眼圧計について

当院では眼圧の測定に
ゴールドマン アプラネーション トノメーター
を使用しています。
医師が点眼麻酔をして測定チップを角膜表面に接触させて測定します。

一番正確な、基準となる眼圧計です。
眼球に接触しますので医師でないと扱えません。
測定チップが怖くて測りにくい人があります。
医師の技術力の差で測定値が変わることがあるのが難点です。

当院ではその他に
コーワ 手持ちアプラネーショントノメーター
アイケア トノメーター ic100
を、状況によって使い分けています。
もちろん、院長のみが測定します。

一方
ノンコン(ノンコンタクト トノメーター)(非接触眼圧計)(空気式)が
多くの眼科で採用されていますが
医師でなくても測定でき、測定者による差がありません。
それでいて、精密眼圧測定としてアプラネーションと料金は同じ。
ところが残念ながら
肝心の測定値自体が正確ではありません。
実際より高く出ることが多いのですが、低く出ることもあり、
緑内障診療には使えたものではありません。

日本眼科学会の「緑内障診療ガイドライン」の一部を引用しますと

Goldmann圧平眼圧計
は、臨床的に最も精度が高く、
緑内障診療において
標準的に使用されるべき眼圧計である。
Goldmann圧平眼圧計では、Schiotz眼圧計に代表される圧入眼圧計とは異なり、
測定値が眼球壁硬性の影響を受けにくいという利点がある。
(中略)
非接触型眼圧計は測定手技が簡単であるが、
スクリーニング目的に限定して使用されるべきである。
測定値には角膜の物理学的特性の影響があることが知られ、
例えば、角膜が薄いと眼圧が低く、
角膜が厚いと眼圧は高く測定されることが知られている。

具体的にどう運用するかといえば
当院ブログにも書いた内容ですが、
眼科を初診したすべての患者さんの眼圧を、ノンコンで測定することは問題ありません。
その中で、測定値が高めの人は医師がゴールドマンで測りなおします。
年齢を問わず、緑内障やぶどう膜炎など眼圧の経過を見ていかなければならない人の眼圧は、
特別な事情が無い限り、再診以降ずっとゴールドマンで測定していく必要があります。
若い人で眼圧にかかわる病気を持たない人は、
初診日にノンコンで測定するのみで、それ以降の眼圧測定は必要ありません。
年配の方でも眼圧にかかわる病気を持たない人には、
再診以降もノンコンで測定を続けてもかまわないと思います。

眼圧が重要な病気の場合、眼圧が重要な病気を疑う場合は、
ノンコンだけでの経過観察は、普通は在り得ないのです。

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