前門の虎、後門の狼 事故情報データバンクシステムより

                    (20130423)




 事故情報データバンクシステムに次のような事故情報があった。

  商品などの名称: ガス燃料電池システム 電気温水器 ID:0000170941 
事故概要: 隣家の電気給湯器のために低周波公害患者になりようやく外してもらったのに、反対隣
      の家がガス燃料電池システム設置準備中で心配   (登録年月日: 2013年4月13日)

 2012年11月、エコキュート(電気給湯器)は消費者庁の消費者安全調査委員会の調査対象となり、現在も調査等が行われている。省エネ、創エネタイプのエコ給湯器には、エコキュートをはじめとして、エネファーム・エコウィルがあるが、それぞれ長時間連続稼働により隣人は低周波音暴露を受け、健康被害を生じているという事故情報が寄せられている。そのため、エコキュートのみならず、エネファーム・エコウィル等、エコ給湯器を事故調調査対象とすることが望まれる。

 エコキュートは2001年からの販売で、十数年の年月を経て漸くその被害が世間に周知されようとしているが、エネファーム(2009年販売開始)やエコウィル(2003年販売開始)に関してはまだ表面化するには至らず、エコキュート以上の偏見や無理解の中、被害者は耐え難い生活を余儀なくされている。脱原発からガスへ世間の意識が高まるとともに、あるいは「エコキュートが何か物騒」という気配からか、エネファームやエコウィルへの志向が高まっているようだが、上記被害者にとっては本当に一難去ってまた一難である。
 上記被害者は、長時間かけて隣家にエコキュート撤去をお願いし、ようやく隣家の理解をとりつけ、ほっとしたのも束の間、また近隣にエネファームが設置されようとしている。エネファームはエコキュートよりも数倍価格も高く、撤去などお願いしても隣家に却下されるのは目に見えている。また、エネファームは24時間連続運転となり、稼働時間もエコキュートの数倍の長さで、被害症状も更に強くなるだろう。

 元首相の管直人氏であるが、エネファームや太陽光発電を新築の自邸に導入し、エコカンハウス報告として自邸の光熱費や売電量をブログで発信しているが、これは、エネファームを取得した人々の共通の関心事のようである。ブログを開設し、エネファームと併設した太陽光発電で一日の売電がいくらになるのかを公開し、自分の利益に直結する天気に一喜一憂する人々もいる。ブログとまではいかなくとも、高価な機器を購入し、どれほど「お得」なのか、心躍って記録をつけている人も多いだろう。損得勘定を、地球環境にやさしいエコな生活を送っているというオブラートに包み、自己満足に陥っているのかもしれない。ゆえに、彼らの多くは隣人が被害を訴えても、その辛さを理解するどころか、「自慢の機器にケチをつけられた」「妬みだ。嫌がらせだ。クレーマーだ」と隣人を謗る傾向がある。
 隣人に苦痛を強いながら、「それは受忍限度内である。生活騒音はお互い様」と自分の尺度で強弁する一部のエネファームの所有者達。
この国に未来はあるのか。自己中をエコの仮面で隠した国民を作り出し、この国は一体どこへ進むのだろう。