ある風車被害者の独白16

由良町の未来

                   2014年5月17日

 2040年人口推計発表、由良町が若年女性減少率(管内)トップ(紀州新聞)

 先日の新聞記事によると、由良町では、20-39歳の女性の人口が2040年、2010年の人口から73.6%も減少するそうです。出産可能な女性が70%以上減れば、ますます過疎に拍車がかかり、人口減少まっしぐら。

 町長は記事でこう言っています。
 「町としては、住んでいる人に幸福を感じてもらえるよう、生まれた土地で安全・安心に一生を送ることができるよう、今まで以上に様々な施策を行っていくべきと考える」
 

 風車が出来て、それ以来、私は「幸福」とは程遠い毎日です。この家に嫁いで50年ほどになりますが、「安全・安心」には暮らせてはいません。それどころか、毎日、地獄の苦しみです。
 風車の低周波音と振動が苦痛極まりなく、周辺を徘徊してみたり、車で隣町のスーパーの駐車場に行って、そこで眠ったり・・・。家を捨てたい、逃げたいと思いながらも、出ていく当てもなく、この地に留まっているのです。先祖代々の田畑も売れるものなら売って逃げたい。
 こんな苦しみを、「苦情はアンタだけ。被害などない。文句をいうのなら、裁判しろ」と町長も、町会議員も公然と言い放ちます。また、風車推進派は「低周波治療器っていうのがあるんだから、風車の低周波も体によいはず」ととんでもないことを言います。

 今でも、過疎の由良町畑地区は高齢者ばかり。この高齢者が死ねば、だれも風車の文句は言わなくなり、人の消え去った廃屋に風車の低周波音が不気味に響き渡ることになるでしょう。

 風車の被害者も町の住民です。被害者を犠牲にして得た収益で、町を豊かになんて悲しすぎます。「幸福」など要りません。みんなが安心して一生が送れるようにしてください。遠方に就職した子供たちが帰ってきて、余生を過ごしたくなる故郷であってほしいと思います。

 
 
        
 写真はSTさんが提供して下さいました。住宅は記事とは関係ありません。