「丸井ィィ」
コートの外で女の声が聞こえる。
「ん?・・・何」
その声に答える、声は男だった。
しかも、そいつはテニスの試合の真っ最中。
「今度のダブルス雅治とだってさー」
「ゲッ・・・マジで?!!」
男は吃驚して、ボールを打ち返し忘れる。
それで、苦労するのはダブルスのパートナーだ。
「おいっ・・・ブン太ッ!!」
「ぁ・・・わりっ、ジャッカル;;」
ギリギリボールに追いついた後衛だったが、そのボールはふんわりと宙を舞った。
「残念じゃのぅ」
その声と共に相手の前衛のスマッシュが決まった。
そう、点を取られたのだった。
「・・・またかよ」
力なくその場に倒れこむ男は、今の対戦相手に負け続けていた。
ケラケラと笑う対戦相手や女に「いつかぶっ潰す」と言った。
そんな、全ての始まりはあの日だった。
第一弾
始まりは出逢い
「かったりー・・・」
今日は年に一度の入学式。
此処、立海大付属中学校の新一年生もゾクゾクと集まってきています。
そんな中、一人の一年生『丸井ブン太』は真っ先に屋上へと向かっていた。
「入学式の前にテニスしてぇっつーの」
ドンドンと音を鳴らして階段を上る。
ようやく見つかった屋上へと続きそうなドア。
ギィと音を立てて開くと、そこには入学式にはもってこいの青い空が有った。
「アラー・・・」
「・・・っ?!」
だが、そう思ったのも束の間目の前には女が一人居た。
しかもそいつの格好ときたら
「・・・私の顔になんか付いてます?」
「否違います・・・アナタの格好」
「・・・ん、何かおかしいですか?」
「普通、靴とか脱いでませんし・・」
相手の格好は、靴を脱いで髪も乱れて上着を羽織った状態。
そこで、丸井の戸惑った態度を見た女が一言。
「あぁ、ヤったとでも?」
「狽なっ?!!///」
「別にヤったりしませんよー。屋上だと寒そうですし」
春と言ってもまだ肌寒い時期だった。
ケラケラと笑った女は、ちゃんと上着を着た。
そして、靴も履いた後に鞄から鏡とワックスを取り出して髪の毛をなおす。
「ん・・・なら、何してたんですか?」
とんだ誤解をしていた丸井は、いまだに顔が真っ赤なまま女に質問する。
すると、女は鏡越しに「寝てた」と言った。
・・・普通の奴は屋上なんかで寝ない。
ガチャ
「あっれー?」
ドアが開くと同時に2人の男子が入ってきた。
「何・・・お前等屋上に来る時間じゃねぇだろ?」
「はぁ?人に言えんのか、お前は」
ケラリと笑って男子2人と丸井は会話をする。
その3人にもかかわらずに、女は手を動かして髪の毛をセットする。
「なぁ・・・」
「ん?」
1人の男子が丸井には聞こえるように小声で問う。
丸井もその質問が聞こえるようにギリギリまで顔を近づける。
「あの人・・・お前の彼女?」
「はぁあ?!」
「だって・・・な」
違うと否定する丸井があまりにも必死だったので、2人は本気で彼女なんだなと思った。
そして、その2人は邪魔すると悪いからと言って屋上を爽やかに去った。
そういう事をされてしまうと、丸井だってどうしようもなくその場に居る事になった。
「あ・・・」
時計を見た女は立ち上がった。
そして、何も言わずに屋上を出て行こうとする。
「は・・・待って」
丸井は知らず間に女を呼び止めた。
女は不機嫌そうな顔をして、丸井のほうへ向きかえった。
「先輩の名前・・・は?」
丸井にとってサァと風が流れたような気がした。
だが、そんな雰囲気も気がつけば相手の笑い声で消えてしまった。
「アッハハハ、私・・・先輩に見えました?」
「は?」
女はいまだに笑っていた。
そして、笑い終えると同時に自分の自己紹介をし始めた。
「私の名前は、今日から此処の新1年生です」
ニコと笑んだ顔は中学1年生にピッタリだった。
そして、は丸井に自己紹介を求めてきた。
「ぁ・・・丸井ブン太、俺も新1年・・」
「狽ヘぁ?!」
丸井が自己紹介をした瞬間、が叫んだ。
「な・・・何」
「そんな、真っ赤な頭して同い年?!ありえないっ!!」
「なっ・・・そんなこと言ったって・・!」
キーンコーンカーンコーン・・・
チャイムが鳴った。
そうそれは、入学式始まりの合図。
二人の喧嘩は、一旦そこで終わりになった。
そして、全力疾走で体育館で行われている式へと急ぐ。
その後、丸井とは同じクラスになることも知らずに・・・。
後書
とりあえず、今回のメインっぽいのはブン太で!!(ぇぁ)
しかし、3年が1年の時の話を書く日が来るとは・・・。
兎に角頑張ろう、新連載!!