now printing    装画 ギュスタブ・
 (単行本)  (文庫本)   モロー                     


『その細き道』(文藝春秋社、文集文庫)
1983年9月文藝春秋社から刊行。
高樹のぶ子初の作品集である。
表題作『その細き道』は、
1980年『文学界』に掲載、
その後芥川賞の候補作に推され、
高樹のぶ子のデビュー作とされている。
後年、この作品のモチーフを受けて,
『時を青く染めて』『億夜』と書き継がれ、
三角関係三部作と呼ばれる。
表題作他、『遠すぎる友』『追い風』を収録。


        カバー 靉嘔  カバー 藤井勉
(単行本)           (文庫本)       

『光抱く友よ』(新潮社、新潮文庫)
1984年2月新潮社から刊行された。
表題作は第90回芥川賞受賞作。
同賞4度目の候補作での受賞となった。
戦後生まれの女性作家として初の受賞ということでも話題となる。
『揺れる髪』『春まだ浅く』収録。
『揺れる髪』は1979年12月同人誌『らんぷ』第六号二掲載された後
翌'80年『文学界』2月号にも掲載された。


                カバー 船越保武
             (単行本)  (文庫本)  (AD平林育子)

                   
『寒雷のように』(文藝春秋社、文春文庫)
1984年4月文藝春秋社より刊行。
芥川賞受賞後第一作目の作品集。
表題作のほかに『麦、さんざめく』『残光』を収録。
近年執筆された『燃える塔』等の作品群に見られる、
著者の生い立ちから題材を取ったと作品と思われる。


          カバー 加納邦幸
(単行本) (文庫本)                    

『波光きらめく果て』(文藝春秋社、文春文庫)
1985年9月文藝春秋社から刊行された、
著者初の中短編小説。表題作の他に『土の旅人』を収録。
翌年7月、同題名で松竹から藤田敏八監督、
松坂慶子主演の映画が公開される。
共演は大竹しのぶ、渡瀬恒彦、三国連太郎、
加藤治子、峰岸徹、奥田瑛二という豪華な顔ぶれ。


            now printing カバー 松井ヨシアキ
(単行本) (文庫本)

『街角の法廷』(新潮社、新潮文庫)
1985年10月新潮社から刊行された、
著者初の長編小説。
ご主人が弁護士という著者の割には、
この作品のような法廷ものの作品は少ない。
その意味でもある種異彩を放っている作品といえよう。
ミステリーの手法が取り入らた本作品は、
1990年NOW系でテレビドラマ化された。
主演は佐藤浩一、姿晴香、長谷川真弓、杉本哲太。


  カバー 葉 祥明  
(単行本) (単行本)            (文庫本)

『星夜に帆をあげて〜さつきさん物語』
『花嵐の森ふかく〜さつきさん物語』(文藝春秋社、文春文庫)

『星夜の帆をあげて』は1986年7月、
『花嵐の森ふかく』は翌'87年1月、
それぞれ文藝春秋社から刊行されている。
どちらも著者が大学を卒業後に就職した出版社での経験が題材となった作品で、
前者の続編として後者が描かれている。
文庫化に当たっては両作品を一つにまとめて刊行された。
この2つの物語を一つの作品と見ると、
当時の作者にとって最も長い小説となる。
しかし、物語としてはそれまでの作品よりもやや軽い物語として仕上げられている。


           now printing   カバー 牧野鈴子
(単行本)   (文庫本)

『陽ざかりの迷路』(新潮社、新潮文庫)
1987年新潮社より刊行された長編小説。
『波光きらめく果て』以来の本格的な恋愛小説である。
この頃の作風はまだ試行錯誤的なものも多く、
1990年『時を青く染めて』以降に見られる、
爆発的な創作活動に至る過渡期的な時期だと考えられる。
中でもこの作品には後の著者の文学的テーマの萌芽が見られる作品と思える。


カバー川村みずえ 装丁中島かほる now printing
(単行本)                   (文庫本)

『虹の交響』(講談社、講談社文庫)
1988年9月講談社より刊行。著者初めての新聞小説である。
1987年11月1日〜1988年5月30日に高知新聞、
秋田魁新聞、信濃毎日新聞、北国新聞、中国新聞、
神戸新聞、熊本日日新聞に連載された。


  now printing
(単行本)  (文庫本)

『熱い手紙』(文藝春秋社、文春文庫)
1988年10月文藝春秋社より刊行された、
著者初のエッセイ集。
'80年6月〜'88年2月に各誌に書かれたものを、
大きく4つのテーマに分けて収録されている。


  now printing   カバー 山本容子
(単行本)  (文庫本) AD坂本事務所

『ゆめぐに影法師』(集英社、集英社文庫)
1989年6月集英社より刊行。
'87年夏、アメリカ政府のプログラムで、
全米二十数都市を車で巡るという、
全行程3000マイルの著者の旅が題材になっている。
物語の主人公が二人の女の幽霊という点でも、
著者の作品の中でも異色の作品である。