生活習慣病セミナー4  (まとめ)

第8回 「肝臓病・腎臓病」

T.肝臓について
 1.肝臓のはたらき

   (1)代謝・・・・・・体内に入った物質を身体に役立つ形に変える。
              それを各臓器に送ったり、肝臓に貯蔵したりする。
   (2)解毒・・・・・・体内に入った有害物質を処理し、除去する。
                       →「口から入ってきたもの=有害物質」としてとらえる。(薬・サプリメントなども含む)
   (3)生体防御・・・肝臓内の数種類の細胞が互いに協力しあい、
      (免疫)       1)細菌(主に門脈を介して侵入)やその他の異物の処理をする。
                 2)他の免疫を担当する細胞(リンパ球など)に信号を出して全身の反応の調節をする。

 2.肝臓のしくみ − 人体でもっとも大きな臓器

      (1)位置
    主に右肋骨に肝臓は守られている。

(2)重さ
    体重の1/50くらい。(体重50kgの人なら約1kg)
       フォアグラ(ガチョウの肝臓)は、体重の1/5
          にも及ぶ!

(3)血管
    1)冠動脈・・・心臓から肝臓へ流れ込む。
    2)門脈・・・・・消化管(大腸・小腸)で吸収された栄養分
             を、たっぷり含んだ血液を運ぶ。

(4)血液量
    1分間に1.5リットル。
    1日約2160リットル≒ワインボトル2880本分

肝臓は細胞の大部分は壊れてしまうまで自覚症状が現れない.。
   = 「沈黙の臓器
        気づいたときには手遅れになることも・・・。
        症状に気づく前に肝臓をいたわりましょう

3.脂肪肝について

   (1)脂肪肝とは?
      肝細胞の30%以上に中性脂肪(TG=トリグリセライド)が過剰にたまった状態。
      BMI指数(※1)が25以上の人やリンゴ型肥満の人は要注意! → 脂肪肝の人が多いと言われています。

        (※1)BMI=体重(kg)÷身長(m)×身長(m)
              175cm、70kgの人の場合・・・70(kg)÷1.75(m)×1.75(m)≒23

   (2)脂肪肝になるまで。脂肪肝になってから。

口から必要以上のものが
入ってくる
   1)脂肪肝の原因
  @食べ過ぎ
  Aアルコールの飲み過ぎ
  B肥満
  C糖尿病
  D運動不足
  E薬剤の投与      など

2)脂肪肝の自覚症状
       (無症状がほとんど)
  @腹部膨満感
  A食欲不振、嘔気
  B便秘
  C疲労感
  D右上腹部痛      など

3)脂肪肝の予防と改善
  @食生活
     糖質・脂肪の摂取を控える
  A運動
     緩やかな有酸素運動を毎日続ける
   ↓   
肝臓の仕事量が増える   
   ↓   
身体の各組織に必要以上の
栄養が運ばれる
  
   ↓   
肝臓に余った栄養分が
貯えられる
   ↓
脂肪肝(フォアグラ状態)
   ↓(放置していると)
肝硬変  アルコール性肝障害
ウイルス性肝炎
   ↓
肝臓がん

      便秘は肝臓病の大敵!!

便秘が続くと便の
発酵作用で大腸内に
アンモニアガスなど
有害物質が発生
有害物質が
腸壁から吸収
されて血液から
肝臓へ送られる
肝機能が低下
していると有害物質は
解毒できずそのまま
心臓へ
有害物質が
脳へ運ばれ、
軽い中毒症状
が現れる
(イライラ・ぼんやり)
重症化すると
「肝性脳症」へ
(昏睡状態)

   (3)肝機能検査
       血液検査、腹部エコー(超音波)、腹部CT、腹部MRI、腹部血管造影検査、肝生検 など


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