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あなたの体は、一番身近なあなた自身が、日頃から気に掛けてあげることが何より大切ですね。体の声に耳を傾けてみましょう。ほら?何って言っていますか?

◇NPO法人 心ざわざわ Top<ほら?何って言っていますか?体と心
リラクゼーション
ちょっと疲れたかな、ストレスかなと感じたときに、心と身体をリラックスするための方法があります。それをリラクゼーションといいます。いろいろなリラクゼーションがありますが、ここでは、自律訓練療法、漸進的筋弛緩法、深呼吸の三つをご紹介します。
自律訓練法
1932年にドイツの精神科医のシュルツによって体系化された自律訓練法は、疲労回復・集中力アップ・不安や不眠を軽減し、また、慢性的なストレス、肩こりや冷え性の方にも効果があるといわれています。落ち着ける場所で衣類を緩め、ベッドか布団で仰向けになるか、いすに腰掛けます。次の言葉をゆっくり感じながら、マイペースで進めてください。 初めは難しいと思われるでしょうが、ゆっくり繰り返すと、少しずつ慣れてきます。ひとつの言葉の実感が得られたら次に進むというペースで、最初は1回5分くらいかけて、1日3回くらいで行なってくださいね。
1 気持ちが落ち着いている
2 両腕両足が重たい
3 両腕両足が温かい
4 心臓が静かに規則正しく打っている
5 楽に呼吸をしている
6 おなかが温かい
7 額が心地良い
漸進的筋弛緩法
ジェイコブソンの考えた、漸進的筋弛緩法は、特定の部分の筋肉に、思い切り力を入れて緊張させて、それを少しずつ緩めていき、その筋肉の緩んだ状態を味わうように、繰り返して、リラックスした状態を体得する方法です。腕・顔・首肩・胸腰・足の順番に、自分のペースで行なってくださいね。
深呼吸と笑顔
心ざわざわがお奨めする方法は、深呼吸です。病院で手術前の患者様も、必ずこの訓練をします。複式呼吸は、簡単なようで、なかなか慣れるまで難しいのですが、心にも身体にもいい事づくめの深呼吸を、ぜひに体得していただきたいと思います。まず、息を吐くことから始めてくださいね。口をすぼめる感じで口から吐いて、吸うときは鼻ですよ。◎座りやすい椅子に、楽に腰掛ける。◎まず、肺の空気をすべて出してしまうつもりで、息を吐く。◎お腹が膨らむように、鼻から大きく空気を吸い込む。
普通に呼吸をすると胸が上下しますが、お腹が膨らむように吸ってください。一般に男女差はありますが、肺活量は2500〜4000mlといわれています。肺は必ず残気量があり、その残気量と肺活量を合わせたものが全肺気量ですね。普通1回の換気量は400〜500ml程度です。深呼吸で、肺の全部の空気を入れ替える気持ちでゆっくり行ないましょう。深呼吸は、入浴中、湯船に浸かりながらするのがいいですね。座る姿勢と寝る姿勢では、肺の下、胃の上にある横隔膜の位置が異なってきます。座る姿勢ですと、横隔膜が下がり(真っ直ぐになり)、肺が大きくなってたくさんの空気が吸えますね。そして、鼻や喉の粘膜や気管支は、乾燥すると風邪の細菌やウィルスがくっつきやすくなります。お風呂での適度な湿気は、風邪の予防にもつながりますよ。
