ある風車被害者の独白7

風力発電の被害者の声を聞く会
                          2012年11月22日 (木)


 

11月18日、和歌山市で「風力発電の被害者の声を聞く会」が開かれました。私たち被害者の声に耳を傾け、被害に関心を持って頂けたことを深く感謝します。地区内でもこの苦しみを理解されず、役場でも「あんた一人」「病は気から」とむげに扱われてきました。風車被害から不眠と体調不良に陥り、風車が存在する限り、自宅での平穏な生活はありません。そして、その平穏な生活を取り戻したいと町役場に苦情を言っても、測定は風車による健康被害は無いといわれるのです。
 会合では私も被害体験を話して、大勢の方に聞いてもらいました。また、同じ被害で苦しむ方々の思いも聞かせてもらいました。老境に差し掛かった一人暮らしの私は、孤独の中、一人で苦しみに堪えるしかありませんでした。一方、若い世代のBさんは、体調不良から日常生活にも支障が出るようになり、周囲だけではなく、家族にさえ理解してもらえず、家庭崩壊の憂き目に遭っておられます。風車のために一家が離散したBさんもBさんご家族もお気の毒で、かわいそうでなりません。また、私は家を離れるにも離れられない状況ですが、Cさんは借金して家を建て転居されました。住み慣れた家がありながら、風車のために家を追われるという理不尽極まりない状況で、そうせざるをえなかった悲哀を感じます。三人三様、人生のそれぞれのステージで被害に遭い、その世代ならではの苦悩があります。

 なぜ、私たちの家が地獄となり、体調不良に苦しむのでしょう。なぜ、苦しみを事業者に訴えても、理解してくれないのでしょう。なぜ、町役場は、私たち町民の声を聞かずに、日本気象協会の「健康には問題なし」などという報告を信じるのでしょう。少数の町民に苦痛を背負わせて、固定資産税の増収を喜ぶような、町役場はそんな人非人の集まりなのでしょうか。私達の人権はどうなっているのですか。ずっと以前、和歌山に原発が誘致されようとしたとき、電力会社が某町役場に巨額の献金(裏金)を渡したという噂があります。まさか、風力発電も事業者と役場が癒着しているということは無いでしょうか。

 風車が我が町に出現して4年。3年間耐えに耐えて、漸く1年前、被害を初めて口にしたころ、周囲は冷ややかでした。「あんた一人」と役場に言われ、風車の前で死のうと何度思ったことか。体調不良と孤独の中、各地の風車被害の方々から励まされ、闘う気力を得ましたが、事はうまくいかず、「地獄の中の仏」と思った方には見捨てられ、絶望して胃潰瘍にもなりました。村八分のように、顔を合わせても挨拶もなく、私から目を背ける人もいました。しかし、紆余曲折の日々を経て、徐々に理解者も増え、由良町畑地区で今年5月には「風車の被害を考える会」を立ち上げることもできました。そして、由良町だけではなく、広域の「風力発電の被害を考える会 わかやま」が結成され、大きな前進となりました。嬉しいことです。私たちの被害が、多くの人の耳に届き、私たちのような被害に遭う者をなくし、片隅に追いやられた被害者の救済を求めたいと思います。


 汐見文隆先生ありがとうございます。先生のご研究と後押しがあって、この日を迎えることができました。先生のお姿は神々しく、いつまでもお元気でいてくださいと、手を合わせています。

http://www.asahi.com/news/intro/OSK201211180101.html?id1=2&id2=cabcbbbj
 
 
  
写真は
風力発電の被害を考える会 わかやま
から