入学してきた時って・・・一応大人しかったんだっけ?
第三十八ノ参弾 - 兄貴 -
「誰が逃げるんじゃ!!」
ダンッと床を思いっきり踏んだ。
その反動っぽく、は飛んでみた。
・・・凄い軽蔑の目で見られたとか、見られなかったとか。
とりあえず、は一度だけ咳払いをしてその場に座った。
「・・・率直に言うと、アレだ」
ゴクリ
・・・と、生唾を飲む音が、部屋中に大きく響いた。
そりゃぁ、静かな中で3人も生唾を飲み込めば大きく聞こえてもおかしくないからね。
「俺の兄貴・・・じゃなくて、兄貴っぽい存在の人いるじゃん?」
は首をかしげて3人に問いかけた。
丸井と仁王は、確かそんな事を聞いたこともあったような気がしたので頷いてみた。
だがしかし、切原にとってはそんな事初耳だった。
「否、俺・・・初耳っスけど?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん、居るんだよ」
「無理やりじゃねぇっスか!!」
は面倒な事がとても嫌いだった。
否、そうでなくて!!
「しゃぁねぇ・・・真面目に説明すっから、聞いとけよ?」
「勿論っスよ!!」
「とりあえず、俺の昔の住んでいた所では、隣に2個上のお兄さんが家族と住んでいました。
その兄貴と俺はとてつもなく仲が良かったのです。
っていうか、隣町のデパートの試食売り場を一緒に制覇したぐらいの仲だったんだよ!!」
・・・今一瞬、切原君がどうでもイイ事を聞いた顔になりました。
はその顔を見ていなかったので、ギリギリセーフです。
見てたら、この話は中止になってます。
「で、俺・・・引越ししたっしょ?」
「俺等が中等部に入学したときにな」
と、丸井がの言葉に説明をつけた。
特に付け足した説明が不要だった事は誰も言わない。
だって、言っても何も変らないんですから。
「で、兄貴の事がめちゃめちゃ好きっぽかった俺は真面目に悲しかったわけよ。」
君、少しばかり説明文がオカシイと思います。
とりあえず、は段々熱くなってきています。
口調が早くなっても来ています。
「といっても、まぁ戻れるわけでもねぇし?
とりあえずコッチの生活を楽しもうと思ってニコヤカに過ごしてたんだよ」
「確かに・・コッチに来た当時は、普通の子やったのにのう」
「何か言った、ニオサン?」
「イーヤ、何も?」
ニコと笑んで誤魔化す仁王。
その顔を疑いの目で見ていただが、そんなことばかりしていても時間の無駄なので
とりあえず会話を再開しようと口を開いた。
「まぁ、そこでアイツとかの近隣に引っ越してきたわけなんだが・・・そこはイイとして」
「・・・イイんスか?」
「イイんだよ」
が切原に言ったのは半分以上強制的です。
とりあえず、切原もまぁイイか的な雰囲気になってしまい話は続く。
「でもまぁ、兄貴の事を忘れないように男装し始めたっつーわけ」
「狽ヘぁ?!」
あまりのアッサリな終わり方に切原吃驚です。
丸井と仁王も少々呆れ顔でを見ています。
ですが、仁王は何かを思いついたようで、手をポンとあわせました。
「じゃけぇ、んときは性格変るんやろか?」
その一言に3人は仁王を注目した。
「、お前が男装しちょう時に心がまえてることは?」
「・・・兄貴っぽく振舞う・・・こと?」
「やっぱりのう」
ククと笑う仁王。
その意味が分かった丸井と切原。
何故かだけが意味を分からずにブーたれてます。
そのうち「ブー」の回数が何倍にもなるかと思われます。
「わけ解んねぇー!!」
「あー、ハイハイ。説明するから落ち着きんしゃい」
動物をあやすように、仁王はをあやす。
それでが大人しくなるんだから、すばらしいと思う。
「まぁ、そのまんまなんじゃけど・・・
ん時は多分『素』なんじゃろうな。
んで、ん時は、その・・・兄貴って人になりきろうとしてるんやと思うぜよ」
「・・・へぇ」
あまり興味なさ気に言った。
その表情を見た仁王がの前に立った。
そして、物凄いオーラを出し始めた。
君ピンチです!!
