議員の議員による議員のための政治


総理大臣記者会見で辞意を表明した福田氏の最後の発言「あなたと違うんです」が話題になっている。議会制民主主義における国家の長が、自分の思い通りにいかないからといって任期半ばで責務を放棄するのをわがままとか無責任とか他人事とか言わなくて何て言えばいいのだろう。

原油価格高騰が庶民生活を圧迫しているなかで、リーダーが敵前逃亡するようじゃどうしようもない。福田氏の先を見通す目に映る困難さがあるのなら、客観的になって、リーダーシップを発揮すればいいのではないか。権力の頂点にいる総理大臣なら何でもできるはずだが、そういう安倍氏も任期半ばで辞めてしまったということは、どうも権力の頂点は別のところにあるのかもしれない。もともと期待していなかったので批判する気にもならないけど。

日本における議会制民主主義は、議員が自己の利益と権力を守るための制度のようだ。長が長なら、議員も議員。自分の利益に奔走するのは国会議員だけでない。大阪府の議会は職員の給料は減らしても自分たちの給料は減らしたくないとだだをこねた。

今日、次のような記事をみつけた。

------------------------------------------------------------------------
200894 1217分 共同通信
議員居眠り写真で傍聴規制 茨城県議会、身分証提示も
-------------------------------------------------------------------------

茨城県議会で居眠りをしていた議員の写真がブログに掲載されて批判を受けたので、撮影許可を報道関係者や「公益的見地から必要と認められる者」に限定、議事妨害が予想される場合には傍聴者に身分証の提示も求めるように傍聴規則を改定したそうだ。つまり、居眠りを隠すために傍聴(撮影)を規制するということだ。

居眠りを指摘された議員は、その日その時たまたま居眠りしてた、ということもあるだろうからちゃんと弁明すればいいし、そういうことよりも日頃の議員活動で評価すればいい。しかし、議会全体でこのような対応をしたのでは常習犯が多いのかもしれない。

これは、居眠りがネットで公開されるよりずっと恥ずかしいことだと思う。

そういう議決をする議員たちを選んだ人は、いったいどういう思いでこの成り行きをみていているのだろうか。


木 - 9 月 4, 2008   08:37 午後