iLife '08的DVD作成方法


iLife '08は便利になったのか、使いにくくなったのかよく分からない。.MacはMobileMeになって、iPhoneサービスに重点が移行してしまった。Macもデジタルハブとしての位置づけから、PodcastやYouTubeのコンテンツ作成に重点があるようだ。

本格的に高画質なDVDを作りたい人は、編集にはFinal Cut Espressを使うべきというのがAppleの姿勢だろう。iLifeはあくまでも初心者向けツールという位置づけで、できるだけ簡単に操作できることを狙っている。以下は今回の作業で得た教訓。

iLifeをつかったDVD作成のワークフローと注意点

(1)ビデオ素材を取り込む
iMovieでMacのイベントライブラリ(=従来のクリップボード)に登録する。登録したイベント(ビデオ素材)は、いつでも利用可能。つまり、ビデオ素材の一元管理ができるようになった。

(2)ビデオ素材を編集する
iMovieで新規プロジェクトを作成して、イベントライブラリーからドラッグする。既存のイベントも使えるので素材の使い回しが楽になった。

イベントライブラリは、従来のタイムライン表示とクリップ表示が一体化され、ポインタの移動に合わせて画像が瞬時に動く。目で見て直感的に編集ポイントを探すのが楽になった。ただし数値による細かい編集ポイント指定ができない。

音声トラックの編集ができない。全体としての音量とクリップの開始終了時のフェードインフェードアウトくらい。

(3)ビデオ素材を加工する(タイトル)
タイトルインサートではフォントパネルに対応し、文字のサイズを指定できるようになった。インサートする場所は固定されたまま。もう少し自由度がほしい。

静止画がタイトルインサートと同様に扱える(背景が透明のpng)。

タイトルは1クリップにつき2カ所しか挿入できない。クリップの長さに応じてタイトルの表示時間が決定されるので、長いクリップだとあとから短くするのが大変。タイトル挿入前か挿入後に、クリップを適当な長さに分割して他のタイトルが挿入できるようにする。

(4)ビデオの加工(トランジション)
トランジションの種類が減ったが、これで十分。基本はクロスディゾルブ、フェードイン・フェードアウト。あとはあまり使わない。

(5)チャプターはGaragebandで追加
iMovie '08からチャプターマーカーを追加する機能がなくなったので、Garegebandでマーカーを追加する。そのためには、まずメディアブラウザに書き出す必要がある。

(6)ビデオを共有する(メディアブラウザ)
全ての編集を終了したらメディアブラウザに書き出す。再度編集しなおすと、また書き出し直す必要がある。時間がかかるので、焦らず慎重に再確認するのが無難。DVD作成が目的なのでサイズは一番大きなのを選択。

(7)チャプターマーカーを追加する
Garagebandでメディアブラウザにあるムービーをトラックに取り込む。このとき「変換中…」と表示されて取り込むのに時間がかかる。いったいどんなフォーマットに変換しているのだろう。そのあとさらにサムネールを作成する。iMovieのプロジェクトライブラリのデータを使い回しすればいいのに。

映像トラックは、ムービートラックかPodcastトラックかどちらか1つだけ許されている。複数は取り込めないし、ムービートラックのあとに別のムービーを追加することもできない。

おなじみタイムライン表示されるので、編集ポイントを探してチャプターマーカーを追加。追加したマーカーの変更は、数値入力で行なう。チャプター名はそのままiDVDに反映される。

音声も編集可能。BGMの追加もできる。

共有メニューには、メディアブラウザへの書き出しがない。「iTunesにムービーを送信」「iDVDにムービーを送信」「ムービーをディスクに書き出し…」くらいしかムービーファイルとして保存できない。とりあえず「ムービーをディスクに書き出し…」の「最高画質」にするとオリジナルのファイルと同じフォーマットに、チャプターをつけて保存できる。

またファイルの数が増える。

(8)DVDのメニュー画面をつくる
チャプターをいれたムービーはGaragebandの「共有」メニューから「iDVDにムービーを送信する」で引き渡す。そのままチャプターインデックスメニューつきのタイトルメユーを作ってくれる(従来のiMovieHDからiDVDに引き渡すときと同じ)。

先にiDVDを起動してから、タイトルメニューにムービーファイルを直接ドラッグしてもよい。

(9)DVDをファイルで保存
ディスクを作成と、ディスクイメージ作成と、VIDEO_TSフォルダ作成の3種類があるが、Toastがあれば、VIDEO_TSフォルダ形式で保存が安全。ディスク書き込みに失敗すると長時間かけたレンダリング作用のほとんどがムダになる。とにかく、保存には、やたら時間がかかるので、iMovie以上に慎重に最終確認すること。

iMovieの大サイズムービーを3つ(合計2時間半)を「処理能力を優先」でレンダリングさせると、残り時間4時間55分と表示された。
(Mac mini/1.66GHz Intel Core Duo/1GBメモリ)

以上、iLife的DVD作成の手順を概観してみたが、iMovieからメディアブラウザへの出力とiDVDでの最終行程は、いずれもマシンパワーを要求される。最新のマシン環境でないとつらい。

メディアブラウザの位置づけと利用方法が中途半端。データ管理はメディアブラウザに依存しないほうがいいかもしれない。DVD作成用の素材はQuickTimeを使用して書き出したほうが効率的かもしれない。


火 - 9 月 16, 2008   11:21 午前