コンコン





軽くノックしたけど、応答無し。








ラプソディ  −聞こえなかった言葉−








あ、今日は普通だ。

返事があった場合はイライラしてるからなぁ・・・あの人。
人が入った瞬間殴るからね。
マジ怖い。

応答無いときは普通か、雲雀さんが留守か。


「しつれいしまーす・・・雲雀さん?」


あっれー?
おかしいな。
僕が声出したら、確実に仕事押し付けてくるのに。
今日は応答なしだよ。


首をかしげながら僕は部屋の中に入った。
歩いても歩いても。
雲雀さんの反応は無し。


「・・・ってことは、留守か」


はぁ、と溜め息をついて窓の方へ行く。

ま、窓から外見てれば雲雀さんの一人や二人見つかるでしょ!!
え、雲雀さんは一人だって?
そんなの知ってるよー!!
物のたとえじゃん!!


「・・・って、ぅ・・・っ!」


声を出しかけて、僕は自分の口を塞いだ。


え、ちょっとちょっとちょっとぉおおお!!
なんか、一番素敵な豪華な椅子で・・・

雲雀さん寝てるんですけど。

綺麗な顔して寝てるんですけど!!
僕は目を丸くしながら雲雀さんを見た。


・・・写真、撮りたいかも。


「ひ、ひば・・・り、さん?」

「・・・・」


なんか。どうしようもない。

僕が今ココで動けば、雲雀さん起きそうだ。
それで起きたら絶対機嫌悪いよ、僕被害受けるよ!!
だけど、起こさなきゃ僕がココに来た意味も・・・ない。


どうする、ボク!!


「・・・」


とりあえず、雲雀さんの顔でも見とこうか。
うん。
それがイイ!!
・・・けどさ、そのうち鼻血噴かないか心配だな。
ま、気はつけるさ。


「・・・んっ・・」

「・・・っ!」


ひぎゃぁあああああああああ!!
ひ、ひ、雲雀さん!!
駄目だ。

僕、絶対・・・耐えられない!!

ちょっ、マジ襲うかもしれない。
スキありーって飛びつくかもしれない!!
ねぇ、早く起きてくれなきゃ襲うよ、雲雀さん!!


「   」

「え・・・?」


雲雀さんが何かを言っていた。
だから、僕は声を出してしまった。





ゴッ



「いっ・・・・たぁあああああい!!」


ただ、問いかけただけじゃないですか!!
滅茶苦茶小さな声で問いかけただけじゃないですか!!
それなのに、それなのに・・・。

殴られました。

雲雀さんの眠りを妨げたようなので、殴られました。


「い、たい・・・」

「ふぁ・・・・・・・・で、何?」


何か、雲雀さん機嫌良さそうなんですけど。
起きた瞬間に僕を殴ってすっきりしましたか。
そうですか、目覚めスッキリー☆ですか!!


「えっと・・・もうすぐ、プールじゃないですか」

「あぁ、そういえばそんな行事もあったね」


そんな行事って・・・!
雲雀さんプール入らないの?!!
え、水着姿期待してたんですけど?!!
まぁ、見たところで、僕の心臓が持たなさそうなんですけどねー。
あっははー!!


「で、僕・・・」

「・・・」

「どうしましょう?」

「入りなよ」

「ぇえええええ?!!!」

「嘘だよ・・・(五月蝿いなぁ)」


僕は涙目になりながら雲雀さんを見た。
もちろん、さり気なく雲雀さんのシャツを掴んでます。

ポイントは さ り 気 な く !!


「でも、僕は知らないよ」

「え、何でですか?!!」

「関係ないから」


酷くないですか、雲雀さん!!
僕はアナタの下僕なんですよ。
下僕がこんなに困ってるのに、助けないなんて・・・。

普通か。

あ、これが普通なんだ!!


「でも、僕の頼りは雲雀さんだけなんです!!」

「知らないよ」

「雲雀さーん!!」


このドSめ!!
でもそんな雲雀さんが大好きです!!


「何でもするんで、お願いしますっ!!」


僕はそう言って頭を下げた。
そしたら、雲雀さんは僕の頭を軽く叩いた。
あ、もしかして・・・これは。


「しょうがないね」

「・・・っ!!」


僕はすぐさま顔を上げて雲雀さんの顔を見た。
その時の雲雀さんは何か、凄く笑ってた。
え、何この顔。
僕、こんな雲雀さんの笑顔見たことなーい。


「ひ、ばり・・・さ」


雲雀さん、と言おうとしたときに、雲雀さんは僕のズボンのポケットに手をツッコんできた。

雲雀さんってば大胆だなぁ!!
あ、ごめんなさい。
もう何も言いません!!


「僕が呼んだときは、かならず1分以内に来るんだよ」

「え・・・ひっ・・・あ、はいっ!!!」


そう言って雲雀さんは僕に携帯を返してきた。
っていうか、僕のズボンから携帯取ってたんだ?!!


「じゃ、あとは僕に任せといてよ」