息をするって、無意識の行動ですね。息を吐くことは、副交感神経と脳の視床下部を、吸うということは、交感神経を刺激します。呼吸をゆっくりリズムカルに行なうと自律神経が穏やかに、また活発に動くようになります。ご存知のあくびは、血液中の酸素が不足した状態のサインです。例えば昼ごはんのすぐ後は、食べ物を消化しようと酸素を含んだ血液が胃に集まります。すると脳に酸素が不足して、眠たくなってきます。また鉄が少ない貧血の方は、酸素を含む血液が少ないので、身体は一生懸命心臓を動かして、血流を早めようとします。脈が早くなります。人間の身体は、不思議なくらいその状況に適応しようと努力するんですね。朝ごはんを食べる習慣がない方は、次に身体に栄養が入ってくるまで飢餓状態。いざ食べ物が入ってくると、次はいつに食べ物がくるか分からないので、一生懸命吸収します。カロリーの100%を身につけようとします。ダイエットの後にリバウンドしやすいのは、この身体の正常な働きから起こるものですね。脳も同じです。脳の栄養はグリコーゲン。10時間ほどの断食でエネルギー不足となってしまいます。
そして、忘れてはならないのが、身体と密接な関係の心も同じであることです。いろいろな状況に応じようと努力をするのです。それらが上手くいかないときやどうしても納得ができないときなど、ストレスを感じたり、不安になったり・・・当然ですね。誰もが感じることですね。不安はあって当たり前、ストレスを感じるのが生きている証拠です。はい、そこからですね。「心ざわざわ」のお奨めするリフレーミングです。笑顔です。笑うということは、高度に脳が発達した動物だけ見られるものです。前向きな発想の転換は、ちょっとした習慣で癖になるものです。笑うたびに、脳を元気にするホルモン(ベータ・エンドルフィン)が大量に分泌されます。そして、心も身体もイキイキしてきます。さあ、「心ざわざわ」でリフレーミングして、笑顔を癖にしてくださいね。
かぜの話
今日も、やっと仕事(学校)が終わって自分の家(部屋)に戻った、とドアを開けて「ただいま」。この言葉は、「只今、帰りました」の略語ですね。この言葉、習慣になっていますか?一人暮らしで誰も「お帰り」と言ってくれないから、家族は皆それぞれ忙しいから、「ただいま」って言わないなんて、そんなのもったいないですね。あなたの空間に、あなたが戻ってきたのですもの。あなた自身に、お疲れさまの意味も込めて、また気持ちに区切りをつけて、「ただいま」と明るく言ってみましょうね。今、私は、ここにいるんですよ、という意味も含めて「ただいま」。
あれ?かぜの話?そうです。その「ただいま」の次にすることが、「うがい」。ご存知のようにかぜ症候群は、上気道の急性の炎症の総称で、万病のもとだともいわれていますね。「うがい」は、そのかぜを予防する一番いい方法なのです。かぜは、ウイルス、細菌やマイコプラズマなどが、口や鼻から喉へ入り、粘膜に付着して、様々な症状(くしゃみ、鼻水や咳など)を引き起こします。もちろん、その症状は、生体の防御反応ですので、あなたの身体がしっかりがんばっていますという証拠ですね。がんばってくれる身体への休憩時間を増やすためにも、「うがい」は大切だと思います。「うがい」は、口の中や喉に付いた細菌を洗い流してくれます。また、粘膜は本来潤っているものですので、乾燥しないように潤いを取り戻し、かぜの原因となるウイルスや細菌がくっつきにくい環境にしてくれます。「ただいま」のすぐ後に、流水で手洗い、そして「うがい」ですね。ヨード系のうがい薬は、殺菌効果も高く、市販されていますが、塩水や酢水も殺菌効果がありますので、お奨めします。また、白いナンテンの葉にも炎症を抑える効果があり、インドのヨガの健康法でも有名な塩水で鼻うがいも、同様に効果がありますね。
心のかぜの予防策
そして、やはり心ざわざわですので、かぜといえば、心のかぜのお話です。そうなんですよ。心もかぜをひくんですよね。そして、心のかぜの予防にも、大切なのが、毎日の「うがい」の習慣ですね。え?塩?酢?白ナンテン?何で「うがい」をするの?と質問がありそうですが、心のかぜは、身体のかぜと同じ「うがい」ではなく、その人によって効果があるものは異なりますね。しかし、心も同じ、かぜは万病のもとであり、早めの対処で、早くよくなりますし、何よりも大切なのは、潤いでしょう。心が、何か重たいな、しんどいなと感じるのは、あなたの生体防御反応ですので、心ががんばってくれているわけですね。
