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森田療法をベースに、特定非営利活動法人心ざわざわでは、摂食障害・過食症の回復サポートをさせていただいています。「感情をあるがままに認め、感情に流されることなく、行動を考えていく」。いわゆる症状にとらわれることなく、症状はあっても構わないにするということですね。これが「あるがまま」ですね。

◇NPO法人 心ざわざわ Top<森田療法とは?寄り道して脳と心のお話
感情には責任がない
心ざわざわは、森田療法がベースにあり、イメージ法やリフレーミング(前向きな発想の転換)を取り入れた回復サポートをご提供しています。感情をあるがままに知り、認め、受けとめることが基本となり、コントロールできない感情に流されることなく、コントロールができる行動を考えていく。その中で、笑顔は癖になってもいいものだと詠いながら、あるがままに受けとめた自分の感情に自信をもつように、視線を伸ばして、視野を拡げていきます。自分のいいところ探しは、自分を認める第一歩となり、自分にとって、一番近い存在で、一番信頼ができる存在は、自分自身であることに気がつくと、マイペースが掴めます。前向きの思考が習慣化されることで、自然に心が癒され、やがて大きく頷くでしょう。原点は自分であることがわかってきます。
森田療法とは?
森田療法を説明するのは、とても容易ではありません。よく耳にする「あるがまま」という言葉がすべてを語るように、自分の心が自分を癒すと分かる道しるべになるものだと、私は感じています。
森田療法の創案者、森田正馬(もりた まさたけ 1874〜1938 高知県生まれ)博士は、幼少から学生時代は、感受性が強く、あまり丈夫とはいえない体でした。その自らの体験を通して、「あるがまま」の治療目標を生み、「症状を不問」にする技法で、自我尊厳の回復機能を生かした、いわゆる「建設的な生き方」を普及させ、東京慈恵会医科大学教授として、また根岸病院の医長として多くの患者の治療をされました。
まず、症状を治療の対象にしないのですが、それを無視するのではなく、症状にとらわれることなく、症状はあっても構わないにするということですね。いわゆる「あるがまま」です。行動することで、また作業を通して、出来たことに目を向け、その小さな成功の喜びを反復体験しながら、自分には不可能なことはないのだと自信をつけていきます。数々の不安や緊張は、すべて「あるがまま」にしておきます。その不安という感情は、あのフロイトは、それが起きる根源には衝動があると考えましたが、森田は、欲が潜存すると考えました。生への欲ですね。
また、森田は、
○感情には責任がない
○感情は何かの合図である
○どんな感情も可能性を秘めている
○不快な感情はいつかは消える
○行動が感情に影響を与える
と、感情の法則を述べています。
そして、この療法の最終目標である「純な心」を会得することは、自分を欺かない本当の心で、物事の真実を見極める力が生まれ、その事態に適応していけるようになるのですね。
森田療法は、本来は入院して行なわれます。大まかですが流れを記載します。
T期 絶対安静(食事とトイレ以外はベッド臥床 約1週間)
U期 軽作業期 規則正しくなすべきことをなす、日記をつける(談話やレクリエーションは禁止 1〜2週間)
V期 重作業期 全身を使う作業 終日続ける(3〜4週間) 
W期 日常生活訓練期 手紙や談話を許可 境遇に従順(1〜4週間)
■参考文献
悩みを活かす 森田療法による建設的な生き方  D・レイノルズ 著 大原 健士郎 監訳
新版 森田療法入門 「生きる」ということ  田代 信維 著
実践 森田療法 悩みを活かす生き方  北西 憲二 著
心の病気がわかる本  小俣 和一郎 監修
精神科看護の専門性をめざして 専門編 (社)日本精神科看護技術協会 編集
ちょっと寄り道して、脳のお話
ちょっと寄り道して、休憩してくださいね。脳のお話をしましょう。
人間の頭とよばれる部分に、脳は位置していますね。 その脳の中には、脳幹部とよばれる、脳の下部に位置して、意識・呼吸・血液循環・体温調整の働きをする部分があります。 上から、視床・視床下部(体内時計・食欲や性欲などの中枢)・中脳(歩行や気分をコントロールする)・橋・延髄に分けられています。 そして、小脳、大脳辺縁系(怒り・悲しみ・恐怖と関係がある)、認知大脳新皮質があります。 認知大脳新皮質は、前頭葉(人格・意欲・創造性)、頭頂葉、側頭葉(言葉を理解)、後頭葉(視覚情報の認知・蓄積) から構成されています。
皆様も、よくご存知でしょう。脳の右側は直感力・感受性を支配し、左側は言語理解・分析力・計算を支配しているようですね。 しかし、これらは、特定の働きをしていても、独立したものではなく、すべてのバランスが上手に保たれているのですよ。
また、脳は、たくさんのニューロンとよばれる神経細胞から成り立ちます。これらが連絡網を作っています。 その中のシナプスとよばれる部分で、神経伝達物質を送ってやり取りをしています。 普段、何気なく感じ考え行動しているのは、この神経伝達物質が脳の中をかけめぐってくれるからですね。 神経伝達物質の主なものは、アセチルコリン(記憶・目覚め・睡眠)、 セロトニン(覚醒・睡眠・情動)、ノルアドレナリン(幸福感・不安)、 ドーパミン(攻撃性・快感)、ガンマー・アミノ酪酸(脳全体を抑制)などです。 お分かりのように、神経伝達物質がそれぞれバランスよく働いて、ある程度の心の安定を図っているともいえます。
心の病気のお話
心の病気は、多種多様です。原因や症状も複雑で、そして繊細なのです。
大まかに心の病気の種類をあげてみました。あくまでも参考までになさってくださいね。
○内因性の精神障害 統合失調症・躁うつ病など
○心因性の精神障害 心理的な要因(人間関係・性格・体験や環境)神経症やうつ病
○器質性精神障害 脳炎・髄膜炎・脳腫瘍
○症状性精神障害 その他身体的な病気が原因
○てんかん
精神科で治療する主な病気
統合失調症
うつ病(単極性気分障害)
燃え尽き症候群
アパシー・シンドローム
躁うつ病(双極性気分障害)
非定型精神病
摂食障害(拒食症・過食症)
人格障害(境界性・妄想性・分裂病質・自己愛性・強迫性・反社会性)
対人恐怖・高所恐怖・不潔恐怖
パニック障害
強迫性障害
心気症
心身症
外傷後ストレス障害(PTSD)
離人症
解離性障害・ヒステリー
全般性不安障害
持続性疼痛障害
アルコール症
薬物依存症・仕事依存症・買い物依存症
チック症
ナルコレプシーなど
心を癒す場所や方法
今、心の癒しを求めていらっしゃる方が多くなりました。心を癒す場所や方法は、たくさんありますね。心の病気を癒す(治す)場所には、
メンタルクリニック(精神科診療所)・・保険診療と自費心療
総合病院(精神科)
大学病院
精神病院
精神保健福祉センター
心理相談室
保健所
などがあげられますね。
治療法も、薬物療法や心理療法(精神療法)があります。
心理療法(精神療法)には、カウンセリング、家族療法、精神分析的精神療法、指示的精神療法、森田療法、認知療法、行動療法、認知行動療法、集団精神療法、芸術療法、自律訓練療法、作業療法(リハビリ)など幅広く あげられます。
また予防や治療に役立つリラクゼーション法には、複式呼吸法やイメージ法、音楽やアロマテラピー、ヨガやレクリエーションなどがあり、個々の病気、症状や好みを考慮して取り入れてくださいね。
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