「コーヒーに杏仁豆腐にアイスに・・・」


放課後。
僕は雲雀さんのパシリとして働いてます。
アイスは僕のものですが、他のは雲雀さんに頼まれたもの。
ルーズリーフとかも頼まれたけどさ。

あの人ホントに勉強してるのかな?

とか疑っちゃ駄目だよね。
学生なんだもの。
ちゃんと勉強ぐらいしてるって!!


「・・・あ、ボールペン」


やっべー買い忘れた!!








ラプソディ  −十勝アイスクリーム−








けど、ま。
僕の愛用のボールペンで許してもらおう!!
えへへ。
僕のボールペンを使う雲雀さん・・・。
間接ボールペン!!


「ひっばりさー・・・へぐっ」





ゴッ





応接室のドアを開けた瞬間、トンファーで顔面を殴られた。
ない!!
コレほどまでに痛さを感じた事はない。


「・・・おかえり」

「た、だ・・・いま、です」


とりあえず、返事よし。

僕は顔を抑えたまま立ち上がった。
そして、手の隙間から部屋の中を見た。

あちゃー!
また雲雀さんやっちゃってるよ。
どこの学校の不良か知らないけど、1,2・・・7人?
応答室でめった打ちにしちゃってるよ。
あーあ。また救急車呼ばなきゃじゃん。


「・・・雲雀、さん」

「何、不服?」

「いや、こうも人が倒れてると放課後の一時が楽しめません」


僕のアイスを優雅に食べる時間を返せ!!
今からこの人達掃除してたら、もうアイス食う時間なんてねぇよ!!
雲雀さんのバカバカ!!
どうせやるなら外でやってください!!


「・・・それも、そうだね」


あ、雲雀さんが納得してくださった。
久しぶりに僕の意見が通った気がします!!


「じゃぁ、窓から捨て」

「だーっ!!も、僕が全部やっておきますから!!」


これ以上したら、不良だろうが可哀想だ!!
哀れすぎて涙も出ねぇよ、こんちくしょう!


「はい、雲雀さんはコーヒーとかその他もろもろ!」

「・・・適当だね」

「勿論ですとも」


ニッコリと笑って言ったのにも関わらず、雲雀さんはトンファーを構えました。

ぇえ?!!
ぼ、僕無実でしょ?!!
ちょっと笑顔になっただけじゃないか!!
なのに何故こうも警戒されるのだよ!


「え、ちょっ・・・ひ、雲雀さ、ん?」

「殴ってほしいの?」

「は?!!な、なんでっすか!!」

「・・・返事」

「と、言われましても、理由が・・・」

「殴ってほし」

「くないです!!」


僕、そんなMじゃないですから!!
・・・うん、きっと多分。Mじゃない、よ。
なんかさ、雲雀さんの傍にいると自信なくなるよ。


「それで・・・キミは、アイス?」

「はい、これ好きなんですよー」


十勝牛乳使用のアイスはマジで美味い。
僕大好きなんだよなー。
これ食べてるときは本当に幸せ!!
だって北海道に行ってる気分になれる!!


「・・・おいしいの?」


僕がどれほど幸福の顔でアイスを食べてたかわかんないけど、雲雀さんがそう言った。
僕は雲雀さんがそんなこと問うなんて、微塵も思ってなかった。
だから一瞬、停止した。


「・・・・・・・・・・・あ、おいしい。です」

「何その間」

「えー・・・あーっと」

「不味いの?」

「いやいや、美味しいですって!!」


戸惑ったから勘違いされちゃったじゃないか!!
ていうか、不味いものをわざわざ買う僕じゃないです。


「・・・・・・」

「・・・ひ、ばりさん?」


え、何。
なんでこの人このタイミングで黙るの?!!
僕は上目遣いっぽく・・・いや、僕の身長が雲雀さんより小さいから自然とそうなるんだけど。
上目遣いで雲雀さんを見た。


「・・・・じゃぁ、味見させてよ」

「・・・は?」


そう言うと雲雀さんは僕の方へ近づいてきた。
そして僕の目の前までくると顔を近づけてきた。


「ちょ・・・ひ、ばりさ・・・!」


もうなんか、いろいろ想像しちゃった僕はギュっと目を閉じた。

だけど、何も変化なんかなくて、僕はゆっくり目を開けた。
けどまだ視界に学ランがありますけどぉおお?!!
雲雀さん、僕の肩に顔埋めてますけど?!!


「・・・じゃ、貰うからね」

「・・・っ」


直接耳元で囁かれた一言。
僕は一瞬で解らなくなった。
だけど、耳が赤くなるのだけは、解った。

それからすぐに雲雀さんは僕から離れた。
と、同時に僕を見て笑んでいた。


「な・・・に、笑ってるんですか」

「顔、真っ赤だよ」

「・・・〜っ!!」


そのあと、猛ダッシュして水道のある場所まで行って顔を洗ったのは言うまでもない。

あーもう。
雲雀さんのバカバカ!!
僕がこんな反応するって知ってるくせにぃいいい!!


ちなみに、手の中にあったはずのアイスが消えてたことに気付くのはもう少し先のこと。