U.腎臓について
 1.腎臓のはたらき

   (1)ろ過作用・・・・・・血液中の老廃物をろ過し、血液を浄化する。
                取り除いた老廃物は、尿中に排出され体外へ。
   (2)ホルモン分泌・・・血圧を調整するホルモン、赤血球を増やすホルモンなどを分泌。
                またビタミンDを活性化させ、カルシウム吸収を助ける。
   (3)身体の水分量や電解質を調整。

 2.腎臓のしくみ

   (1)位置・・・・・腰よりやや上の背中側に左右ひとつずつ。
   (2)大きさ・・・・そら豆のような形で大人の握りこぶし大。
   (3)血液量・・・1分間に約1リットル流れ込み、ろ過され続けている。

    腎臓が我慢強いが傷つきやすい!
        危険信号を早めにつかまえよう!
           →『尿』=腎臓のいろんな情報を伝えてくれるもの!!

健康な尿 赤褐色・茶褐色 白濁 黄褐色で泡立つ
○淡黄色からビール色
○透明感がある
○濁りなし
○赤血球など血液成分が
 たくさん混ざった「血尿」
 状態
○泌尿器系のどこかで出血
 しているサイン
○白血球がたくさん混ざった
 「膿尿」状態
○腎臓や膀胱が細菌に感染
 しているサイン
○たんぱくが多く存在
 すると泡立ちがなかなか
 消えない
○泡に色が付いていると
 腎臓や胆道などの病気の
 可能性あり

 3.代表的な腎臓病

(1)腎炎
  1)急性腎炎(全体の1〜2%) 突然、尿に血液が混じり、赤茶色の尿が出る。
尿量が減少し、手足や顔にむくみ出現。
血圧上昇。たんぱく尿が検出される。
   → ほとんど3ヶ月以内に治る。
  2)慢性腎炎(全体の95%) ほとんどが無症状。
気づかないうちに症状が進行。
   → 放置すると腎不全に至る。
  3)糸球体腎炎(急性・慢性)
    子供の治癒率 90%以上
    大人の治癒率 50%
     →発症から1年以上経て
      慢性腎炎になることも
上気道炎(風邪)を起こした菌に対する免疫反応で
糸球体に炎症が起こり発症。
  (動脈が毛細血管を作っているもので、
    正常の腎臓1個には100万個あると言われている)
  4)急性進行性腎炎 血尿やたんぱく尿が出てから数週間で腎機能が著しく低下し、
腎不全に至る。
中高年に増加している。
  5)IgA腎症 日本人に多くみられ、慢性糸球体腎炎のうち約40%をしめる。
  6)腎盂腎炎(急性・慢性) 腎盂や腎杯の細菌感染が腎臓全体に広がった状態。
膀胱炎を起こした細菌が逆流して腎臓に運ばれ発症。
  7)ループス腎症 膠原病の一種である全身性エリテマトーデスという病気によって
起こる。
(2)糖尿病性腎症 糖尿病が進行して起こる続発性の腎症。
最近、透析を始めた人の約40%が糖尿病性腎症。
(3)腎硬化症 高血圧による動脈硬化が原因で起こる続発性腎症
(4)痛風腎 痛風による続発性腎症
(5)腎不全 腎不全は病名ではなく、何らかの原因で腎臓が機能しなくなった
状態のこと。
放置すると人工透析することに。
(6)ネフローゼ症候群 腎臓病の経過中にみられる症状。
糸球体が障害されて起こる場合(一次性)と
糖尿病や膠原病などが原因で起こる場合(二次性)がある。

 4.検査方法

   (1)尿試験紙による尿糖・尿たんぱく検査
   (2)尿沈さ
   (3)血液検査

 5.予防法

   塩分を控える。
   脱水にならないようにする・・・老廃物を流し出すため。
                    脱水になると老廃物を流し出せず、腎臓に老廃物が残ってしまう。


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