卒業式は雨だった


あいにく朝から雨。 雨の卒業式ははじめてかな? 晴れ着禁止でスーツ着用の上からアカデミックガウンを羽織るので、雨の影響も少ないかな。

卒業式は13時半からだった。雨は降り続く。

受付担当だった。 式場に入る保護者の方々に式次第を手渡す係。

今年も学生一人一人に学長が卒業証書を手渡した。ゼミ生の名前が続けて順番に呼ばれると、感慨深い。 しかし、流れ作業のように次々に手渡す卒業証書は、ちょっと機械的で感動も少ないかなと思う。

ところが、一人だけ卒業証書が用意されていなかった。かわいそうに壇上に残される学生。機転の効く学長がその場を繕って笑いを誘った。和やかな雰囲気。

学長もタッセルの移動を飛ばしてたし…

式が終わって、教室に入り、記念品などの配布を終えたあと、あと片づけをしていると、ゼミ生が全員あつまってきて、寄せ書きとプレゼントをくれた。

もう、それだけで目がうるうるしてしまった。

卒業式で泣くのは2度目だ。

一度目は短大卒で2年研究生して新設の四大に編入して、のべ5年間もゼミ生だった学生が卒業する時。 彼女の成長がとてもうれしかった。よく成長したよなあという親心的な涙。

今回は、ゼミ生全員の感謝の気持ちを感じたから。

なぜなら最後の最後に心を鬼にして厳しい仕打ちをしたので、みな嫌な思いをした筈だ。おかげで卒制の完成度を高まったけど、あれでほんとによかったのかどうか。なのに、みんな笑顔で、ありがとうという。うれしかった。

研究室にもどって、こっそりと寄せ書きを読んだら、本当に泣いてしまった。

ゼミ楽しかったと、いちばん憤慨してた学生が書いていた。

寄せ書きの言葉がこんなに身にしみたのは初めてだ。

毎晩遅くまで、みんなの作業につき合って、土日も休まず、体力の限界にあって疲れ果ててたことなど、すべて吹っ飛んだ。

一生懸命に教えてよかったなあ、と思える瞬間。 教師冥利につきる。

昨日、これほど、懸命に指導を受け続けた学生が他にいるか? と書いたが、ここにいる。ウチのゼミ生たちは、みんな一生懸命指導に答えてくれた。これだから教員はやめられない。


水 - 3 月 19, 2008   11:47 午後