ガス会社　「施主様のご理解・ご協力を賜り1年以上再三に渡り機器の消音対策・騒音対策を行ってきました。弊社として現段階まで、可能な限りすべての騒音対策を実施いたしました。」

住宅施工会社　「施主・メーカー共、１年以上それぞれ手を尽くしてやってきました。塀の設置で効果が出なかった場合、再度苦情を言われても今後もう面倒はみきれません。」

 
　しかし、エネファームによる健康被害は、騒音ではなく低周波音によっておこっていますから、業者の対策は不誠実このうえなく、被害者を欺く行為です。すなわち、二重サッシや防音壁は騒音には有効ですが、低周波音には無効どころか、一層被害状況は悪化します。というのは、騒音には低周波音のマスク効果があり、騒音対策により、騒音がカットされれば、低周波音が一層鮮明になるからです。低周波音は普通の防音壁程度では防げず、封じ込めるのは非常に困難で、防音壁が低周波音の共鳴箱を形成してしまうこともありますが、このような、基本的な低周波音の特性を、ガス会社も大手住宅施工会社も決して知らないはずはないでしょうが、各地でこのような不適切な対応をしています。

自治体でも、なかなか低周波音測定に対応してくれるところは少ないのですが、低周波音を測定し、検出したとしても、行政は馬鹿の一つ憶えのように、“参照値以下だから問題なし”といいますが、実は、それは行政や業界の勝手な言い分です。参照値の誤用が目に余るということで、「低周波音問題対応の手引書における参照値の取り扱いについて」という事務連絡が平成20年4月17日環境省より各自治体宛てに下達されており、それには、"参照値以下でも、低周波を許容できないレベルである可能性が10％程度ではあるが残されているので、個人差があることを考慮し判断することがきわめて重要である"と記されています。ですから、参照値以下であるからといって、苦情を無視することはできません。“参照値以下だから問題なし”は根拠の無い逃げ口上です。

低周波音測定をガス会社等が申し出た場合も注意が要ります。そのような場面に立ち会ったことがありますが、測定者は低周波測定機器を初めて触るそうで、直前に測定の練習をしてきたと言っていました。室内で測定機器を設置する時も、広い座卓の中ほどにそのまま測定器を無造作に置き、定在波の節を避けるような注意を払っているようには見えませんでした。
　又、被害者や第三者が参加しない業者のみの管理下で行われる測定には意味が無いと考えた方が良いでしょう。業者に都合の良い測定方法・条件下で測定される可能性が高いからです。ひょっとすると業者はデータを改竄するかもしれません。業者主導の測定は断りましょう。日本の名だたるメーカーですが、計測データを開示してもらった所、稼働時も停止時もほぼ同じものを提示し、それで、低周波音はないと説明していました。一社や二社ではありません。

隣家に影響を与えないように、家屋と家屋の狭い空間ではなく、エネファームが道路側に設置されていれば、隣家の被害を未然に防ぐことは可能だったでしょう。しかし、いったん低周波音被害を受け、低周波音に敏感になってしまえば、エネファームが隣家敷地内の何処に在っても、もう低周波音からは逃れられません。被害者宅から隣家の一番離れた所にあるエネファームで被害が出た例もあります。ですから、機器の移設は効果が無く、撤去しか解決法はありません。それほどエネファームは厄介な機器です。

まず、低周波音について知識を得るために、次のサイトをお読みください。

そして、業者による音源工作を受けていない状態でデータを採取し、その後で隣家や業者に苦情を伝え、無駄な対策を断ってください。  そして、対策をすると業者がいうのなら、その前後で
データを取るよう依頼してください。
　 　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 2012.01.13