PowerBookG4の起動音が鳴らない


もう随分前から起動音が鳴らなくなっていたのだが、PRAMのクリアとか、PMUのリセットだとか、試してきたけど治らなかった。でも、他に支障はないから、大したことではなく、そのうちなんとかなるだろうと高を括っていた。

ところがこれがとんでもない製品不良だということがわかった。

今日ふと何気なく「このMacについて」をみたら、メモリが512MBしか認識してなかった。

あれ、確か512MBを2枚差してたはずなのに?

システムプロファイラで確認すると、下段スロットが空きになっている。おかしいなと思って、システム終了して、本体裏側にあるメモリ用の蓋を外して確認すると、ちゃんと2枚ある。

確かにそのはずだ。将来にわたって快適性を確保するために、わざわざ1GBに増設して買ったんだ。そういえば、最近、複数ソフトを起動しているときに極端に操作が遅いような気もしていたが、実際、遅くなっていたのだ。512MBじゃMacOSX Tigerとしては最低起動保証程度しかないじゃないか。

何かの拍子にメモリがダメになったのだろうか。ハードディスク換装のときだろうか。あのときはメモリはいじってないハズ。そう思いながら、メモリの上下を入れ替えてみた。入れ替えながら、やっぱりこの作業は初めてする作業だと思う。

起動すると、やっぱり下段スロットのメモリを認識していない。メモリじゃなくて、スロットに問題?

アップルのサポートページをうろうろさまよっていると、PowerBookのサポートページ の修理交換プログラム欄に、PowerBook G4 メモリスロットリペアエクステンション(15インチ)なる文字を発見。しかしリンク先は、内容が全く異なるバッテリー交換プログラムのページ にいく。またか、アップルのサイトはリンク切れが多い。

ディスカッションボードを見に行って、衝撃的な事実を発見(起動音が鳴らなくなりました )。

起動音がしないのは、このメモリを認識しないのと関係があるらしい。しかも下段スロットを認識しないという症状の人がたくさんいる。ロジックボードの交換だそうだ。もちろんそうなると保証期間外だと膨大なお金がかかる。またメモリスロット修理 のページも、このディスカッションからようやくたどり着くことができた。以下のいずれかの現象が起きている場合が修理の対象だ。

• コンピュータが起動しない。短いビープ音が 3 回鳴った後(典型的な場合)、スリープ LED ランプが規則的に点滅する(スリープの状態)。
• 両方の SO-DIMM メモリスロットにメモリが装着されている場合、片方だけしか認識されない。
• 片方のスロットにあるメモリしか認識されないためにシステムパフォーマンスが低下する。

ボクの場合は、PMUのリセットをしたときに、ちょっと長いビープ音が鳴って、スリープLEDが短く数回点滅した。上記と似た様な症状だ。その下の2項目は同じ症状(もっとも3番目のは2番目のことが原因でおこる結果なので、故障状態の「現象」というのはどうかな)。

リペア対象は、2005 年 1 月から 2005 年 4 月の間に製造された特定の PowerBook G4 (15-inch 1.67/1.5 GHz) モデルのみ。ボクの愛機(PowerBookG4(FW800) 15-inch 1.25GHz)では交換してくれないようだ。もっとも、修理対象期間は購入から2年以内なので、たとえ対象であったとしても無償修理はしてくれない。

ディスカッションボードでは、同じ症状で壊れた人が多発しているのがわかる。ロジックボード交換で5〜6万円。それは、保証期間を過ぎていたとしても、単に経年による機能低下や部品の消耗による症状ではないので、明らかに欠陥があるということだろう。

以下のような書き込みがあった。記事の投稿は2005年10月11日。

PBG4、特に 15" の 1.25GHz モデルの下段 RAM スロットの問題は昨年の秋ごろから apple.com や macfixit などネットで話題になっており、すぐ発症するケースもあれば、しばらく使ってから発症するケースもある。アップルに持ち込むと保証期間内であればロジックボードの交換(パーツは 630-4721)、症状を確認するには Hardware Test で RAM slot の異常が出ることを確認すること、などの情報交換が盛んになされました。非公式ですが米アップルのサービスプロバイダの情報として、確かに問題があるようで、この修理が多いなどのコメントが上がっていたように記憶しています。

どうも傲慢なアップル社。すでに修理プログラムを公表(2006年1月)する1年以上前に1.25GHz(ボクのと同じ機種)で症状が発生してたのを認識している。どうして問題を公表するのは1.67/1.5GHzモデルだけなんだ。同じ欠陥が過去のモデルにもあることくらい公表してもいいだろう。いい加減にアメリカ流の責任回避的ユーザーサポートサービスを改善してほしいものだ。保証期間を過ぎているとはいえ、同じマシンに共通する同じ故障は、あきらかに欠陥だ。

iMacボンダイブルーのビデオ回路がピキピキと異音を発して壊れたときも、同じ症状の人がたくさんいたのがわかったが、アップルは有償修理しか対応しなったことを思い出した。アップルはそういう会社だ。

いずれにしても泣き寝入りしかないようだ。最善の対処方法は、上段スロットに1GBを差すこと。ロジックボード交換より安上がりということ。なんともあほらしいなあ。8倍速メディアに書き込めないDVDドライブの交換と1GBメモリ購入で3万円はかかる。余った512MBのメモリ2枚は、オークションでさばいて修理をちょっとでも回収するしかない。

(2007/07/07補筆)


木 - 7 月 5, 2007   11:58 午後