第39回活動(第2期第2回ボランティア講座)




1 日時 平成19年6月16日(土)
2 場所 立町の町屋
3 参加者 10名
4 講師 木戸氏、大西棟梁
5 内容 ○古民家の瓦についての講義と軒部分の締め直し


○木組みの解体
  今日はボランティア講座の二回目でしたが、新しい参加者もあり、ぎやかでした。
  
  最初に、木戸瓦店の木戸さんから、古民家の土葺き瓦の構造や葺き方についての講義がありました。木戸さんはこの道60年以上 というベテラン職人で、実際に古民家と同じ工法の瓦を新築で葺いていたという貴重な方です。
  講義のあと、実際に軒の屋根に上って、みんなで、ずれた瓦を整える作業(締め直し)を行いました。高いところなので、最初はおっ  かなびっくりだったのが、だんだん慣れてきて、昼までに軒の瓦の締め直しを完了してしまいました。
 
   午後からは、大西棟梁の指導で、座敷の下屋部分の柱、桁、張り等の木組みの解体を行いました。  木組のそれぞれの部材のほぞ等の説明を受けながら解体を行いましたが、おかげで一同木組みの仕組みがよく理解できました。

  また、あやまってデジカメを井戸の中に落としてしまい、ポンプで水を汲み出して、はしごをかけて底まで降りて、無事回収しました。
 酸素不足を警戒してローソクをともしながら、また命綱をつけての作業でしたが、なかなか勉強になりました。
5 講義(木戸氏)のポイント ○昔の瓦は土葺と言って。土を載を載せてその上に瓦を貼り付けただけのものである・

○それに対して今の瓦は引っかけ桟瓦といって、屋根に打った桟に引っかけて留めるように瓦に出っ張りがあり、これを引っかけてさらに釘で留めて安定させている。

○また、大きさも違う。昔のは6×3、最近のは5×3のサイズであり、今の方が瓦のサイズが大きい。今の瓦を古民家に使うと、バランスが悪くなる。

○昔の瓦は大きさがバラバラな上に形が整っていないため、一枚一枚調整のため合わせ部分を欠いりしなければならない。欠くのは、瓦用の金槌で叩いて調整する。また、合わせ部分が短く鳴っている場合は、瓦のかけらを当てて動かなくする。

○軒部分の瓦の出は2寸5分(7.5p)とする。

○瓦は葺くときは屋根の登りに向かって左側から葺いていき、土を置いて左隣を葺くときに差し込むようにする。

○しかし、締め直しの時は、逆に右側から整えていく。

○軒先の瓦の面は、左隣のものが常に2mm出るように葺いていく。こうしておけば、何年かしたら、力が働いてちょうど収まるようになる。

○軒先の瓦だけを先に5枚葺いたら、一枚ずつ上まで葺いていく。

○熨斗瓦の平瓦は下にいくほど、少しずつ外側に出るように葺いていく必要がある。

○瓦は、屋根の勾配方向に向かって右側が下がるように置くと雨漏りの原因となるので、この部分が常にあがるように葺く必要がある。


○広木舞の先から8寸の位置に3寸幅の桟木を打つ。

○瓦3枚に一枚分は、桟木の上に釘を打って留める。

○土は10pくらいの幅で上までひと筋ずつ葺く
6 講義(大西棟梁) ○解体は木組みを考えながら、上からはずしていく。
○込み栓とかを抜いたうえ、当て木をしてから、かけやで叩いてはずしていく。
○解体する部材には、必ず墨づけして、記号をつけておく。でないと、必ずわからなくなる。
最初に古民家の瓦屋根の構造等についての講義が゜ありました 講師は屋根職人の木戸さん。この道60年以上という超ベテランで、古民家の屋根を知り尽くしています。

実際に屋根瓦を葺いてもらいました。
軒部分を葺くためまず足場をつくりました 順番に屋根に上がって、瓦のずれを直していきます
木の切れ端で押しながら瓦の形を整えていきます 大西棟梁からも話しがありました。
だいぶ綺麗に整ってきました 木戸さんの指導を受けながらがんばっています
午後からは座敷の下屋部分の解体を行いました 大西棟梁から木組みの構造と、解体の仕方についての説明がありました。