M1グランプリ


たまたま食事時にやっていたM1グランプリを家族と一緒に見てしまった。M1グランプリは自動車レースのF1グランプリをもじったものだろうが、Mは何の略かと子どもに訪ねたら、漫才の略だという。ではコントは出てないの? 出ていないという。ほんとうかなあ。

途中から見たので数組しか見ていないが、あまり笑える組がなかった。別に批判的に見ているわけではない。子どもたちは二人とも常時クスクス笑いながら見ている。どこがおもしろいのか分からない。

ネタに仕込みがないので笑いのツボをおさえていないように思える。瞬間芸的というか、宴会での一発芸的というか、その場だけの笑いしかない。ひいきの客は笑うかもしれないが、通りすがりの者を立ち止まらせて笑わせるような話術や笑いがない。誰かがすべってころんだのを見て笑っている感じ。

それでも、漫才しようとしているあたりはエンタの神様よりマシかな、と言ったら、家族3人から反論されてしまった。エンタのほうが面白いという。どうも笑いのセンスが古いのか、家族とも合わないようだ。

気になったのは、カメラが絶えず大笑いしている観客(いつも同じ人物なので誰か有名な女性かもしれない)を映していること。あんなに笑えるのが羨ましい。

そんななかで、あとから演じた組が高得点を獲得して順位が入れ替わっていく。そしてついに私でも笑える箇所があるコンビが現れてきた。溺れた人を助けるネタのNON STYLEと古い家のネタのオードリー。しかも、それまでのどのコンビよりも笑ったのは、敗者復活のオードリーだった。敗者復活のしくみはよく分からないが、一度敗退したコンビのハズ。それが、ここまでの誰よりも面白いというのはどういことか。

審査員の評価も高く、トップで決勝進出となった。ただし紳助の評価が低い。カスガというボケ役がパターン化しているのを嫌ったようだ(西川のりおに似ていると評していた)。それにしても、100点満点で採点する審査員たちに、84点と85点の差は何か聞きたい。10点満点で十分な気がする。

オードリーは晃志がイチ押しのコンビのようだ。つまりいろんな番組ですでに見ていてネタを知っている。なのに、笑える、ようだ。このままの勢いで決勝にのぞむと優勝するかもしれない。

さて、決勝戦。ここまで見てしまったら、どうしても気になる。

1番手のナイツは、残念ながらネタが前回のとあまり代わり映えがせず、全く笑えなかった。

2番手のNON STYLEは、怖い病院の話。怖い話としてふっても笑いで返すボケが妙に面白い。前回笑いをとったギャグをもう一度つかったのは、元ネタがそうなのかもしれないが、笑いのツボをおさえている。

3番手のオードリは選挙演説のネタで勝負してきたが、話の展開とほぼ無関係にカスガのキャラで笑いを誘おうとした。しかし演説の内容もあまり面白くなく、カスガが笑いを引き込むまでに時間がかかった。これは有名になってパターン化すると受けるかもしれないが、まだそこまでの実力はない。おそらく紳助が嫌ったパタンをさらに助長させてしまった。それでもナイツより笑った。

どうもオードリーは、ネタの選び方を間違えたのかもしれない。先のネタを決勝で演じると優勝間違いなかったろう。しかし決勝に持ち込んだネタを先に演じたら、決勝には進めなかったかも知れない。敗者復活で決勝に残るためには、ここ一発のネタを持ってこないといけない。むずかしい。ここまでくると、演じるネタの順番も非常に重要だということだろう。




日 - 12 月 21, 2008   11:51 午後