第40回活動(第2期第3回ボランティア講座)




1 日時 平成19年7月7日(土)
2 場所 立町の町屋
3 参加者 11名
4 講師 大西棟梁、西山棟梁、南氏(左官)、小西氏(左官)、才本氏
5 内容 ○座敷下屋部分の土台と柱の布設(隣地境界の関係で下屋部分を約30p内側に移動する ため)

○ミセ道路面の妻面の傷んだ壁の掻き落とし
  今日はボランティア講座の三回目でしたが、講師陣が充実してとてもにぎやかでした。
  
  最初に、才本さんから古材活用の話しがあり、それから西山棟梁と大西棟梁の指導で、実際に使われていたクリの土台の腐った部分を掻き落とす作業をしました。100年以上経っているにもかかわらず、クリの土台は心材は腐食せずに残っており、クリの耐久性の高さに一同驚きました。それから、あらかじめ設置してあった布基礎のアンカーボルトの位置を土台に写し、ドリルで穴をあけて、実際に土台を設置しました。クリの腐っている部分は新しいヒノキの土台を入れました。
 土台を設置してから、柱を立てるほぞ穴を角ノミ盤という機械を使ってあけていきました。墨さえ打てれば、この機械を使ってボランティアでもほぞ穴をあけることができました。

 午後からは左官職人の南氏による外壁の補修の話しがありました。それから、浮いてしまった壁土を掻き取る作業をしました。半分は午前中の柱立ての続きをしました。

5 講義のポイント ○土台にクリを使っているとよく持つ。辺材は腐っても心材はもっている。
○腐っている部分を取り除いて使っても、新しい材料以上に持つかも知れない
○良質のクリは現在では手に入りにくい。あっても、ヒノキの二倍の価格がするのではないか。長い材が手に入りにくい。
○クリを使う場合は、アクを抜くため、池に放り込んでおいた方がよい。

○土台を移動する場合、上の柱や梁の位置をそのままにして平行移動するため、むやみに取ってしまうのではなくて、柱のほぞ穴の位置とアンカーボルトの位置を決めてから動かさなければならない。
○アンカーボルトの穴の位置は、基礎のの実際のアンカーボルトの位置のセンター線からのずれを土台に写した位置を決めてから行う。
○穴の径は、アンカーボルトが12mmなら18mmとする。座金を入れる必要がある。

○柱を立てるほぞ穴は土台の下まで貫通しておいた方が、水がたまって腐る危険を回避できる。
○柱の上下は間違ってはいけない。山に立っていたのと上下同じ向きで柱を立てなくてはならない。
 この見分け方は、節の方向と年輪の流れ方で見分ける。すなわち、節のふくらんでいる方がしたである。無節の場合は年輪の流れ方だけなので非常に難しい。

○壁は下塗りまたは中塗りの上に灰ナカ(中塗り土に石灰を混ぜたもの)を塗って仕上げる。
 中塗り土にしっくいを混ぜた灰ナカでは、厚く仕上げられないので石灰を混ぜて厚く仕上げられる方がよい。
6 講義()
最初に古材の活用についての講義がありました。
座敷の下屋の部分を移動する際、使われてたクリの土台は健全だったので再利用します。
100年以上経っているのに、クリの土台の心材部分は健全でした。表面の劣化した部分を削り取っていきます。
表面は劣化していましたが、この部分を削るとしっかりした心材部分が現れます。 だいぶ削れました。
削り終わった土台に防腐剤を塗っていきます。 布基礎のアンカーボルトに対応する位置に穴をあけていきます。穴の径は18mmです。
布基礎の上に土台を設置していきます。 アンカーボルトを締めていきます。
劣化してしまって、古い土台が使えなかった部分はヒノキの土台を入れていきます。大西棟梁からアンカーの位置の墨の打ち方の説明がありました。 ドリルでアンカーボルトの穴をあけていきます。
角ノミ盤で土台に柱のほぞ穴をあけていきます。 土台を設置していきます。
柱のほぞをきざんでいきます。 壁のハイナカと呼ばれる部分をスクレーパーではぎ取っていきます。
壁を覆っていたトタン板をはがしていきます。 左官職人の南さんから壁の構造と修理の方法についての講義を受けました。