紅白歌合戦


鶴瓶の司会がよかった。コブクロの蕾の紹介で、私事でありながら母親を会場に呼んだことを明かし、思わず声が詰まった。そして涙目で、小渕の母親が亡くなったときの曲だと紹介した。そのあとの、素朴な司会がよかった。淀みなく言葉がでてくるいつもの鶴瓶ではなかったけど、真摯さが伝わってきた。

ずっと見ていたわけではなかった。前半はほとんど見ていない。仕事部屋でパソコンの修理(ノートパソコンの壊れた液晶を外す作業)をしながら、リビングの音を聞いていた。米米CLUBだけは映像を見た。だから、じっくり見たわけではないが、昨年の紅白歌合戦は、よかった。

鶴瓶の司会は、いつものつるべとちがって、ノリが悪い。上がっているのかとおもったが、カミさんがいうには、変なこと言わないように舞台下から指示がでて止められている様子だという。どうも噛み合ないような雰囲気。たどたどしい司会。

ところが後半になって、相変わらず豪華な小林幸子の衣装装置を唖然と見つめる鶴瓶。仕事を忘れて素人に戻っているように思えた。その後にGacktを紹介するたどたどしさ。

しかし、コブクロ以降、いつもは聞けない鶴瓶のひとりごとのような発言がつづいて、鶴瓶の人柄をみたようにおもった。


いやあ、それにしてもGacktの演出は凄かった。戦国武将スタイルでの演奏なんて、なかなか見れない。倖田來未あたりからは歌唱力で勝負か。美空ひばりの映像以降は、大人向けの演出。天童よしみは、やっぱり歌が上手い。

そして、コブクロの「蕾」は、鶴瓶の涙に誘われて泣いてしまった。
YouTubeに動画がありました 080105追記)

もともと、この曲の歌詞は、きいていてつらい。さだまさしの「秋桜」を思い出す。いずれも、おだやかな陽だまりの中に母の姿を見るから。

それからはもう、涙の連続。ドリカムに至っては吉田美和が歌っている姿を見ているだけて止めどなく涙が出てきた。

それに、石川ひとみの「津軽海峡・冬景色」。貫禄のある歌いっぷりに感動。妙に心に響いた。これが昭和の懐メロという領域にあることを思うと、初老の域にあることを痛感した。

紅白歌合戦でこんなに泣くとは思わなかった(以前、坂本九の映像が流れたときは泣いた)。

よかったんじゃないか、紅白歌合戦。


火 - 1 月 1, 2008   03:25 午前