そこで、心が何をいっているのかと耳を傾けながら、深呼吸をする。ここで、あるがままに、心が感じるままに、あなたも感じてくださいね。疲れたんだ、休憩させてよ、と聴こえてきたら、思い切って、休みを取ってみる。ストレスばっかりで気が滅入るよ、と感じたら、笑顔で潤いを贈ってみる。何もかもが上手く進まないんだと、思うならば、リフレーミングで、ご褒美を贈ってみる。考えがグルグル回るだけならば、視野を広げるために、信頼のできる方に、心がいっている言葉を話してみる。身体のように、免疫力を高めて、かぜを寄せ付けないようにするのではなくて、その原因となるものから目を逸らさず、みつめてみる。そして、それを丸ごと認める。そこから、「うがい」の効果がでます。笑顔とリフレーミングで、仲良くするもよし、逃げるが勝ちという時もあり、堂々と立ち向かってすっきりするも一つの方法です。心のかぜも身体のかぜも、あなたの心とあなたの身体ですので、一番身近なあなた自身が、日頃から気に掛けてあげることが何より大切です。心にも身体にも、毎日「うがい」の習慣で、元気と笑顔をプレゼントしてくださいね。すべてのことを、一気にするのではなく、すべてのことを完璧にしあげるのではなく、今、できること、今、できる一つのことを、今、始めてくださいね。
熱中できるもの
熱中という言葉を、よく耳にしますね。一つの物事に深く心を傾けることを意味します。熱が上がるほど、何かに打ち込める状態ともいえるのでしょう。リラックスとは、また異なる気分転換にもなると思います。皆さんも、熱中できる何かをお持ちでしょう。「私は○○」って、それぞれの声が聴こえてきました。「特にないな〜」って方もいらっしゃるようですね。人それぞれですもの。それぞれ、素晴らしいですもの。ほどほどに、熱中、そう、自分らしく熱中ですよ。
熱を作って、熱を発散させる
自分らしく熱中できるもので、熱を作って、熱を発散させる。熱という言葉に関連して、発熱のお話をしましょう。人の身体は温かいですね。私は、心の温かさとの関連はほとんどないと思っています。その身体の深部体腔内の温度を、体温といいます。この体温は、身体の中の熱の産生と放散のバランスが一定にコントロールされて保たれているのですね。人の身体は、食べ物の糖質・脂質・蛋白質を摂ると代謝されて熱が作られます。基礎代謝とよばれる、肝臓、骨格筋や脳が熱を作ります。運動すると骨格筋が熱を一生懸命作り、寒い時に身体が震えるのも同じで、筋運動で熱を作っているのですね。 人の身体は、ホント努力家だと感心します。甲状腺や副腎髄質のホルモンの作用も、熱代謝には欠かせないものです。アドレナリンは、皮膚の血管を収縮させて、熱が逃げないように抑制します。体温が1度上がると、代謝は13%亢進するといわれていますよ。その熱のバランスを保つために、人の身体は、輻射、伝導、対流や蒸発により、熱を放散をします。輻射は、熱が赤外線や電磁波の形になり移動することで、風が吹いたり、身体を動かすことで、伝導や対流の放熱量が変化します。蒸発は、水分の気化現象で、不感蒸泄と発汗で熱の放散が起こります。 これらすべての体温調節中枢は、間脳の視床下部にあり、皮膚の温度感覚受容器から、知覚神経を経て伝わるものと、血流の温度変化による刺激により調整されています。やはり素晴らしい人の身体ですね。意識しなくても、きちんとがんばってくれていますね。感謝ですよ。