今、この場に君を助けてくれる人はいませんよ!!
「・・・ねぇ、先輩?」
「「「んぁ?」」」
3人の先輩は揃って間抜けな声を出しました。
否、本当間抜けすぎてコッチが気抜けるからね。
「オカシイじゃないっスか・・・?」
ガシとの服の袖を掴む切原。
一瞬の出来事だったので、は少々ビビってます。
「な・・・んで?」
「だって、先輩でニコヤカに過ごしてたんっしょ?」
切原は、そこで一旦言葉を区切った。
するとはその問いにコクンと一度だけ頷いて見せた。
「そのニコヤカ生活・・・いつ終わったんスか、ねぇ?」
ニヤと笑んだ切原がを見上げた。
「・・・プッ」
「煤E・・ちょっ、何で笑うんスか!!」
グルンと後ろを振り返って丸井に叫ぶ切原。
丸井は先程と同じように笑っていた。
まぁ、理由は多分違うのでしょうがね。
「何でって・・・仁王も知ってんじゃねー?」
ゲラゲラと笑う丸井は仁王を指差した。
そして、切原が仁王の方を振り向くと仁王は笑っていなかった。
だけど、切原と目が合った瞬間不適に笑われた。
「もうっ!!先輩達、知ってんなら教えてくださいよ!!」
ウガァ!と今にも珍獣化しそうです。
それを阻止してください、先輩達!!
「うん・・・と、どうせなら丸井言えよ?」
「はぁ?普通は本人が言うだろ、本人が!!」
丸井君は面倒な事が嫌いなのですよ、君。
故に強制的にが説明しなければならない状況に入りました。
「・・・アイツの所為で素が出たんだよ」
ワシャと髪の毛を掻く。
恥ずかしいのか、顔も切原から逸らしています。
「学校、で、事故的に抱きつかれた瞬間、殴って蹴って・・・そのうえ乱言・・」
「うっわぁ・・・」
「くっそー。笑いたきゃ笑えよ、コンチキショー!!」
バッとその場にしゃがんで顔を隠す。
これは乙女としか言いようがありません。
っていうか、切原はのこの行動が面白くて笑いだしました。
もう、大爆笑です。
「・・・笑いすぎ」
「先輩、笑って・・・イイ、つった、じゃん?」
いまだ、笑っている切原は言葉を出すのに必死です。
はそんな切原を見てショックを受けつつ呆れています。
何故、そこまで笑えるのか解らなかったは呆れるしかありませんでしたからね。
「・・・笑っているのも、いいが・・・いい加減にしないか」
「・・・や、やな?!!」
「うっわ、れんじぃー・・・・」
2人が振り返ると、そこにいたのは柳蓮二だった。
しかも、大そうご立腹のご様子であるとみた。
「お互いの仕事をちゃんとこなせ」
「う・・・はいっ!!」
怖くなった切原は自分のラケットを掴むと一目散に部室を出て行った。
残されたのは周りを見回して仁王と丸井がいつの間に出て行ったのか気になった。
「・・・も、真面目にやれよ」
「ブ・ラジャー」
楽しく無さそうには手を挙げて言った。
そして、自分の使う洗剤や色々を手に持ってドア付近まできた。
と、同じに柳を見上げた。
「・・・別に、イイよな?」
「何がだ?」
わけが解らなく、柳は首を傾げた。
「・・・過去のはなしぃー」
ニカと笑んでみたはかるく柳に頭を叩かれた。
ハハと笑うとは部室を出て行った。
残された柳はフと笑うと部室から出て、鍵を閉めた。
「俺に聞く必要・・・あったのかな」
再び笑うと、柳はコートへと向かって歩いた。
後書
一応コレで38弾終了です。
な、長いよ、ママン!!(黙って)
しかし、この弾に笑いが少なすぎる・・・!