを見て南は2度目の溜め息をついた。
「練習見たら帰れよ・・・」
「えー。健君ん家に行きたーい」
「健君言うなっ!!」
バンッ
と南が言い争っているとドアが開いた。
そこに居たのは・・・。
「せ、せんご・・・っ!!」
「さっきの子、女の子なんじゃんっ!!」
「お前、との話聞いてたのかよ?!!」
「ちゃんって言うんだね、よろしくっ!!」
「聞けよっ!!」
後書
山吹は視察にもなりませんでした(笑)
と南はハトコです。仲良しです。
何気に阿久津ともであったし、ココでの心残りはなしっ!!(笑)