「あー・・・もうっ」





わしゃりと荒々しく自分の髪の毛をかく女。
そいつは今、テニス部の部室で部日記を書いている。
部日記は案外簡単に書けるものではないのだろう。
ここ30分ぐらいずっと机に向かっていた。





「まだ終わんねーの?」

「終わんねー・・・
からやってんの!!」





女は声をかけてきた奴に目掛けて消しゴムを投げつけた。
しかし、その消しゴムはいとも簡単に受け止められてしまった。
当たらなかった事の悔しさに、女は小さく舌打ちをした。





「・・・お前、それでも女かよ」

「女じゃん、普通に」





アッカンベーをすると、女は再び机の方に向かった。
そして、部日記を書こうとするが全然書けそうにない。





「・・・何か、アイディア下さい、丸井様

キショイっつーの

うっさい、消しゴム返せよ





先程、自分から放り投げた消しゴムの返済を頼む。
女は男をジっと見た。
それでも男は消しゴムを返す気配は無い。
ニヤリと笑むと、消しゴムを上に放って遊ぶだけだった。




















第五弾

数学の考え方





















「・・・わけ、わかんない」





はぁ、と溜め息をついたのはだった。
只今数学の課題の時間。
も、皆と同じように課題の問題に取り組んでいた。
だけど、進むも進まないも
予習の場所が課題になってしまい、進むものも進まなかった
皆で必死に答えを導き出そうとしている。





「・・・、終わった?」

「・・・まだ、です」

当たり前だよね





苦笑しているのは、とその友達。
友達も問題が解けない人の一人だった。
の前の席に座ると一緒になって問題を解き始める。
しかし、そんなに簡単に答えが出せるわけでもなく、時間だけが過ぎていく。





「おーい・・・お前等、出来た?」

「あ、丸井君!!」





ニコと笑んだのは、ではなく、
その友達
は半ば無視をしつつプリントから目を離さない。





「俺と同じところばっかだな・・・」

「マジ?!」

「まじまじ」





残念、といった顔で丸井はの友達に課題のプリントを返す。
そして、次に目がいったのがのプリントだった。





「お前のは?」

「は・・・?」





拒否権無しで、のプリントは丸井の手の中に入った。
そのプリントを見ている丸井は眉間にシワがよっていた。





「・・・お前、馬鹿?」

「なっ・・・
馬鹿はアンタでしょ!!





は丸井に言い返した。
だがしかし丸井はに言い返すことは無かった。





「じゃ、コレ借りてくぜぃ」

「はっ?!!ちょっ・・・!





の止める声も聞かずに丸井はのプリントを自分の席まで持って行った。
そして、そのプリントを写しているようだった。
その姿をジっと眺めるとその友達。





「ていうか、?」

「んー・・・?」

「あんたが解けなかった問題って、どこ?」





ニッコリ、と笑んだ友達は課題のプリントをの前に差し出した。
そして、はこことここと・・・と自分が解けなかった場所をシャーペンで指していった。
そこで気付いた





・・・」

「・・・ん?」

絞め殺されたい?

はぁっ?!!!





にっこり、と笑んだ友達の笑顔は
ハンパなかった
は椅子ごと後ずさりしようとしたがそれを許さない友達は、足を椅子に引っ掛けた。





「え、ちょっ・・・マジで、何っ?!!

「うん、あんた馬鹿ね。マジで丸井君に私は同情するわ」

いやいやいや、意味わかんないから!!





ブンブンと手を横に振ると、友達に事情を聞こうとする。
だが、友達は言おうとしない
言う気配がない





「・・・ねぇ、マジで何なわけ・・・?」

「ま、気が向いたら教えてあげるわよ」





じゃぁ、今すぐ教えろよ。
と、は思ったに違いない。





「ていうかさ、ホント・・・」

「・・・ほら、アリガトよ」

「え・・・?」




ポスン、との頭の上に置かれたのは丸井が持ってきたのプリントだった。
すぐさま丸井が手を離すとヒラっとその辺にプリントがとんだ。
それをキャッチしようとが手を伸ばした。
だけど、手が届くわけもなくプリントは遠くの方へとヒラリと舞っていった。





「・・・・取ってよ」

「嫌なこった」





を見下ろす丸井。
で、丸井を見上げ睨んでいる。





・・・可愛げねぇな、お前

「うっさい、あんたモテないわよ





ガルル、とお互い
警戒心丸出しだ
そんな2人を見ての友達が小さく笑った。
そんなことも気付かないで、2人は睨み合っている。





「・・・っていうか、何では基礎わかんなくて応用わかるんだかなぁ」




ポツリ、と言った一言。
多分、というか絶対にと丸井には聞こえていないだろう。































後書
オワットケ。
ていうか、丸井とほとんど絡めてねぇ。