滝沢村と神戸市        20120920 
                          
                       

滝沢村は岩手県盛岡市に隣接する村で、近年、盛岡市のベッドタウンとして人口が増加し、日本で最も人口の多い村となった(人口 54,598人 2012年8月末)。
 人口の増加と、経済最優先の社会への移行で、ゴミ問題、河川の汚濁、排ガスや騒音、景観の悪化等、環境破壊が急激に進み、その危機感から、村は村の生活を根本的に見直し、環境問題に対処するよう、20023月、滝澤村環境条例を制定した。そして、その条例では、予防原則にたち、低周波音・電磁波による被害を未然に防ぐよう努めると述べている。国も多くの自治体も、低周波音・電磁波による被害に関心が薄く、被害者の人権を無視しているに等しい状態の中で、この滝澤村の取り組みは注目に値する。2000年に住民の低周波音に関する苦情があり、役場が対応したが、おそらくこれが契機となったのであろう。

当方は、エネファームによる被害で、自宅を追われ、賃貸住宅での生活を余儀なくされているが、神戸市環境局は民民問題不介入の一言で、当方の窮状には目を向けようとはしない。神戸市は市民の皮相的な「娯楽」や「文化」に力をいれているが、安心して住める環境をつくれば、おのずと文化や学術は興隆するものであると思われる。当方は隣家の暴力的な屋外機器設置により、健康で安全な生活を送る権利を侵害され、住み慣れた愛着のある家を離れ、危機的な経済状況にありながら、行政には見放されている。当方の納める市県民税が一部の人の享楽や太陽光発電、エネファーム設置特別融資につぎ込まれるのは不快であり、いっそのこと滝沢村に移住をしようかと真剣に考える。

 

 滝澤村環境基本条例(20023月に制定、4月に施行)

前文で

 「電磁波や低周波といった新しく人体におよぼす影響について国際的に検討されている分野も生 じてきており、今に生きる私たちだけでなく後世の人々にも悪い影響を与えることが心配される。 」と述べられている。
11条では

 基本施策18項目の一つとして、電磁波や低周波による影響などの調査研究をあげている

この条例に基づき、策定された「滝澤村環境基本計画」では
 「予防原則に立ち,電磁波,低周波による被害を未然に防ぐように努める。」という基本姿勢を表
 し、以下の取り組みをするとしている。
  電磁波,低周波に関する情報を収集,公表し,住民に対する啓蒙。
   (近隣騒音の原因となっているエアコン、ボイラー等の管理の徹底を利用者に促す)
   村内の電磁波、低周波被害情報の収集
  ・携帯電話やPHSの中継タワーの設置状況および新設の情報把握に努め,結果を公表。
  ・電磁波,低周波を発生させる設備,機器を取扱う事業者に対し,その発生状況,強度,お
   よぶ範囲などの情報開示を求める。(電磁波、低周波の発生を抑えた製品の開発や設備、
   施設の改善。)
  事業者が設備,機器を新設、増設する際、事前協議制度の確立。(役場に相談窓口を開設
   し、近隣住民からの苦情には誠意を持って対処)
 


                  参考 
滝沢村環境基本条例
                    9 電磁波、低周波による被害の未然防止

 予防原則からすると、「疑いがあれば回避」は当然のことであるが、国も多くの自治体も無関心の中、電磁波や低周波にまで対象とする滝澤村の環境保護の熱意は素晴らしいと思う。少数ながら各地に被害者がいるが、医学的に因果関係が認められないという理由で(それはただ相応しい調査が行なわれていないだけであるが)、被害は認められず、放置状態にある。病気は早期発見、早期治療が原則であるが、社会の病巣も同じではないか。各地に点在する被害者を切り捨て、どれほどの犠牲者を出せば、この被害は注目されるのだろう。

 当方の住む神戸市の対応については以下のとおりである。丁寧な言葉であるが、門前払いである。 
 「神戸市では、隣人間の家庭生活にかかる問題については、隣人間で解決を図っていただくことが原則であると考えています。」
 「再度、環境保全指導課にも確認いたしましたが、あいにく、対応させて頂く事ができないといった回答でした。 お調べいたしましたが、神戸市として対応させて頂ける所管課も他にはございませんでした。」
 2008年10月から、神戸市須磨区住民がブログ「お隣迷惑日記」で、隣家の発する騒音を記録し、公開しているが、もうすぐ4年になるというのに事態は何も変わらない。70-90Bの故意による騒音に苦しむ日々から逃れるためには、自ら転居するしかない。低周波音と違って、だれの耳にも届く騒音であるが、長年にわたり、警察も行政も民民不介入で無為無策。大阪市鶴見区のゴミ屋敷問題と共通するものがある。
 神戸市は文化創成都市宣言、ファッション都市宣言を高らかに行ないながら、市民の基本的な安らぎの場を整えることを放置しているのは忌々しい事態だと思う。