第41回活動(第2期第4回ボランティア講座)




1 日時 平成19年7月20日(土)
2 場所 立町の町屋
3 参加者 10名
4 講師 大西棟梁、南氏(左官)、小西氏(左官)、才本氏
5 内容 ○講義: 道具の使い方、外壁の修復方法

○実習:座敷下屋部分の移動した壁の木組みの貫のくさび打ちと、竹木舞づくり
  今日はボランティア講座の4回目でした。新しく2名の参加がありました。みなさんとても熱心に受講され、熱気が感じられました。
  
  最初に、大西棟梁から道具の基本的な使い方についての講義がありました。今回は手道具だけでした。特に普段目にすることができないちょうなの実演はとても興味深かったです。ちょうなは過去の道具と思ってましたが、今でも実際に丸太梁等の加工に使用されているそうです。
 それから、簡単にですが、左官の南氏の講義がありました。

 実習では、まず、座敷下屋部分の移動した壁の木組みの貫を安定させるため、くさびをマルノコで作ってから実際に打ち込みました。
 そして、午後からは、壁を移動する解体の時にはずして置いてあった竹木舞を取り付ける作業をしました。
 みなさん、本当に熱心にしていただいたおかげで、全部を取り付けることができました。
5 講義のポイント(道具の使い方) (ちょうな)
○ちょうなはちょんなともいい、]昔のカンナのように思われているが、現在でも丸太梁の背を加工する時に使っている。
○ちょうなは刃がするどく研がれていないと役に立たない。
○のみやカンナは片面研ぎであるが、ちょうなは両面研ぎとする。これは、材を削るとき食い込みす  ぎないようにするためである。
○両手を添えて持ち同じ調子で少しずつ削っていく。

(げんのう)
○げんのうは片面は平ら、片面は真ん中がふくれている。
○平らの方の面で釘を打ち、ふくれている方ではノミを打つ。
○ノミは金の部分でなくて木の部分を叩く必要があるためだ。
○ふくらんだ方でくぎを打つと釘が曲がる。
○げんのうの柄はグミの木が一番よい。柔らかくて弾力があるからだ。樫みたいに堅い木だと毎日使っていると疲れるがグミではそういうことはない。

(ノミ)
○ノミの柄は樫のようにかたい木でないといけない。
○ノミを研ぐのは片面だけ(表)だけを研ぐ。研げてきて裏に返りが出たら研げている証拠なので、裏を数回研いで返しを消して完成となる。
○ノミは腹が命である。置くときには腹を下に向けて置いてはいけない。湿気で錆びる。
○刃がなくなったら、鉄板に金剛砂をまいて腹を磨いて刃を作り出す。
○刃を研ぐのはなかなかできないが、まっすぐ研ぐのが基本。たいがいの素人は往復運動が円を書いたりしてる。
○しかし、まっすぐ研ぐためには、まず砥石がまっすぐでないといけない。砥石と砥石で平らになるように研いでおかなければならない。
○使い終わったら油を差して新聞や鹿皮に包んでしまっておく。

(カンナ)
○カンナは刃ではなくて、台が命。
○台がまっすぐかを見るには、台を裏返して、まっすぐの木を台の上に二本置いて、通りを見ることにより行う
○かんなの台は刃の後ろの部分と一番末端の部分がまっすぐにするように調整しなければならない。このために、台直しの小さいカンナもある。
○かんなは両手を添えて使う。
○かんなの刃は先だけが問題。素人には替え刃式がよい。
○二枚刃は主刃が髪の毛一本分出ているように調整する
○あらしこ、ちゅうしこ、電気カンナを使い分けて、最後に仕上げかんなをかける。
○刃の調整は、必ず台の上端を叩く。
○かんなの台は狂うので、調整が必要。替え刃であれば、台の調整だけでだいじょうぶ。

6 講義(外壁) ○既存の壁を強化するため樹脂をスプレーで吹き付ける
○中塗り土の上にハイナカを塗って仕上げるのがこのあたりの伝統。
 ハイナカは土と石灰が五分五分が多い。
 しっくいでなく石灰を混ぜるのは厚く仕上げるため。
7 実習(貫へのくさび入れ、竹木舞設置) ○貫をくさびを入れて固定するため、貫穴を貫の六分に対して一分高くあけている
○くさびの角度はあまりきつくしない。長さは柱の幅程度でよい。
○くさびの材料は貫と同じものを使う
○くさびは、金槌でたたき込むが、叩きやすい方向に尻がなるように入れる。

○竹木舞の下部は、まわたし竹以外下にひっつかないようにする。これは土の重量で下がってしまい、割れないようにするためである。
最初に大西棟梁から道具の使い方についての講義がありました。
次に左官の南氏による外壁の補修方法についての講義がありました。
くさびを切り出していきます。プロは大量に作るため墨を打たずに感で切り出すそうですが、やはり素人は墨を打たないと難しいです。 貫にくさびを入れてから、解体の時に取り外してあった、竹木舞を取り付けていきました。
手分けして取り付けていきました バラバラになってしまっていた竹木舞はシュロ縄で編み直していきます。
だいぶできあがってきました 出来上がりました。