ちょっと、だけ、よ?
第八弾 - ラリー -
パァンッ
思い切り打ったボール。
だがしかし、そのボールの速度はとてつもなく遅い。
「・・・力むな」
「無理っ!!」
ぽーんっ
真田は自分の方にきたボールをロブで返した。
それを目で追う。
目で追うというか、上を見上げただけというか・・・。
「り、りきまない・・・・よう、に」
パァンッ
ブツブツと言いながら打ったのボール。
あれほど必死で考えながら打ったのに、ボールは先程と同じように遅かった。
「・・・だから、りき」
「無理無理無理ぃいいいい!!」
そう叫びながら真田が打ち返してくれるのを待つ。
「・・・イツまで続くんだよ」
「知るかよ、俺に聞くなっつーの」
ぷくぅ、とガムを膨らます丸井は不機嫌そうにジャッカルと話す。
先程までこのコートは丸井やジャッカルのダブルスをするやつらが練習していた場所。
だが、真田とによって中断させられたのだ。
丸井とジャッカル以外は他のコートに移ったのだが、この2人はのフォームを見ることもかねてココに残っている。
というかほとんどサボりに近い状態になっているのだが・・・。
サボリに近くなった理由は簡単だ。かれこれ、あの繰り返しが30分続いているのだから。
「あー・・・俺も打ちてぇ」
「じゃぁ、他のコート行けよ、俺見とくし」
「ばっか、見てなくて怒られるのは俺だろぃ?」
2人に任されたことは2人で行うべし。
それが真田の頭の中での方程式だ。
「ていうか、進歩しねぇのな」
じっ、とのほうを眺める丸井。
だが、その姿に進歩の気配はなし。
「体育は苦手じゃねぇだろ、あいつ?」
「あ?俺が知るかよ、ジャッカルのが一緒に体育してんじゃん」
「あいつがまともに授業に出てる姿は水泳以降見てねぇよ」
「・・・あー、そっか」
そこで丸井君は納得しないで下さい。
そんな会話を横に真田とのラリーは続いております。
「・・・なんっで、こうなのよ」
「あー、お前には無理なんだよ」
「うっせー、外野のデブンタはすっこんでろっ!!」
「ぬぁにぃいいい?!!!」
ガタッ
ベンチに座ってた丸井が勢い良く立ち上がった。
だがすぐにジャッカルに止めらる。
そんな姿を無視しながらはボールに集中する。
ていうか、あんたが蒔いた種でしょうが。処理ぐらいして下さい。
「こんどこそ・・・・んぁっ・・・ぅっ?!!」
ボールは先程とはかわらない速度で真田の方へと飛んでいく。
だがしかし、おかしいことがあった。
ボールを打つときに声が出るのは不自然ではない。
だが、その後の声はあきらかにいつものから発せられるような声ではなかった。
「・・・?」
「・・・や、何・・・でもねぇ、し?」
ニコォと笑んで真田に自分が大丈夫だ、と言う事を教えた。
実際、は本当に大丈夫なのだ。
何故あんな声を出してしまったのかというと、打った衝動でパンツがくい込んでしまったのだ。
そんな事をこの男子しかいないコートで言えるわけもないはとりあえず平然を装った。
だが、気分の良い事ではない。
それでも、再開を求めるのだが、真田は決してそうはしなかった。
「本当に、大丈夫なのか・・・?」
「え、う・・うん・・・?」
「やっぱり疑問文ではないか!!」
「・・・はっ?!!ちょっ、人攫いっ?!!」
グイっ、との手を引くや否や真田は保健室に向かおうとしている。
だが、にとってはわけが解らないのだ。
別に自分は何をしたわけでもないのに、何故どこかへ連れ去られるのか・・・。
「ぎゃーっ!!ブン太ぁああ、ジャッキー、助けてっ!!」
「「無理」」
「お前等ハモんな、キッショイわ!もう、相手にしねーよ!」
「そこまで言うかよ」
「一生助けねぇ」
「いっやー!!マジマジ、御免なさい!!!!」
ズルズルと引かれながら叫ぶに助け舟はなかった。
どうするんだ、と考えながらもは引きずられていく。
「・・・ね、ねぇ?」
「何だ?」
「・・・離そう?」
「丸井たちのところにでも行くんだろう、駄目だ」
な ん で そ う な る !
と、は思いました。
だけどこの言葉が出たという事は、トイレに行きたいと言っても返事は同じだろう。
さぁ、。どうするっ?!!
「・・・あ、あ、あ・・・っと、れんじぃに呼ばれてるんだけど?」
「保健室のあとでイイだろ」
「・・・何、この今から保健室でヤります的な言い方」
「何か言ったか?」
「言ってねーよ」
の二言目が真田に聞こえてたらどうするんだ。
本気でヤられかねないぞ。
「ぅー・・・マジ、どうしよ」
気付けばテニスコートは果てしなく遠い場所まで来てしまった。
そして、保健室はもうすぐだ。
はぁ、と溜め息を付いたは顔を上げた。
そこで目に留まったものはトイレのプレート。
「あ・・・ちょっ、ストップストップ!!」
「・・・っ、何だ?」
「マジ、トイレ行きたいから後で保健室へ行くから戻っててよ、副部長さん」
ニコとは笑顔を真田に向けてやった。
その顔に真田は頬を少し赤くした。
「だから、キモイって言われるんだって・・・」
「・・・、?」
「え、何もないって」
えへへ、と軽く笑ってみせた。
それが通じるのは真田だけだという事には最近やっと気がついた。
「・・・では、待っている」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・は・い?」
「は保健室とか苦手だから行かないこともあるから見届けるまで待っててやる」
「いらねーよ。そんな見届けっ!!」
後書
予想外になってしまった。
ぜんっぜん下ネタじゃないよ、これ。
一番ないわ。