田舎で暮らしたい


学生時代、マンフォードの『都市の文化』の勉強会をしていたころ、都市の文化を享受する都市生活者にあこがれた。芸術、芸能など都市でないと享受できない文化がある。

高度経済性成長期に、地方から集団就職などで出てきた人たちが、都市の勤労者となっていった。父と母はその世代。しかし、その生活は当然ながら生まれ育った地方の生活スタイルを踏襲していることが多い。わが家も例外ではない。

だからずっと都市生活者のライフスタイルに憧れ続けた。

地方出身者の子どもの世代は、生まれながらにして都市に住む。彼らが日本の都市生活のスタイルをつくって行くと、学生なりに思っていた。30年前のこと。つまり、彼らとはすなわち我々の世代でもある。

しかし、高度経済成長に経済効率主義や、バブル期に拝金主義が横行した日本の都市に、誇れるような新しい都市の文化はうまれたのだろうか。

駅前の超高層マンションがよく売れているが、それは都市生活者の住居として理想的なの? 単に利便性を追及し、経済効率的に安価な住宅を供給すると駅前超高層になるというデベロッパーの戦略にハマっているだけじゃないか。エレベータなしでは日常生活に支障をきたす様な住宅に住んでいて身の危険を感じないのが都市生活者なのだろうか。

さいきん、ずっと田舎で暮らしたいとおもっている。

ハワードの田園都市?

日本ではニュータウンと化してしまった。ニュータウンの老舗?の千里ニュータウンもリニューアルが進み、超高層が乱立しつつある。かつて都市生活者の憧れの的だった、5階建ての階段室型住棟が立ち並ぶ団地も、今となっては古びてしまって、そえにさえ郷愁の念にかられる。




土 - 9 月 8, 2007   01:17 午前