また、体温は、年齢、性差、日差、季節的変動、運動、入浴、食事またホルモンや自律神経にも関係して変動します。一般に交感神経の緊張が強い人ほど、体温は高いといわれています。自律神経の働きは大切ですね。精神的興奮も体温が上昇します。そうそう入浴や飲酒は、抹消血管が拡張しますので、熱の放散が盛んになり、体温は低下しますので、ご注意くださいね。皆さんも経験がおありでしょうが、熱が上がる前に、悪寒戦慄という抹消血管が収縮して身体の震えや鳥肌の状態となりますね。 体温が体温調節のレベルまで上昇し、熱の産生と放散が平衡する状態となると、発熱となるわけです。顔が赤くなり、汗がでて、脈拍も上がり、呼吸も増えます。これらは、すべて熱の発散をしているのですね。蒸散が増えると、粘膜や皮膚が乾燥し、尿量が減少し、喉が渇き、いわゆる脱水がおこります。身体が、正常の体温に戻すためにがんばっているのですね。
発熱の原因となるものは、感染症を始め、たくさんありますが、気をつけるのは、ちょっとした熱だからと軽く考えないで、随伴症状が悪化しないように、早めに対処し、できれば専門医に相談することですね。発熱している身体は、体液や電解質のバランスが崩れていますので、嘔吐がなければ、体液に近い吸収のよいスポーツ飲料や塩を微量に入れたお茶などを少しずつ飲み、消化器の負担を減らすために消化の良いもので、体力保持のために高カロリー高たんぱくの食べ物を摂り、 熱で壊れたビタミンCも、補ってくださいね。呼吸のバランスも崩れやすいので、過換気にならないように深呼吸を試み、できるだけ安静にすることですね。これらは、他のコラム記事で取り上げていますので、参考になさってください。
さて、ご存知のように、熱は、冷たい物体に向かって移動します。その性質を利用して、高熱の場合は、血液を冷却します。どうやって?はい。 体表面近くを通っている動脈を冷やすことです。首の動脈、腋(わき)の動脈やそけいぶ(大腿)動脈を冷やします。例えば、小さなビニール袋に、小さめの氷を作っておきます。また食品の冷凍保存用の小さなパックを利用してもいいでしょう。ガーゼハンカチを濡らして凍らす方法もあります。それぞれを、厚手のタオルなどでくるんで、それぞれの部位にあてます。気をつけてくださいね。溶けた時に水が漏れないように、また冷やしすぎないようにね。そして額を冷やすと、気持ちよさが心の安心感へつながりますので、これも適宜取り替えてくださいね。発熱中は、発汗が増えるので、マメに着替えることが大事ですが、安静を考えると、背中や首にタオルを敷き、それだけを交換する方法もお奨めです。よく市販されているのを見かけますが、アルコールで身体を拭くと気化熱をとるので、一時的に体温を下げることもあり、気持ちもさっぱりします。もっとも大切なのは、口の中の清潔です。口の中の細菌で口内炎、呼吸器系や耳下腺炎などの二次感染を起こしやすいので、また口の中の乾燥を防ぐためにも、うがいをしてくださいね。小さな氷を口の中に入れるだけでも、水分も摂れ、気持ちもすっきりして効果が大きいですね。
こうやって考えると、発熱は、身体が、体内に入ってきた細菌やウイルスと闘ってくれていたり、水分のバランスが崩れているよと教えてくれたりと、一生懸命に働いてくれている証なのですね。あなたの身体ががんばってくれているのですもの。日頃から、水分や食事などを始め、何かが不足したら補ってあげる、疲れたかなと感じたら休憩を取るなど、ちょっとしたことを気にかけてあげたいですね。そして、心も同じですよ。不足したら、どうやって補うのかな?と考え、疲れているのならば、どうすればいいのかな?別の方法はないのかな?と考えて、自分らしく熱中できるもので、熱を作って、熱を発散させる。心のバランスが、一定にコントロールされて保たれている状態を、見つけて、自分のものにしたいですね。そうです。すべて、ほどほどにね。

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