相似形がわからない


小学生の話ではなくて、大学生の話だ。CADで町並みを再現する課題の作業中のできごと。3次元CADでできるだけ簡単にまちなみを再現しようとする試みだ。豆腐のような単純な直方体をつくって、ファサード(建物の正面)の写真を貼付けるだけ。

要は複雑なモデリングをせずに画像マッピングで誤魔化すという手法。ゲームの背景などの町並みをつくるのと同じ手法。使用しているマシンもソフトも古いのだが、画像マッピングくらいはできる。

当然、写真とモデリングした直方体のファサードの関係は相似である。

まず、撮影してきた写真の遠近法を修正して、建築図面の立面図のようにする。このとき、あとで作業しやすいように写真の解像度をさげておく。今回は、実際の1cmにつき1ピクセルとした。建物の高さは目測。きりのいい数値に設定する。今回は、2階建ての高さを6m、3階建ては9mと決めた。6mだと600ピクセル。

つぎにCADで道路をつくる。実際の道路にはいろいろな形態があるが、今回は練習ということで、どこで撮影しかたかによらず道路断面を統一して、みんなで一緒に作業した。

その両側に道路に沿って直方体をつくる。ここからは個人ごとに異なる作業。あとは道路に面した面に写真をぴったり貼付けるだけ。過不足があってはいけない。だから、直方体の道路に面した面は、写真にあわせてつくらないといけない。

となると写真から建物の幅は自動的に決まる。ハズだった。

おどろいた。

モデリングする建物の幅はいくらにすればよいですか? との質問されたのだ!

加工した写真の縦横比で、幅を計算すればいいと言っても、わからない。
写真の相似形でつくればいいんや、といってもわからない。
写真の縦横比と6メートルをかけたらいいだけやんか。電卓はじけよ。

実は電卓を使わなくても、6mを600ピクセルにしたんだから画像の幅のピクセル数をみればすぐに建物の幅はわかる(たとえば540ピクセルなら5.4m)。

ちょっと嘆かわしい。

しかも、質問したらすぐに答えを教えてくれることに慣れきっていて、自分で考えることをしない。


金 - 1 月 25, 2008   10:04 午後